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私の平穏の日々と騒々しい世界たち  作者: ガゼルにしむりゃ
組織に追われる異様者達
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作戦と削る身、そしてリーポォ

 人型、とは言ったが、その見た目はよく世界に見られる両腕両足の揃って頭が首の上に着いている一般的な構成の人間ではなく、腕が右側に一本しか生えていないし、足は左に一本の人型と、対になるように逆の足等でしか生えていない人型がこちらに向かって来ている。

 かなり距離があるが、向こうはこちらが気づいていないと思っているのか、世界と私達の間を遮るように進行方向を向けている。

 この時点で私やソゥヲバーリュは向こうに容赦なく攻撃を加える事は出来るが、今回の救世のテーマは自立、私が何でもやってしまってはダメだ。リモーピョに戦わせる方向にしたい。


「やる事はわかっているな、ソゥヲバーリュ」

「さっき話したばっかじゃん、バカにしてんのか!!! ご、ごめん、ちょっとキレちゃった……」

「別に気にしていない、早くやれ」

「へへへ、やるよ、やればできる! という事でコード79のK12」


 合図でソゥヲバーリュが手をかざす、世界の狭間用の改変コードは宙に牙と舌で出来た球体型の不気味な怪物を作り出す。


「グァットジーイル!? これは……!?」

「わからん、だが、強大なパワーを感じる、ここは任せて向かってくる奴らを倒してくれ」

「わ、わかりました、でもわーたしではどうにもできないかも……」

「できる、そう思わなければ世界を救うことなどできないだろ?」


 怪物に向かい合うふりをしてリモーピョに先に行く事を促す。

 私の言葉を聞いて少し戸惑いながらも彼女は飛んで行った。

 それを見送りながら私は怪物が放った溶解液を躱す。


「別に戦うふりだけでいいと思うんだが?」

「リアリティだよ、それにこの程度ならガゼルにとっては準備運動にもならないさ」


 まあ、どこから誰が見てるかわからないから一理あるか?

 準備運動にもならない、というがあんまり早く倒してはリモーピョに加勢に行く事になるのでほどほどに、それこそ準備運動のつもりでやらなければ。

 それでいて少し苦戦する感じで危機感を煽る、少し身を削るか。

 また飛んでくる溶解液に左足をさらす。


「伝わらず、消え、塞がれ、我、詠唱す」


 左足を溶かしながらそう唱え、痛覚を感じさせず足を切り離して血管を塞ぐ。

 これで危機感に関しては大丈夫か、その代わり不自由にはなるが。


「足! 削るの!? 先に言ってよ、心臓が破裂しそうになったじゃないか」

「リアリティ云々はお前も言っていた事だろうに、お返しだ」


 と言ってもこれで地上を歩くのは少し難があるので、一応杖をビリゥヴァから取り出す。

 木で作られたきれいな黒塗りのステッキは緩やかな曲線を描き、控えめに掘られた龍のうろこのような装飾はかなり本物に見える。

 とは言っても今はこれはただの杖、特に戦いに使うために作られたモノではない事にしておく。


「さて、では後はじっくりと片付けるとしようか」


 言いながら今度は溶解液を躱す。

 そしてビリゥヴァの中から一つ銀色に輝く球体を取り出してそれにあるくぼみを一つ押す。

 球体は回り出したかと思うと広がって空中に浮く不定形な液体のようになった。

 これは魔力を吸い、私の精神を読み取って形を変える不定形貴金属、リーポォ。

 精神を繋げると頭の中に繋がった事を示す電子音が一つ長めに鳴った。


「haroharoohisasiburidesuwagasyuzin……konnkaiwadonnayoudesyouka」


 連続するか細いの高音の歌のような信号と共に目の端にリーポォの言葉が表示される。

 普通はこんなことありはしないのだが私の精神を読み取り続け、魔力を受け続けたせいか自分の意思を持つようになって私にこうして話かけてくるようになった。


「すまんな、最近放ってしまって」

「iewatasiwaanatanobukinisitetatesositetomoitudemoikanarutokidemoanatanitukawarerukotoanatatotomoniarerukotogaitibannoyorokobitatoedonnnanizikangatatoutomo」

「そうかそれなら今回もよろしく頼む」

「tanomaremasita」


 リーポォは私の意思を読み取り、その姿を変えていく。

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