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私の平穏の日々と騒々しい世界たち  作者: ガゼルにしむりゃ
組織に追われる異様者達
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分身と分散、そして浄化の方法

ポリーエの名前をリモーピォと表記していたので修正しました。

ややこしくてすみません。

 存分にはやれないと釘を刺されてしまったが、ならどのくらいの力までは出せるのだろうか。

 そんな事を考えながら、私は体にまといつく怨念を体の中に迎え入れる。

 正確には私が入っている器と言った方がいいか。

 私は色んな世界を飛び回り、力を蓄え、また、色々な技法を習得した結果、存在の一部が人の心を浄化してしまう。

 そこで怨念を消して私自身にのしかかった重さや頭痛を取り払った。

 この力をフルで使うには器から出る必要があるが、おそらくそれをやるとこの世界が壊れる。

 ならこの怨念をどうするか。

 正直こんな災厄に出くわすとは思っていなかったから準備がない。

 封印するにしても切り分けて封印を繰り返していてはキリがない、それ位に際限なく溢れる。

 中核となったであろうリモーピョを叩いても、その中の怨念が溢れるばかりで効果はないだろう。


『世界の強化構築にはどの位になりそうだ?』

『期待しない方がいいとだけ言っておくよ、それと集中してるから話し掛けないでね』


 返ってくる答えは難色、こっちはあてにはならないか。

 やはり自分で何とかするしかない。


「増えよ、存在せよ、我、詠唱す」


 とりあえず詠唱で私の器に良く似た分身を生み出す。

 これで怨念の向かう先を分けて幾分か楽にする。

 この分身は私の思念で操作ができるが、増やし過ぎると私の思考が追い付かず操作しきれないので脳内にある並列思考の領域を使う必要がある都合、作れるのは十体でギリギリといった所。

 あまり多く作る事は出来ない、別の方法も取りたいが思考しながら片手間で出来るのは身に沁みついた詠唱のみだった。

 怨念の量が多いので一時的にこれで分散してからどうするか考えよう。

 とはいえ、体についた怨念は浄化することが出来たのだ、器からその力だけを限定的に取り出せればいい。

 ビリゥヴァの中にあるモノを片端から当たってその方法を思考する。

 器は私の力を封じる為に強固で堅牢、そして難解作っている上に開いたら全開放というシステムにしているのでここに何とか穴をあけなければいけない。

 使う力以外がくっついて出てきて悪影響を及ぼしても問題なので、そちらも気をつけたいところ。

 怨念が飛んできて私は転移する。

 分身達の方にもうまく分散されたようで先程より幾分かは転移に猶予が出来た。

 が、しまったな。

 怨念を分散させたことで先程よりも出る量が増し、全ての私の存在を狙おうとする確率がある事を忘れていた。

 その手段に出た場合、即席のこの世界の広さではあっという間に怨念が充満して避けるとか避けないとかの話ではなくなるし、分身も意味がなくなったしまう。

 失敗した、とはいえ分身をせずにいれば、どちらにしろ怨念を避け続ける事は出来なかったし、厄介だな。

 怨念を浴びた畳張りの床が剥がれて浮かび上がり、天井から下がった無数の電球は割れて破片が散ってあちらこちらを飛び回る。

 その中を私を追って飛んでくるポリーエの体を持った怨念は執念深い。

 確実に追い詰めようと包囲しようと、先回りで力を振るってくる。

 だが、幾人の念が絡んでいようと、世界の意思が絡んでいようと私はやられてやるわけにはいかない。

 家で初希が待っているしな。

 と、私は分身達をまとめて操作しながらたった一つ、方法を思いついた。

 そもそも、何故力を外に出す必要があるのだ。

 出せば世界が壊れるのならばその逆を行けばいい、それだけの事ではないか。

 多少無茶だが、こうするしかない。

 私は分身達をひとまとめにし、そこにたまった怨念をひと固まりにした。

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