第27話・最後の言葉を聞かせて
「あんっ、くふぅ、んんっ」
「んふぅ、ゃん、うぅんっ」
重なり合う唇から漏れる微かな息づかいと、舌が〝ねちゃねちゃ″と絡み合う淫靡な音だけが響き渡っていた。
そこはトイレの個室の中だった。
その中で、向かい合わせに身体を密着させ便座に座る2人の少女が、互いの唇を貪るようにキスしていた。
その手が貫頭衣のような制服の紐をほどき、豊潤な果実のような膨らみを露わにすると、互いが知る、相手が一番感じるポイントを的確に攻めるように、緩急と強弱を使い分けながら揉みしだき始めた。
「ぁあん、そこ」
「んんっ、くふぅ」
思わず漏れそうになる声を防ぐように、2人は慌てて唇を重ねる。
「だめアオイ、そんなことされたら声が出ちゃう」
「ふふ、待機任務中に、しかもいつ誰が入ってくるかもわからないトイレの個室の中でこんなに感じるなんて、イオナが本当にエッチだな」
「ううん。私をこんな風にしたアオイがいけないんだから」
そう、彼女たちはチーム35に所属するギア・ファイター、アオイとイオナだった。
任務中はギアが格納されたハンガー内の施設は全て待機しているチームの専用になる。
つまり、誰にも邪魔されない密室になるのだ。
「んくぅ、だめ、そこは、ぁん」
「やん、だめ、そこは、んん」
2人は、若々しい張りと弾力で、圧し潰し合いながら互いに弾き返さんと〝たわわ″に弾む膨らみの頂点で〝つん″と自己主張する桜色のちっちゃな蕾を互いに摘まみ〝こりこり″しながら、大きく開いた脚の付け根同士を密着させ、痛いぐらい〝つんつん″に固く尖って種皮から〝ちょこん″と顔を覗かせる新芽や、その下で艶めかしく開いて〝ぬるぬる″に滑る桜色の花びらを擦り合わせていた。
「はぁん、だめアオイ、こんなの、私すぐにイっちゃう」
「うん、オレも気持ち良すぎて、もう、んんっ」
「イクっ」
「あぁあん」
あまりの気持ちよさに2人はあっと言う間に達してしまい、その余韻を楽しむように唇を重ねていた。
〝ビ~っ、ビ~っ、、ビ~っ、、ビ~っ″
その時ブロッケン警報が鳴り響いた。
「アオイ」
「うん」
2人ははだけた制服もそのままにトイレを飛び出し、ハンガー内をギア目指して駆け出していた。
すると、
「ようお二人さん、随分長いトイレだったな」
そう声を掛けられ振り向くと、そこにいたのは同じチームのフブキとヒメノだった。
だが彼女たちも、裸にバスタオルを巻いただけという出で立ちだった。
「そっちこそ、オレたちがトイレに入るまえからシャワー浴びてたじゃねえか」
「なんですって」
「もう2人とも、ケンカはやめなよ」
そこに割って入ったのは、やはり同じチームのアネットとリリナだった。
しかし彼女たちは2人とも全裸で、しかもその身体が艶々にてかり、近付くだけでむせかえるような甘い匂いが立ち込めていた。
「お前らまた蜂蜜プレイしてたのか?」
「また?あれは枕やシーツやスーツの中までねちねちになるからダメって言ってるでしょ」
「うん、私たちもシャワーを浴びたかったんだけど使用中で・・・」
リリナがそう言いながらヒメノとフブキに目線を送ると、2人は慌てて視線を逸らしていた。
そして6人はカタパルトに駆けつけると、ワープブースターを装着された各々のギアに搭乗していた。
「ガリレオ、こちらチーム35、発進準備よし。ブロッケンの出現ポイントを教えてくれ」
『今、量子コンピューターが予測中だ。もう少し待て』
「アオイ、あれを見て」
モニターに映し出されるヘルゲートを見ていた彼女たちの視界に飛び込んできたのは、メリルの輪に押さえ込まれるヘルゲートの境界面がデタラメに波打ち火花を散らすそこからヘビ花火のようにまっすぐ盛り上がるブロッケンの姿だった。
『ブロッケンの出現を確認』
だが、円柱のように垂直にそそり立つそれはメリルの輪とヘルゲートとの間に発生する、シュバルトシュルツ半径によって消し炭のようになり、その表面がそこらじゅうでポロポロ崩れ始めていた。
『チーム35、ブロッケンは消し炭になって・・・』
その時、それは起きた。
消し炭になったブロッケンの身体が、まるでバナナの皮のように四方行に剥け、中から全く無傷のブロッケンが姿をあらわした。
そう、4体のブロッケンがスクラムを組んで盾となり、1体を通り抜けさせたのだ。
ブロッケンが自らを犠牲にして仲間をこちら側に出現させた。
人類にとってそれは新たな衝撃だった。
「あいつら」
「でも、今までのに比べたら全然小さいよ」
確かにイオナの言う通りだった。
それはおそらくギアと同じぐらいの大きさで、ガリレオを地球に衝突させよとした脚型ブロッケンや、ハーケリュオンを飲み込んだ巨大ブロッケンに比べたらかなり小さい。
ブロッケンの進攻を防ぐという意味では、メリルの輪は完璧にはほど遠いかもしれない。
が、エンジェルハイロウに比べれば一定の成果はあったといえるだろう。
そしてブロッケンの姿が消えた。
『チーム35、ブロッケンの出現位置を特定した。場所は、・・・なんてことだ』
「どうした、どこにあらわれる?」
『“始まりの場所だ”』
「なんだって?なんであんな所に?」
『チーム35、迎撃を頼む』
「了解、行くぞみんな」
「了解」
そして出撃し、目的地上空にワープアウトした彼女たちが目にしたのは、イナズマが電磁層から空間を引き裂いて地上に到達し大地を破壊するところだった。
「来るぞ」
その中から姿をあらわしたのは、ナマコのようなブロッケンだった。
「姿を変える前に倒す」
「アオイ、私達にまかせて」
「うん、ヒメノ、フブキ、任せた。いいか、精神攻撃と融合に気を付けろ。サポートするから無理だけはするな、俺達はチームなんだから」
「「了解」」
3機の飛行体のうちの1機、オルフォリアがブロッケン目掛け急降下を始めた。
「行くよフブキ。チームの連勝記録を更新してまた表彰だからね」
「OK、ヒメノ」
その刹那、
変形途中のブロッケンの全身から、急降下してくる敵機に向け、いや、無差別に全方位に無数の飛礫が超高速で撃ち出されていた。
それは全て小型のブロッケンだった。
たが、オルフォリアは2つに分離し、神業とも言えるアクロバティックな動きでそれをかわしていく。
しかも、その進路を遮ろうとする小型ブロッケンが次々に爆散し始めた。
それは、チーム35の他の2体、リキュリアスとフィルージュからの援護射撃だった。
この2体もまた、ブロッケンの攻撃をかわしながら援護射撃を続けるという神業を、さも当たり前のように行っていた。
そして、ヘビのようだったブロッケンが4足歩行のバケモノへと姿を変えた瞬間、
「「ダイバーズ・ギア、オルフォリア、モード・バルバス。クロスイン」」
バルバスと呼ばれる巨大な鋼の獣となったギアが、小型ブロッケンの攻撃をかわしながら、跳びはねるように逃げ回る。
だがそれは、だだ逃げているわけではなかった。
その後頭部にライオンの鬣のようなものが開き、それらが超高速で回転し始めると、鬣をぐるりと囲むようにエネルギー粒子が光の輪を作り上げていく。
「エネルギー充填120%、ヒメノ」
「うん、いくよフブキ」
「「スパイラルサンダー・シュートっ」」
その瞬間、大きく開かれた口から咆哮のようにエネルギー粒子が撃ち出されていた。
そして《それ》は、進路上にいた全ての小型ブロッケンを蒸散させながら獣へと姿を変えたばかりの巨大ブロッケンに命中した。
【ギャギャギャギャギャ~~~~~~~~~っ】
ブロッケンの身体は真っ二つに裂けながら熔け、コアが無い側が崩壊するように崩れ落ち消滅していく。
「よし、オルフォリア、エネルギーの再充填を急げ、その間は俺達に任せろ。アネット、リリナ、オルフォリアの援護を頼む。ヤツは俺とイオナが相手する」
「了解」
それと同時にアオイとイオナが搭乗するギアがブロッケン目掛けて垂直急降下を開始していた。
「ダイバーズ・ギア、リキュリアス、モード・イカルガ、クロスイン」
飛行体が2つに分離し、変形しながら再合体し、巨大な羽根を持つ鳥型のメカへとその姿を変えていく。
“ドゴゴゴゴゴゴオォォォォ~~~~~ンっ”
その瞬間、2人を凄まじい激震が襲った。
それは、パワードスーツを装着していなければ、即死するほどのGだった。
「どうしたイオナ?」
「なにが起きたの、アオイ?」
だが、目の前にいるはずのパートナーは影も形もなかった。
そう、リキュリアスは再合体してはいなかった。
2機は再合体直前の状態のまま空中に静止していたのだ。
「ば、ばかな」
「アオイ、これ見て」
アネットの言葉と共にアオイの目の前に映像が割り込む。
そこに映し出されていたのは、空中に静止するリキュリアスの姿だった。
だが、よく見ると、機体の周りに何か小さなものが蠢いているのが見える。
映像を拡大してみると、それは小さな蜘蛛型のブロッケンだった。
「こ、これって」
そう、本体から撃ち出されていた小型のブロッケンはチーム35にただ攻撃を仕掛けていたわけではなかった。
そして本体がオルフォリアの攻撃を受けたのさえも、蜘蛛の巣を張る作業を悟られないための囮だったのだ。
リキュリアスは蜘蛛の巣に捕らえられていた。
「イオナ、脱出するから」
「うん」
そう言うが早いか、2人は脱出用の非常ボタンを押していた。
“ボシュ”
アオイとイオナをスーツごと納めるコックピットブロックが機外に射出されると、それは鋭利な蜘蛛の糸に斬り刻まれ大地に激突していた。
「ワープブースターが破損した。私たちは自力で帰還できない。救助を頼む」
言うが早いか2人に小型ブロッケンが襲い掛かろうとした瞬間、コックピットブロックの外側の装甲が爆発するように弾け、対ブロッケン用の特殊鐵鋼弾を全方位に爆散させていた。
それによって、残されたコックピットブロックはバラバラになり、中からパワードスーツが姿をあらわした。
だが、彼女たちの視界に最初に飛び込んで来たのは、絡め取られた蜘蛛の巣の上で、無数の小型ブロッケンに取り付かれ融合されつつある愛機の姿だった。
「リキュリアス、ごめん」
アオイとイオナはそう呟きながら、しかし全く躊躇することなく自爆ボタンを押していた。
“ドゴゴオォォ~~ンっ”
爆音と共に青白い炎に包まれたその刹那、2つに分割されたままのリキュリアスは、機体を埋め尽くす小型ブロッケンを、周りの空間もろとも吸い込むように収縮し消滅し
ていた。
パイロットを脱出させた後、プラズマコアドライブを自爆させ、それによって瞬間的に生み出されるマイクロブラックホールに全てを吸い込ませる。
それが、ギアをブロッケンに融合させず、あわよくばブロッケンそのものも消滅させることが出来るかもしれないとメリルが提唱した作戦だった。
だが、その代償は大きかった。
チーム35は指揮官機を失い、パイロット2人が、小型ブロッケンが埋め尽くす大地に、必要最低限の装備しかないスーツで放り出されていた。
そこに四方八方から蜘蛛型ブロッケンが襲い掛かる。
2人はスーツを合体させ内蔵された武器で応戦するが、あまりに多勢に無勢で、あっという間に全弾を撃ちつくし包囲されてしまっていた。
「くそっ」
「アオイ」
SUVほどもある蜘蛛型ブロッケンの群れが全方位から一斉に2人に襲い掛かった。
「2人共、倒れて~っ」
その金切り声に2人はうつ伏せに倒れた。
その瞬間、2人が倒れるのと同時に、スーツのバイザーをかすめるように神々しい光の刃が辺りを凪ぎ払い、襲い掛かろうとしていたブロッケンを消滅させていた。
「2人共、生きてる」
「それ、お前が言う?」
その、スーツの表面を溶かすほどの超至近距離をかすめた攻撃は、フィルージュによるものだった。
水棲人のような姿に変形合体したフィルージュは推進装置として使用している尾びれからプラズマエネルギーを放出しながら小型ブロッケンを凪ぎ払ったのだ。
「アオイとイオナを無事確保。ヒメノ、フブキ、ガツンとやっちゃて」
「「了解、スパイラルサンダー、シュート」」
オルフォリアが放った必殺の一撃が、大きく口を開け正面から突撃してくる獣型ブロッケンへと命中し、その身体を貫いた。
「やったぁ・・・え!?」
それは、一瞬の出来事だった。
ブロッケンの身体の真ん中が、ビームを避けるように大きく開き、スパイラルサンダーはその空間を素通りしていた。
そして次の瞬間には、そのまま突進したブロッケンが、オルフォリアを空洞に飲み込む格好で“ぎゅっ”と穴を閉じていた。
“ベキベキベキベキ~~~っ”
「ヒメノ、フブキ、脱出して」
アオイの絶叫を掻き消すように金属が全方位から圧し潰される音が響き渡る中、オルフォリアの胸部装甲が弾け、中から姿をあらわしたコックピットブロックがワープブースターに点火し、蒼い白い炎の軌跡を残しながらガリレオ目掛けてワープしていった。
そして、オルフォリアはブロッケンごと大爆発し、青白い閃光に包まれて周りの空間を吸い込みながら一瞬で収縮し消滅した。
“ゴンっ”
その瞬間、フィルージュになにかが突き刺さっていた。
「あれって、まさか?」
それを見たアオイの悪い予感は当たっていた。
ブロッケンが死ぬ間際に爆発の勢いを利用して打ち出したコアがフィルージュに突き刺さっていた。
「2人共、逃げて」
「脱出しろ、早く」
イオナが、そしてアオイが叫ぶ。
だが、フィルージュがみるみる間に侵食されていく。
そして、フィルージュがブロッケンへとその姿を変えていく中、胸部装甲が弾け射出されたコックピットブロックが自動でワープブースターに点火され強制的にワープしていた。
そしてブロッケンはプラズマコアをえぐるように引き千切り引きずり出して握り潰すと、フィルージュと融合していた。
そして、伸ばした触手で逃げるアオイ達をあっけなく捕まえると、、合体したスーツを掴み上げ重ねた両手で雑巾のように絞り始めた。
“メキメキメキメキ~~っ”
特殊合金製の装甲が、まるで飴細工のように音を立てて潰されていく。
「あぁぁ~~~っ」
“バキバキバキバキっ、ゴキっ、ボキっ”
スーツごと身体を圧し潰され全身の骨が折れる音だけが耳に響く。
アバラが砕け肺も潰れたのが息が出来ない。
呼吸が出来ず咳き込むたび、バイザーに血が飛び散る。
肩にぐったりと力なくもたれかかるイオナの顔は、口だけでなく鼻からも、いや、それだけではない。彼女は耳や目からも出血していた。
イオナだけでもなんとかしなければ・・・
だが、全身の骨が砕けた上に潰された装甲に閉じ込められ、手足どころか指1本動かすことが出来ない。
「い、・・・イオナ」
だが、アオイの肩に力無くもたれかかる彼女の顔からは血の気が失せ、鼻や口だけではなく目や耳からも出血していた。
(誰かお願い、俺はいいからイオナを、イオナだけでも助けて)
だが、その間もスーツは握り潰され続け、アオイは自分の頭蓋骨が砕ける音を聞きながら絶命しようとしていた。
(神様、お願い。イオナを助けて)
“ズシュゥゥウっ”
その時、鈍い音と共になにかが大地に突き立てられていた。
(!!)
朦朧とする意識の中で、その轟音に反応し何とか開けた彼女の目に映ったのは、ブロッケンを刺し貫く身の丈よりも長いランスを持つギアの姿だった。
だがその姿は、彼女たちが普段搭乗しているものとはかなり違っていた。
漆黒の闇を思わせる真っ黒な全身は、鎧のように複数の装甲が重なっている。
重なりあう胸部装甲の隙間、胸の中心から神々しい黄金の光が炎のように噴き上がる《それ》は、そこから身体中を駆け巡り、全身の装甲の隙間からも噴き上がる様子が垣間見えていた。
しかもその額には2つの鋭いツノが伸び、その下には赤い眼光を放つ4つの目が装甲の隙間から覗き見える。
身の丈よりも長いランスを構えるその姿はまるでブロッケンそのものだった。
そして、ブロッケンの身体を貫通したランスの先端は、コアを刺し貫いて大地に突き立てられていた。
“バシュっ”
そしてランスの先端が打ち出され、ブロッケンのコアが砕け散っていた。
「・・・」
するとブロッケンが崩れるように崩壊し、その手から落ちた、もはや原型を留めない鉄の塊と化したスーツを、目の前の漆黒の巨人が受け止めていた。
アオイは消え入りそうになる意識をなんとか繋ぎ止めながら、そのギアを見上げていた。
もはや自分の意思で瞼を動かすことさえ出来なかった。
が、イオナだけでも助けなければという気持ちだけが、今の彼女を生かしていた。
その時だった。
ギアの胸の焔の中からなにかが姿をあらわしたかと思うと、そこからジャンプし、彼女の前に降り立っていた。
それは信じられない光景だった。
なぜなら、目の前に立っていたのはボディペインティングをしていない、正真正銘全裸の少女だったからだ。
(・・・え?どういうこと)
ボディペインティングなしでどうやってギアを操縦するのか?
浮かび上がる疑問に、アオイは目の前の少女が何者なのか、その顔を見たいと思った。
しかしスーツが潰され身動きが取れず、視界も極端に狭いせいで下半身しか見えなかった。
でも、その〝つるつる″で〝ぷにぷに″の肉丘の真ん中を艶めかしく縦に走るスリットの切れ込みを見たアオイは、いつも見ているチームメイトの裸と見比べ、そこにいるのが同世代の少女だと確信していた。
だが、あんなギアは見たことがない。
そんなことを考えているうちに、また信じられないことが起こった。
“バキバキバキバキバキっ”
なんとその少女が、絞られた雑巾のようにグシャグシャに重なるスーツを素手で引き剥がしたのだ。
「ダイジョウブ、生きてる」
こちらが生きているのを確認したのだろう。
そう声は聞こえてくるが、首を動かすことが出来ず顔を見ることができない。
苦痛に歪むアオイの視線の先にあったのは、豊潤に実る果実のような若々しい張りと弾力を保つ、目の前の少女が動く度に“ぷるん、ぷるん”と弾む2つの膨らみと、その頂点で自己主張するかのように“つん”と尖り、膨らみが弾むのに呼応して“ぷるぷる”揺れる桜色のちっちゃな蕾だった。
そして彼女が立ち上がり、手首のブレスレットに何やら話しかけていると、上空に何かが出現した。
それはワープブースターが取り付けられた救急搬送船だった。
これで助かった。
そう思いながらアオイは意識を失っていた。
着陸した搬送船が開き、中から巨大なリボルバーが姿をあらわした。
その、銃に例えるなら弾を込める6つな穴の部分に医療カプセルが収まっていて、同時に6人を収容できるようになっていた。
マイが手をそっと大地に下ろし、ツルギが助け出した2人をカプセルに収めると内部が培養液に満たされ、リボルバーごと救急搬送船に収納された。
「OKツルギ、さあ大急ぎで帰ろう」
「うん」
“ドゴゴゴゴオオオオォォォォォ~~~~~~~~~~~~ンっ”
その時、突然足元の大地が割れ、ハーケリュオンは轟音と共に、胸元までそこに落ちていた。
その瞬間、救急搬送船はワープブースターに再点火して遥か上空に消えていた。
それと同時に、大地の下から伸びる無数の触手がハーケリュオンに巻き付いていた。
「しまった」
「もう1体いた?ハニぃ」
「うん」
「「トリトン・バスター」」
2人が声を揃えて叫ぶや否や、氷の大地に斜めに突き立つ円錐形の刃の根本がリング状に外れるように浮き上がり高速回転を始めたかと思うと、そこに発生した光の粒子がランスの先端に集束し、神々しいほどの眩い光となってブロッケンに放たれていた。
“ドゴゴゴゴオォォォォォ~~~~~ンっ”
眩い閃光と共に大爆発が起こるなか、トリトン・バスターの直撃で一瞬にして身体の大半を失ったブロッケンが地中から飛び出し、ツルギの前に着地していた。
それを見たマイが、
「ロンギヌス、モード・アイギス」
そう叫ぶや否や、ランス=ロンギヌスが変形してハーケリュオンを包む強化外骨格へと姿を変え、漆黒の機体に装着されていた。
そう、このランスはハーケリュオンが今まで使っていたものではなかった。
これは、ハーケリュオンの激闘を目の当たりにしたメリルが、改造中だったチーム36の、つまりはマイたちの3機のギアの全てのパーツを勝手に流用して作ってしまったハーケリュオン専用の新兵装だった。
銀色の禍々しい鎧を纏い二回り大きくなったハーケリュオンは機体の各所にある計6基のプラズマエンジンから青白い粒子を吹き出しながらジャンプすると、
両脚の装甲がスラスターからプラズマの粒子を噴き出しながら超高速で回転を始めた。
「スクリューブースター・キィ~ック」
脚から、いや全身のコアから吹き出すプラズマの粒子が機体を飲み込み、ハーケリュオンは青白い光の渦となってブロッケンに蹴りかかった。
「だめ、ハニぃ、ワナだ」
その刹那、ブロッケンが巨大な花びらのように開くと、急降下してきたハーケリュオンを飲み込む格好でそれを閉じ、すさまじい勢いで膨らんでいた。
ブロッケンは直径が1㎞ほどもある超巨大な風船のようになっていて内部は何かの液体で満たされていた。
ハーケリュオンはそこに閉じ込められていた。
「ハニぃっ」
「プラズマディフェンサー」
強化外骨格の額、両肩、胸、両足にあるプラズマエンジンのコアから青白い光の粒子が焔のように吹き上がりハーケリュオンを包む。
その輝きがブロッケンを内側から消滅させていく。
そして、それは起きた。
「・・・マイ」
耳に飛び込んできた自分を呼ぶ声に、マイは思わず目を見開いた。
「・・・お母さん」
そう、それはマイの母親だった。
彼女は、溺れたマイを助けた時の水着姿のままでハーケリュオンのすぐ前にいた。
「マイ、やっと助けに来てくれたのね?お母さん、この冷たい水の中でマイのことずっと待ってたのよ」
「・・・お母さん?」
「お願いマイ、この中に入れて。このままだとお母さん溺れちゃう」
苦しそうに顔を歪めながらハーケリュオンの、今はロンギヌスの銀色の装甲を“どん、どん”と叩く。
「・・・お母さん、だめ、それはできない」
「なんで、どうして中に入れてくれないの?」
「お母さんは、お母さんじゃないから」
「え!?」
「だってお母さんは、あの時マイを助けて死んじゃったから」
マイは“ぎゅっ”と目を閉じ、両手で耳を塞いでそう叫んだ。
すると、母の声がぴたりと止み、辺りが静寂に包まれた。
「・・・」
その静けさに、マイは恐る恐る耳から手を離そうとした。
その瞬間、
「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」「マイ」
その声を思わず瞼を開けた彼女の目に飛び込んできたのは、何千、何万という数の母の姿だった。
「!!」
何千、何万というマイの母親が、ハーケリュオンの周りを囲み、右も左も、上も下も、後ろを振り返っても、その視界全てが母に埋め尽くされていた。
ハーケリュオンの胸の中心の穴から噴き出す赤い光の焔の勢いがみるみる弱まっていく。
「だめ、ハニぃ」
それを見たツルギが叫ぶ。
だが、当然ながらその声はマイには届かない。
「いや~~っ、ツルギ、私を一人にしないで」
「ハニぃを助けないと、でも、どうやって・・・」
その瞳に、ハーケリュオンから放たれるプラズマコアの輝きが写った。
「あれだ」
彼女は足元に転がる残骸と化したスーツの、グシャグシャに曲がった装甲を、まるで紙細工でも壊すかのように引き剥がし、それぞれのバックパックの残骸からブラックボックスを取り出していた。
《それら》の蓋を引きちぎるように開けると、その中には容器に密閉されたプラズマコアがあった。
ツルギは躊躇することなく容器の蓋を開け、液体の中からコアを取り出した。
“ボボボボボボォォォォォ~~~~~っ”
液体から取り出されたプラズマコアが、まるで太陽のごとく爆発的に輝きながら超高温を放つ。
「あああああ~~~~~っ」
声にならない絶叫をあげながら、ツルギはそれを握ったまま走り出すと、進路上に次々あらわれる小型ブロッケンを目にも止まらない速さで殴り消滅させながらマイを閉じ込める風船のようなブロッケンの元へ駆け付けていた。
そしてその表面を拳で殴りながら体当たりした。
“バシュ”
ブロッケンの身体の一部が溶けるように破れ、ツルギは風船ブロッケンの中に飛び込んでいた。
だが、その傷口はすぐに塞がっていた。
しかも、
“ジュジュジュジュジュジュ~~~~~っ”
「あああああ~~~~~~っ」
その瞬間、ツルギの身体は猛烈な勢いで溶けはじめていた。
風船型ブロッケンの内部を満たしていたのは溶解液だったのだ。
そして、溶解液に満たされたブロッケンの体内で、マイの母に擬態した数万のブロッケンが彼女に一斉に襲い掛かった。
対するツルギはクラーケンになると、複数の触手でコアを持ち変えながら振り回し、それらを次々に爆砕していった。
その圧倒的な力に、ブロッケンたちはハーケリュオンの周りにくっつくように集まり始めた。
「マイ、助けて」
「お母さんを助けて」
「あのバケモノをなんとかして」
何万という数の母親の、自分を責める声がこだまする。
「マイ、なんとか言いなさい」
「なんで黙ってるの?」
「またお母さんを見殺しにするの?」
マイは、目を固く閉じ、両手で耳を塞いでしゃがんでいた。
そしてツルギは、そのあまりに違い過ぎる数の力に、形勢が逆転され始めた。
それでなくてもコアによる触手の損傷が激しく、ツルギはそれを武器としてもて余すようになっていたうえに、溶解液に絶えず溶かされ続ける激痛に、彼女はじりじりと押され始め、対するブロッケンは、顔はマイの母親のまま、手足を鋭い槍や鎌や刃に変え、全方位から間断なく襲い掛かる。
対するツルギはコアを振り回し、敵を近づけさせないよう牽制するので精一杯だった。
コアを持っているため融合できないツルギに猛スピードで接近し、コアの影響を受けないギリギリの距離を保ってすれ違い様に斬り刻んでいく。
そしてブロッケンは、ついにツルギの触手を1本、また1本と斬り落とし始めた。
「ぐぁあぁ~~~っ」
その、ツルギのあまりの絶叫に、マイはようやく目を開けた。
その目に飛び込んできたのは、ツルギに襲い掛かる母達の姿だった。
「お、お母さん止めて、ツルギが死んじゃう」
だが、それは止まらなかった。
ツルギが無惨に斬り刻まれていく。
「お母さん、お願い止めて、ツルギは私のとても大切なお友だちなの」
だが、
「何を言ってるのマイ、あのバケモノはお母さんを殺そうとしてるのよ。あなたはあのバケモノとお母さんとどちらが大切なの?」
「違う。お母さん、それは違うの」
「何が違うの?あなたはお母さんがあのバケモノに殺されてもいいの?」
「聞いてお母さん、そうじゃないの。ツルギはそんなことはしないよ」
「いいえ、あのバケモノはいつかマイも殺そうとする。あなたは騙されてるのよ。だからお母さんが助けてあげる」
「ツルギはバケモノなんかじゃない」
「あなたはお母さんのことを信じて、お母さんのすることを黙って見てればいいの」
「でも、でも」
「あなたはお母さんを殺しただけでなく、今度はお母さんの言葉も信じられないっていうの?」
「私、そんなこと言ってないよ」
マイがそう言いながら泣き崩れた瞬間、
「ハニぃを泣かせるな~~~っ」
それは、身体じゅう傷まるけで血まみれのツルギだった。
彼女は数万いたブロッケンを退け、最後の力を振り絞ってマイの元へ駆け付けていた。
そして、マイの目の前にいた女性に擬態したブロッケンを、ボロボロに焼けただれた手で握るプラズマコアで殴ろうとした。
「マイ、助けて。お母さん殺されちゃう」
「えっ!?ハニぃのお母さん?」
〝グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、グサっ、″
一瞬躊躇したその刹那、ツルギは全方位から串刺しにされていた。
「え?」
マイがただ呆然と見つめる中、刃が抜かれた傷口から信じられないぐらい大量の血を流しながら、ツルギが力なく漂っていく。
「つ、ツルギ?」
だが、返事はなかった。
「お、お母さん、ツルギを助けて。ツルギは私の大切な・・・」
だが、母親たちは力なく漂うツルギを囲むと、コアをもつ触手を斬り落とし、そこに手を重ねていた。
「お母さん、何を?」
母親たちが、自らをスライム化させ、ツルギの身体を侵食し始めた。
「や、止めてお母さん、何してるの?」
だが、ツルギの身体がみるみる侵食されていく。
「止めてお母さん、止めて」
「大丈夫よマイ」
「え?」
「次はあなただから」
「なに、が?」
「ツルギの次はマイが、あなたがお母さんと1つになるのよ」
「・・・違う」
そう言いながら“にこっ”と笑う母にマイはそう呟いていた。
「え?」
「お母さんは、私や私の大切な人をそんなふうにしない」
「何を言ってるのマイ」
「お前はお母さんなんかじゃない。お母さんは、あの時私を助けて死んだんだ」
「マイ、いいかげんにしなさい」
「お前こそ、これ以上お母さんを、ツルギを、私の大切な人を汚したら許さない」
「そうか、ツルギね?」
「え!?」
「あなたはコイツに騙されてるのよ。いいわ、お母さんがマイの目を覚まさせてあげる」
「待って、ツルギに何をするつもり?」
「ツルギとの融合は諦めるわ。マイがいれば、マイだけでもハーケリュオンは動かせるから」
そう言う母の肘か先が鋭利な刃物へと姿を変えた。
「なにを?」
「ツルギの首を斬り落とすの。コイツが完全に死ねば、そうすれば、あなたの目も覚めるわ」
「えっ!?」
だが、マイの返事を待たずに、鋭利な長刀がツルギの首筋目掛けて振り下ろされていた。
「だめ~~~~~っ」
その瞬間、ハーケリュオンの胸から噴き上がる光の色が、血のような赤から神々しい黄金色に変わっていた。
それがロンギヌスのプラズマコアと呼応し、その全身から放たれる輝きが白金色へと変わりながら全てを飲み込み、風船型のブロッケンは一瞬にして消滅していた。
そしてその光りは辺り一面を飲み込み、雪が熔け露になった大地の中心にハーケリュオンは立ち尽くしていた。
その右の手のひらにはツルギが力なく倒れ、かたや左手は母に擬態したブロッケンを握り潰さんばかりに締め付けていた。
「ま、マイやめて。この手を離して、離しなさい」
「・・・ごめん、それはできない」
「え?」
「お母さん」
「なに?」
「私を助けてお星様になる前、私になんて言ったか覚えてる?」
「え?」
「あの時言った最後の言葉をもう一度聞かせて」
「・・・」
「あなたが本当にお母さんなら、言えるよね?」
「・・・」
「・・・」
マイは無言のまま母に擬態したブロッケンを握り潰していた。
「ま、マイ」
ブロッケンは、マイの母の姿のまま白金色の光の焔に焼かれ、跡形もなく消滅していた。
そして、ハーケリュオンを閉じ込めていたブロッケンが再び再生することはなかった。
マイの母親に擬態していたブロッケンがコアだったのだ。
「・・・は、ハニぃ」
「ツルギっ」
マイは胸の穴から飛び出すと、ツルギが横たわる手のひらへと飛び移った。
「ツルギ」
慌てて駆け寄ると、全身が焼けただれ刃に刺し貫かれた見るも無惨な傷が、白金色の輝きに包まれて治癒されながら、ツルギが“よろよろ”と立ち上がるところだった。
「・・・ハニぃ」
「ツルギ」
その瞬間、ツルギの顔を見て緊張の糸が切れたかのように崩れ落ちるマイを、瀕死のツルギが正面から受け止めるように抱きしめていた。
「う、うぅ、うぅっ、うあぁぁぁぁぁ~~~~~っ」
そしてマイは泣き崩れていた。
どれほどの時間が過ぎただろうか?
マイは、大切な所を“ぬちゅぬちゅ”に擦りあげられる快感に我に返った。
快感が火花のようにそこから背骨を伝って脳天へと突き抜け、そのあまりの気持ちよさに腰に力が入らず、膝からガクっと崩れ落ちそうになったマイは、自分が抱きしめられ支えられていることに気付いた。
それは、とても温かくて、優しく包み込んでくれて、そのうえ自分を守ってくれるような力強さに、マイは甘えるように身を委ねていた。
そして彼女は、食道と喉と鼻孔の粘膜が“ヒリヒリ”する違和感と、口と鼻の中になにか粘着質のものがまとわりつく息苦しさと、そして何より自分から放たれる異臭に気付いた。
「・・・ツルギ?」
マイはようやく自分がツルギと抱き合っていることに気付いた。
だが、マイの目の前にあるツルギの肩や髪は吐しゃ物にまみれ、彼女の鎖骨の窪みや、その下で互いに圧し潰し合いながら互いに弾き返さんと“たわわ”に弾む4つの膨らみが密着して出来た谷間にも吐しゃ物が溜まり、その先端で“つん”と自己主張する桜色のちっちゃな蕾も、異臭を放つ粘着物にまみれながら“ぬちゅぬちゅ”と擦れ合っていた。
そのたびに、密着する谷間から粘着物が溢れ、ふくよかな曲面を流れ落ちていくのが分かる。
それだけではない。
2人の身体は、鍛えられた腹筋から可愛いおへそ、そして引き締まった下腹部も吐しゃ物にまみれながら密着し、更にその下では、ツルギがマイの脚の間に自分の脚を潜り込ませて彼女の下半身を支えていた。
その結果2人の、“つるつる”で“ぷにぷに”の肉丘が密着し、その真ん中を縦に走るスリットの切れ込みの頂点で“ぷくっ”と膨らんで種皮から“ちょこん”と顔を覗かせる真っ赤に充血した肉芽や、その下で艶かしく広がる桜色の花びらや、その内側の最も敏感な粘膜同士が舌を絡ませ合ってキスするかのように、吐しゃ物にまみれながら“ぬちゅぬちゅ”擦れ合っていた。
マイはようやく自分が嘔吐していたことを悟った。
「ぁあん、くふぅ、だめツルギ」
「ハニぃ、目が覚めた?」
「だめ、だめだったらツルギ、離れて」
「なんで?」
「なんでって、私、汚いから。ツルギまで汚れちゃう。それにあんな危険な、ううん、死にそうな目に合わせたのに・・・」」
マイは、恥ずかしさとツルギに申し訳ないという気持ちでいっぱいで、彼女の顔を直視することが出来なかった。
だが、
「そんなことない。悪いのはブロッケンだから、ハニぃは悪くない」
ツルギはそう言うと、触手をマイの頬にあてがい自分の方を向けさせてキスしていた。
「んんっ」
だがマイは歯を固く閉じ、ツルギの舌はマイの歯と歯茎を舐め回していた。
「ハニぃ、口を開けて」
「だめ、その、私の口の中、・・・戻したモノでいっぱいだから、汚いから」
「ダイジョウブ、ハニぃのなら汚くない」
「ウソ」
「ウソじゃないよ」
「そんなのウソだよ。だってこんなに気持ち悪くて臭いのに、なんでそんなウソを言うの?」
マイが涙目になって反論する。
「ウソじゃない。だって私たちはウソをつけないから」
「え!?」
「私たちはウソをつけない。反逆を恐れた神たちにそう作られたから」
それを聞いてマイは言葉を失っていた。
「それ、本当なの?」
「うん。だからね、ハニぃは汚くなんかないよ」
ツルギは笑顔でそう言いながらマイに再びキスしていた。
ざらつく舌が熱く滑りながら口の中に入ってくる。
今度はマイもそれに応えるように口を開くと、そこに割り込んできた舌が彼女の舌を捉えた。
「んふぅ」
2枚の舌がまるで別の生き物のように絡み合う。
2人は互いの唇を吸い、口の中で混ざり合う唾液を飲み合っていた。
ツルギのしなやかな指が、吐しゃ物まみれのマイの豊潤な膨らみを強弱と緩急を使い分けながら揉みしだいていく。
「やん、だめ。止めてツルギ」
だが、それでツルギが止めるはずもなく、膨らみの頂点で自己主張するかのように〝つん″と上向く桜色のちっちゃな蕾を指先でつまんで〝こりこり″しながら、吐しゃ物に滑る彼女の脚を開き、自分のそこを花びら同士がキスするかのように密着させていた。
「やん」
そして、〝ぬちゅぬちゅ″に絡み合う花びらと、その頂点で真っ赤に充血して〝ぷくり″と膨らみ種皮から〝ちょこん″と顔を覗かせる新芽同士を〝にゅぷにゅぷ″擦れ合わせていた。
「んんっ、だめ、そんなところ、止めてツルギ、そこ感じちゃう。感じすぎちゃうから」
「はぁあん、やん、ハニぃ。私も、んくぅ、感じちゃう」
密着し圧し潰し合う膨らみに埋もれる蕾が〝こりこり″擦れ、痛いぐらい〝つんつん″に尖る新芽が〝にゅちゅにゅちゅ″の〝ぐちゅぐちゅ″に擦れ合う。
そのあまりの気持ちよさに、2人はあっけなくその時を迎えていた。
「やぁ、だめツルギ。わ、私もう気持ち良すぎて、あん、だけ、イク、もうイッちゃう。イッちゃうから」
「あぁん、ハニぃ、やん、わ。私も、もう、くふぅ、うん、いいよ。一緒にイコう。んくぅぅぅっ」
「きゃうっ」
「イクっ」
〝ぷしゃ~~~~~~~~~~~っ″
意識が飛びそうになるほどの絶頂に、マイは失禁していた。
「ふふ、ハニぃかわいい」
そんな彼女を、ツルギはおしっこまみれになりながら愛おしそうに〝ぎゅっ″と抱きしめていた。
「もう、ばかツルギ」
対するマイは、顔を耳まで真っ赤に染めながら、ツルギに求められるままに唇を重ね、互いの舌を味わうように絡ませていた。
〈つづく〉




