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第7話

まあ、選択肢として、別行動するというのは自分の中にはなかった。

少なくともこの目の前の少女【凶螺】が悪人とか、こちらを強請ったり、たかったりする様な人間であったら切り捨てて、一人行動を開始したかもしれない。

が、少なくともこいつ自身の性格は別として、彼女の身体能力や行動力は問題があるとは言えない。

さらにそもそも掲示板があるとはいえ、自分はこんな長い事人と会話をしてなかったのだ。

それを切り捨てる様な機会を自分から切捨てられるほど自分は強い人間ではなかったのだ。



……まあ、それでも素直に彼女の提案を受け入れるほど自分は素直ではないわけだが。





――――――――――――――――――― 


【NAME】 恐るべきシータランス


【適正レベル】 3


――――――――――――――――――― 



「……うっそぉ、あのサイズで適正レベル3かよ」



思わず自分のスマホに浮かんだ文字に疑問を浮かべながら、口からそんな声が漏れる。

前方に見える獲物……距離は結構離れ、少なくとも向こうの牙がこちらにあたらないくらいの場所を保ちながらそいつを見つめる。

大きさは、少なくとも自分より上で、いや、下手したら軽自動車なんかよりもでかく、象並み……はちょっと言い過ぎかもしれないが少なくとも自分はここまででかい生き物を動物園ぐらいでしか見たことがない。

そいつは巨大なクモであった。

そう、足が八本で目が複数あり、その口に牙をもつあの蜘蛛である。

蜘蛛の種類的にはよくある足が細長いタイプの蜘蛛ではない。

おそらく、足も胴もでっぷりしているタイプので名前通りタランチュラっぽい蜘蛛なのであろう、毛も生えているんだし。

もしあいつに突貫されたりしたら、B級怪獣映画のワンシーンにもなりそうではある。

が、幸いそれはこちらに気付いていないのか、またはお腹が減っていないためか、こっちに近づく気配すらない。

ただ、とことことあてもなく海底を彷徨っているわけだが。

そんな風に何もせずに自分がその海蜘蛛を見つめていたからであろう、凶螺はやや口に笑みを浮かべながらこう言う。



「……どうした?もしかして、蜘蛛が苦手とかいうのか?

 それとも適正レベルが上なのが気になるか?

それなら、私が代わり一人で倒してやろうか?

 貴様がおとなしく、我の助手となると認めるのであればな。」


「……別にそんなことはない。

 というか、おまえ、元女なのに蜘蛛とか大丈夫なんだな。

 そこは少しかわいげがあるようにキャー蜘蛛こわーいとか言わないの?」


「ふふん!女だからと言ってそう侮るな。

 むしろマッド魔道科学者探偵としてはあのようなビジュアルには親近感がわくくらいだ!

 ……というか、そういう男女差別は今のお前がいっても滑稽なだけだぞ?」



そうだった……

若干気持ちが落ち込み、スマホからあの蜘蛛を倒すために最適と思える武器を取り出す。



―――――――――――――――――――――――― 


【NAME】 試作変形槍 【リング・カルニア】


変身術師・凶螺が作った魔法の槍。

凶螺の持つ変身魔術の応用により、彼女の肉体の一部を改造して槍にしたもの。

変形機能を持つ魔槍で、念じるだけで、指輪と槍、任意の形に変えることができる。

指輪状態では龍鱗と波をモチーフにした模様が掘られた指輪であり、槍の状態は動物の骨と甲殻類の殻を合わせたような材質の長槍となる。

……なお、魔槍というものの、変形できる以外には特別な魔法はかかってない上、槍としての実用性も材質の関係上いまひとつであるという、欠陥品である。


・【近接攻撃ボーナス】


―――――――――――――――――――――――― 



「おい、なんでそれをスマホの中に入れておくのだ。

 それはせっかく変形できるのだから、常に指輪状態装備しておけばいいだろう!」



凶螺はせっかく変形機能をつけてこの魔槍を自分に渡したのに、これをスマホ内でしまっておいたことにご不満のようだ。

しかし、その発言はスルーしてこちらは既にあの海蜘蛛との距離を確認する。

まあ、けどあえて言うなら、1回変形しただけで刃にひびが入るが上に、槍としても切れ味が微妙なこの槍を使ってやるだけありがたいと思ってほしい。

個人的にはこんな耐久性に欠ける槍を使うなら、ソウルを消費してでもちゃんとした長物の武器がほしかったのだが。



「それじゃあ、自分が突っ込むから凶螺はもしもの時のサポート、頼むぞ。」


「おう!まかせろ!

 もし貴様があの蜘蛛に食われかかったとしても私がきっちりサポートしてやるから,存分に襲われてくるがいい!!」



とりあえず、凶螺の後半の言葉は聞かなかったことにして、俺はそのまま魔槍を持って、その蜘蛛へと突撃するのであった。






≪これが自分のスク水を着た理由≫ 

第8話





―――――――――――――――――――――――― 


【役立つかどうかは】スキルに頼らない技能を教えてもらうスレ【5分5分】 Part55


111. 名無しの槍兵

急募・最高にうまい飯の作り方。

姫様の命令でガチ料理人相手に料理対決をしなきゃいけなくなった。

しかも負けたら打ち首らしい。

正直、相手は宮廷料理人なのに、こっちのスキルは戦闘系だけ。

それなのに、宮廷料理のフルコースを作れときたもんだ。助けてくれ。


112. 名無しの英雄

相手を暗殺する。以上。


113. 名無しの英雄

適当に、お前がおぼえているこっちの世界にない異世界料理を振る舞えば、物珍しさからワンちゃん


114. 名無しの英雄

全ての食べ物はケチャップをかければ食べられるという法則


115. 名無しの英雄

なんという米帝

それを言うなら、マヨネーズだろ!(マヨラー感)


116. 名無しの英雄

>>113材料が違うのにか?

というか、>>111の料理経験はどんなもん?

あと、材料とか調理環境も。それがわからなきゃアドバイスしようもない。


117. 名無しの槍兵

料理経験・カップめんは作れる

材料・自給自足

調理具・しらん


118. 名無しの英雄

ランサーが死んだ!

この!人でなし!


119. 名無しの英雄

なんでそんな状況で料理勝負を受けようとしたww

料理なめんなwww


120. 名無しの英雄

さあ、おとなしく遺書を残そうか?


121. 名無しの英雄

そんな君にお勧めな呪文石!今ならたったの8000ソウル!

これで姫様を説得するのだ!

【提示】『夜の槍術の呪文石 ★』


122. 名無しの槍兵

>>121何ぞそのスキルwwwwwぜひくれwwww

いやいや、そんなこと言わずに助けてくれ!

というか、一応金ならあるし、宮廷料理人とやらも多分全然たいしたことない。

俺的にはぶっちゃけカップめんの方がうまかった気がするレベルだもん。

だから、俺でも勝てると踏んだんだが……それでも無理?


123. 名無しの料理人

>槍兵さんへ

多分、それは厳しいと思います。

貴方がどこ出身かはわかりませんが……この世界は地域によってそもそも食材の時点でうまみが少ない食材しか出回ってない場合もありますし、そもそもそういうのを教え合う場合に近い地域同士でないと材料や調理具の差でレシピを教えても再現性が低い場合が多くあります。

さらに、軽く読んでみたところ、おそらく宮廷やフルコース、料理勝負という話から、あなたのいる場所は一定以上の食文化は培われていると予想。

あと、なんとなくですが話の流れを見るに、もしかしたらあなたの舌に合わなかっただけで、その宮廷料理は普通においしかった(少なくともその地域の人にとっては)という可能性もあります。

なので,いくらあなたが高い身体能力や高性能な舌、そして元の世界の料理の知識を持っていたとしてもそれだけでプロ相手に料理勝負に勝てるとは思えません。

おそらく、勝負を受けるよりは件の姫や相手の料理人の人を説得した方が穏便に済む確率が高いと思われます。


なお、それでも勝負をしたいと思ったり、料理そのものに興味をもたれたらこれを参考にしてみてください。

テキストファイル・汎用基礎料理の手引き【×××××】


124. 名無しの英雄

料理人さんのマジレスっぷりとやさしさに全俺が泣いた。

あ、俺もそれ落としていいですよね?


125. 名無しの槍兵

>料理人さんへ

真面目な意見と忠告ありがとうございます。

けど俺は戦わずに逃げるのは性に合わないため勝負を受けさせてもらいます。

具体的にはあの傲慢女をぎゃふんと言わせたい(小並感)


126. 名無しの料理人

>>124別にかまいませんよ、それにすでに何度か過去スレに張ったことがあるものですし。

    けど、レベルによるファイルDL制限やテキストの時間消失にお気を付け下さい。

>>125 ならば何も言うことはありません、ただ、料理は楽しく作ってください。

    料理は決して戦いの道具とかではありませんから。


127. 名無しの英雄

料理人さんがいい人杉濡れた、抱いて!


128. 名無しの英雄

キャー!料理人さーん!!ステキー!!


129. 名無しの英雄

ここで、俺がスレの空気を読まずに聞くぞー

……最近、スライムやゴーストと戦う機会が多いのに、俺は剣しかもってない。

剣にエンチャントを頼むと結構ぼったくられる

なんかいい方法ない?


130. 名無しの英雄

塩蒔け塩

剣に塩を塗って攻撃すれば、弱いナメクジやお化け系の魔物に効果があったりするぞ。

なお、強いと誤差にもならない模様。


131. 名無しの英雄

前のスレを読もうか。

>>スキルなしでの物理攻撃無効の相手への対処法

結論・レベルを上げて、魔力で殴れ。

気とかも有効。

テキストファイル・正しい『気』や『魔力』の使い方【×××××】


132. 名無しの英雄

何だこれは!

気とかスキルなしで使えるのかよ……(震え声)

さすがファンタジー


133. 名無しの英雄

いや、別にスキルなくても料理できると一緒でやり方さえ分かればスキルなしでも魔法や気は使えるよ。

お前は剣を握るだけのことに剣術スキルが必要だと思ってる人か?

というかむしろ、今まで気を使わずによく生活できていたなぁ……


134. 名無しの英雄

え?


135. 名無しの英雄

え?


136. 名無しのシーハンター

え?


137. 名無しの料理人

え?


138. 名無しの槍兵

え?


139. 名無しの英雄

え?

……え?


―――――――――――――――――――――――― 



……知らんかった。とりあえず、気の使い方のテキストはダウンロードしておくか。

って、たったの600字程度かよ!

しかもほとんどがフィーリングの問題じゃねーか。



「ム?何のスレを見ているのだ。

 ……って、なんだ貴様、水中でも作れる料理の質問でもするのか?

 もしくは、この蜘蛛の調理の仕方でも」



地味に凶螺はおぞましいことを言うなぁ。

なお、件の蜘蛛は現在すでに,穴だらけになって既に死亡している。

確かに体は大きかったが……その分、動きがかなり遅く、その上向こうの攻撃手段は噛み付きと墨のような糸を口から吐きだす以外なかったから、そこまで自分にとって脅威な相手ではなかった。



「……尻じゃなくて口から墨を出したからアイツはもしかして蜘蛛じゃなくてタコの仲間だったのか?

いや、たしか粘着する墨を出すのはタコじゃなくてイカとか聞いたことがあるような……」



まあ、そんなどうでもいことはさておき、此方の取った手段は単純、奴の隙をついて、やつの背中の上に待機して槍でプスプスしてオワリ!

なお、奴の背中への攻撃手段はない代わりに、奴の体液が粘着質だったとか、見てから余裕で回避できるようなジャンプによる抵抗、それに奴自身がタフだったなどの要因で倒すこと自体は時間がかかってしまったが。

そのタフさは,凶螺の作った槍が途中でお亡くなりになったほどだ。

……まあ、あとでもう1本新しい槍を作ってもらう必要があるけどね。できれば変な機能をつけないで純粋に頑丈な槍が。



「で、だ。

 貴様のソウルは、今いくつまでたまった?

 そろそろ、『テレポートのツルハシ』を帰るくらいにはたまったか?」


「まだまだだな。

 そもそも、『テレポートのツルハシ』の末端取引額は3000ソウルだから、俺だと限界までソウル溜めても足りないからな。」


「っく、これも機関の陰謀か!!

まさか,実際ソウルを集めるとなるとここまで時間がかかるとは……」



凶螺が右腕を触手で押さえながら何かを言っているがそれをスルーして自分のステータスを確認する。



―――――――――――――――――――――――― 


【NAME】 ニケ

【クラス】海狩人(シーハンター)Lv2  【称号】のっかり


英雄点  435/2500

魂 780/2500


持ち物

ブルーシルバーナイフ・解体用×3

軍事用液体非常食(はちみつ味) 4パック

たくわん 5本

カプセル米 10袋

海光石の髪飾り

手投げ石 30個

エッカ草 1k

シータランスの肉片 1k

リポーヌ 0,5k


スキル

【闘技】 スキルレベル・中級者


―――――――――――――――――――――――― 



う~ん、意外とあんなでかい化け物を倒したのにソウルがたまっていない……。

というか、英雄点に至ってはソウルと違って食料を買うのに使ったりなどをして消費しているわけではないのにこの減り具合である。



「……助手よ、貴様を疑い訳ではないがよもや貴様は呪いにかかっているのではないか?

これほどの相手を単身で倒したのだから、かる~く、500ソウルくらい一気に……」


「たまってない物はたまってないんだから仕方ないだろう。

 あの蜘蛛から増えたのはせいぜい100前後。

 『テレポートのツルハシ』を購入するにはまだまだ足りない。

……まあ、私としてはあきらめても構わないんだけどね。」


「ば!馬鹿にするな!

 この龍眼院・凶螺が手を貸せば、ソウルの2000や3000などあっという間!

 貴様にさっさとソウルを貯めさせて、私がいかに素晴らしいかを貴様に認めさせてやるわ!

それに,実際集めるのが困難であればあるほど,いかに私がマッドで最強で天災であるかを,分からず屋なお前であっても理解することができるであろう!

くははははははははは!」



そう凶螺が高らかに宣言する。

うん、ここまで聞けば察しの良い人なら気付いているであろう。

つまりは、自分が凶螺の(名目上)助手になる条件はこうだ。

【自分が『帰還のツルハシ』を買えるほどソウルを貯めるのに協力してくれたら正式に助手になる】

帰還の巻物とは、『自分がこの世界に来た時の部屋にテレポートできる呪文が詰まった巻物』で、交換掲示板でもそこそこ人気な商品であった。

まあ、自分としては部屋に帰るのに協力してくれればなー程度の半分軽い気持ちで言ったのだが、彼女的にはこれが何かの琴線に触れたようだ。

彼女は『ふはははは!貴様は我が力を直接見たいというのか!贅沢なやつだな!なら特別に見せてやろう!』とか言って了承してくれた。

……初めはよくわからなくて扱いにくそう奴と思ったが、思ったよりうまくやれそうと思ったのもこの時だ。



「まあ,それはさておき次の獲物の探知をお願いできるか?」


「くぅ!一応は了解した。

しかし,こう,こういう地味な作業は本当なら助手がやるべき仕事ではないだろうか?

 それに,どうせ私の活躍を見せるならもっとこう……クレイジーでピンチな場面のほうが……」


「仕方ないだろー,こっちは基本,近づいて殴るスキルしかないんだからなんだし」



ぶつぶつ文句を言いながらも凶螺はゴーグルをかけ、その頭から獣耳を生やし、さらには背中にある触手を意味深に動かしながらあたりの生き物を索敵しはじめる。

このようにここ数日は凶螺がソウル貯めるのにふさわしい相手を探し、二人で狩りをするという生活をしているのであった。


正直、(実際口に出してはいわないが)凶螺は実際すごいと思う。

彼女はかなり変身魔術を使いこなしているように見える。

例えば、(変身を挟むため時間はかかるが)MPとカロリーを消費するだけで体の一部を変形させて武器を作ったりできる。

今のように肉体の一部を動物の感覚器にかえて自分ではできないほどの広範囲を索敵することもできる。

さらには戦闘においてはあの背中の触手で相手を捕まえることできるという万能ぶりを発揮している。

まあ、どんな時でも厨Ⅱ病的なかっこつけをしているためいまいち決まってはいないが。


……あれ?もしかしてほとんどの点において自分、凶螺に負けてる?

い、いや、泳ぎの速さとか単純な力比べとか!少なくとも戦闘力は勝ってるし!!

でも、もし凶螺が再び自分に物理攻撃が効かなくなるスライム状で自分を襲ってきたら?

………。



「……そういえば、貴様、さっき『気』の使い方を調べていたようだが……

 もしや、心理螺旋(アカレシックコード)に気が付いたか?

それとも,貴様にも私の助手になる覚悟ができたという感じか?」


「いや、とりあえず、凶螺がスライム状態になっても殴り倒せるくらいにはしておこうと思って。」


「え゛」



せめて、戦闘面だけでもこいつに勝っておこう。

そう思って、俺は『気』の習熟に努めつつ、次の獲物の場所へ移動したのであった。






「……これは」


「ふむ、どうやら我々はまた一つの『歴史分岐点(ヒストリックポイント)』にたどり着いてしまったようだな。」



さて、そんな風にソウル貯めに日々勤しんでいたわけだが、そんな中そこは偶然見つかった。

それは凶螺ほどの、第6感ぐらいしかまともな索敵ができない自分でさえ、それの異常性には気が付いた。

そこは今までとは違う、ただの海底ではなかった。

一見すると知れはただの密集群ではあるが、それらは規則的、明らかに何者かの意思が介入して並べられているのがわかる岩山。

さらにはそれを囲むように並べ、切りそろえられた海草。

そして、それがどうでもいいと思えてしまうほどの、それを取りかこむ、驚くほど大量の『イカ』の群れであった。




――――――――――――――――――― 


【NAME】 サーテ海の朧イカ


【適正レベル】 2


――――――――――――――――――― 



――――――――――――――――――― 


【NAME】 サーテ海の海人喰い


【適正レベル】 5


――――――――――――――――――― 




目に見えるだけで2種類のイカ……

小さいが姿がぼやけてい群れているイカと自分の身長ほどもある巨大なイカの2種類。

どうやら少なくともこの2匹、恐ろしく大きさの差があるのに被食者と捕食者という関係ではないようだ。

この2種類が同じ場所に固まっているのにお互いに争っているようには見えない。



「……ふむ、さしもの【水着狂戦士(スイムバーサーカー)】貴様でも一度にあの量の敵をどうにかするのは困難であろう。

 どうする?いったん引くか?」



凶螺がやや真面目な顔でそうつぶやく。

が,自分はすでにそれに気づいている。



「……いや、そういうわけにはいかないみたいだ。」



これは最近、凶螺と索敵を比較して知ったことだ。

俺の索敵法が『闘技』による第六感による探知であり、凶螺は魔力や純粋な聴覚やにおいによる探知である。

そして、純粋な生き物探しや遠くにいる生き物や無生物を探すのは自分の感知は凶螺のそれ比べれば劣っている。

しかし、それでも利点はあった。

例えば一度敵対した相手を追跡したり、狙っている獲物が隠れている場合は自分の感知の方が凶螺のそれよりも早かったりしたこともあった。

……でだ、今回この第6感索敵法のいい点がもう一つ見つかった。

自分の第6感がビンビン告げている。それは皮膚にピリピリとした感覚を与える。


あのイカ達はこちらに『敵意』を持っている。


そう,この【闘技】による感知は強い殺気をも感知できるらしい。

それに気づくと同時にそのイカの群れはこちらが何か行動を起こす前に、一斉にこちらに向かって押し寄せてきたのであった。



「……くっそ!もう、触手はお腹いっぱいだってのに!!」


「くはははははは!!

 こういうのだ、こういうのを求めていたのだぁ!

 助手よ!よく見ておけ!これが我が私の本気だぁ!」



なんでかしらんが凶螺があの数相手に物怖じしていないのをうれしく思いつつ自分も手にナイフと槍をもちあのイカどもを迎撃せんと構える!

とりあえず!こいつらは全部まとめてイカ刺しにしてやるぜぇ!




・誤字脱字が増える

・地の文章が増え、更新頻度が低下する


……これはいけない兆候

せめて1章分くらいまでは素早い更新を心がけたい

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