器の完成と帰り道、そして始まる
「じゃあ、また来てね、その時はどこかに行こうよ、昔みたいにさ」
「ああ、そうだな」
モヂワクォメに手を振り返しながら再開の約束を交わす。
ついに器が完成して私は自分の身体をしまう事が出来た。
前回作ってからかなり時間が開いていたのでその間に習得した新しい技術を存分に入れて、前よりも便利な物にした。
そのせいでいつもより時間がかかってしまい、初希を一人にしてしまったが、その分二人でいる時間を増やして埋め合わせよう。
そう心に決めながら私は世界の狭間とこの世界をつなぐ。
ココココ子は今は眠っている、私の教育がそれほどきつかったようであれからベットの上から動けなくなっていたが、かなり知恵と力がついたのは確認できたので、一人にしても大丈夫であろう。
同じくエヂィペンはというとあの後は心を入れ替えてアアルからの課題をしっかりこなすようになったのでアアルをこの世界において教育を続けてもらう事にした。
別世界でもつながっていられるよう機能はないので道具を作るのにもまた時間がかかったな。
さて、急いで帰るとするか。
「今度来るときは今回のお礼にいい物を持って来よう」
「おっ! 期待しているよ、またねーー!」
軽い挨拶を交わして私は世界から出た。
・
世界の狭間を飛ぶ、新しい器の調子はとてもよく、前の器よりも魔力でであったり、色々な力の効率が良くなったので、飛行スピードを上げても以前より早く飛べる。
気分がいいので一気に転移してしまってもいいかと思うほどだが落ち着いて飛ぶ。
効率が良くなったからといっても転移に使う魔力はやはり多いからな。
周りの景色が変わり、高い塔が見えてくる。
ここが位階世界、私が住む、世界の入り口が積み重なってできた場所だ。
高い世界に行くほど神に近い者が住み、豊かな世界構造となっている。
その昔私がここに来た時は最上階まで駆け上がったのモノだ。
さて、登るか、といっても近くを飛ぶだけなので登ると言っていいかは微妙だが。
一応飛ばずに自分の足で登れる構造になっているが、そのコースで行くのが私が昔やった世界の中を突っ切っていくやり方で、時間がかかるのでやめておく。
ただでさえ長い事家を空けたのだ、具体的にあちらの世界の時間でいえば三週間位、予定より長くかかっている、怒ってはいないであろうが寂しく思っているのは確実だろう。
と上昇を始めると上に何者かの気配をキャッチした。
探知と解析の詠唱をして飛ぶ。
すると気配の主は複数いて、皆私が住む世界の近くを飛んでいるようだった。
その飛び方は決まったルートをぐるぐると交代で、何かを警戒するような、それか何かが来るのを待ち受けるような感じである。
嫌な予感がして一旦上昇をやめ、解析の結果を待つ事にした。
異空間を開き、位階世界の頂上までよく見通せる双眼鏡を取り出して見てみると、そこに見えたのは白い煙を固形にして、そこに人間の手足をつけたような生物。
やはり何かおかしい、探索者であるならわざわざこんな場所を飛んでいないし、世界管理官というワケでもない、なんだろうか。
と解析が終わる音が聞こえ、目の前に映し出された。
それと同時にその謎の生物達が動きだす。
私の住む世界との出入り口のドアが開き、生物達が一斉に侵入しだした。
解析の結果を見てため息が出た。
あの生物達は世界の間を飛んでは世界を食いつくし、崩壊させる生物。
通称「エンドフォグ」と呼ばれる生物だったからだ。
どうやら私が初希と共に過ごす時間はまだやってこず、待たせてしまいそうだな。




