VOL146 「鈍感力」
俺は多くのことに対してテキトーで
几帳面というものからは程遠い。
たいして重要でないと思われることに
無駄に時間やエネルギーを
費やすことは避けたい。
バラエティー番組で芸能人が
いくつもあるテレビやエアコンの
リモコンは全部がきちんと平行に
なるように置く、
CDや本はラックに図書館の
蔵書のようにあいうえお順に
並べて立てて置く、
そうしないと気がすまないとか
言うのは自覚していなくても
それは一種の精神的な
病気なんやろなあと思う。
そんなんダイタイでえーやんか、
と思う俺はデリカシーが足りない
ダメなひとなんやろか。
特に驚くのはキッチンのシンクなどを
ピカピカの状態に保つと気持ちいい
というのはわかるけど、
常に水滴を拭き取るというひとだ。
モデルルームじゃないんだから。
水を使うための場所で水滴の痕跡を
徹底して残さないようにするなんて
理解できないよ。
こういう度を超えて几帳面なひと達は
家族や周りのひとにも行き過ぎた
方針を押しつけて困惑させたり、
めんどくさがられたりするのかも。
とは言うものの、俺も違う面で
少し病的な気がする。
音に対して、だ。
過敏なのか、疲労感や苦痛を
感じてしまう場面がある。
学生時代にほとんどのひとは
黒板に爪を立ててキイーーーッ!
と鳴らす音に耐えられない嫌悪感を
持ったのではないかと思うけど、
それの軽めの感覚なのかなあ。
考えてみると、この話題を今まで
誰とも話していないかもしれない。
皆さんは気にならないですか?
レオは異常でしょうか?
たいした状況でないのに激しく
車のクラクションを鳴らす、
アホなでっかいトラックドライバー
同士がすれ違う時に
「ブォーッ!」「パァーッ!」
とすごい音でただの挨拶を交わす。
周りのひとは聞きたくないってば。
年にほんの数回だけど、
外食をしていて隣のオッサンが
くちゃくちゃ音を立てて食べる
「クチャラー」だとほんっとにイヤ。
食べる気が減退する。
親からしつけられなかったんやろか?
もしかして本人は
気付いていないんやろか?
周りのひとがイヤな気持ちになるとは
想像できないんやろか?
他人が唐揚げを食べる咀嚼音を聴く
ユーチューブ動画が人気がある
と聞いて驚いてしまった。
テレビのCMでプロの歌手ではない
有名人が歌う場合、
やっぱり上手くないひともいる。
「ふるなび ふるなび
ふるさとのおーぜい」
なんて特に音程もリズムもすごく雑で
とにかくヒドいっ。
本人にオンチ!と言いにくいから
ダメ出しできないんやろか?
何回も何回もテレビで耳にするから
しんどいな〜。
いつも買い物するスーパーでは
子どもの合唱団が歌う
イメージソングが流されてるけど、
サビの最後で音を長く伸ばすところが
ビミョーにピッチがズレていて
気になってしまう。
大好きなラーメンのチェーン店では
信じられないことに「1曲」の
ジャズを延々とリプレイしている。
しかも日によって曲は違うけど、
レパートリーはたった3曲くらい
しかないのである。
清潔感がある店で、他店とは
一線交わしたオシャレな空間を
売りにしたいんだろうけど、
とにかくジャズさえ流しとけば
上品だとでも思っているんやろか。
ラーメンはすごく美味しいんだけど
店に入って出るまでの間に同じ曲を
10回くらいも繰り返し繰り返し
聴くことになる。
カンベンしてくれよ〜。
お客さんはたまに行くだけ、
でも従業員は本当に気の毒なことに
何時間もずうーーーっと
何十回何百回!も聴くという
恐ろしい現実。
アタマがおかしくなりそうだ!!
俺なら2日で辞める。
店の経営陣はそのトンデモナイ
状況に気付かないのだろうか???
ああ、世の中の音に対して
もっと鈍感になりたい。
快適に生きていくためには
細かいことに振り回されない
「鈍感力」とでもいうものが
必要なのかもしれない。
でも、俺は音楽活動のためには
音に繊細な感覚を持たないと
いけないんだけど。
明日は田中屋酒店でライヴだ。
テレビのCMソングや
印象に残った曲がアタマの中で
リフレインする。
今はこれやなあ。
「♫にっんじゃめっしいーじゃ
なっいっのっよおおー
にんじゃっめっしっ
いっがっいっわっ」




