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〜異世界卓球〜 混沌の章   作者: 不滅のピン太郎
第2章 魔王杯予選編!
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第33部 サツキ目覚める

その一言で異形は一瞬にして勝ち筋を失った。

「その程度か?俺はただこのデカブツを振り回しているだけではない。知恵を活用し軍の指揮を執るというのも王の役目だ」

ボーグはもう喋る事も出来ない。

カイザーは異形相手に手加減していたのだ。

そこから圧倒的力の差を思い知らせられた挙句、勝つ術を潰されて精神が崩壊してしまったのだ。

「ふはははは!そうかもう喋る事もできぬか!今楽にさせてやる。まあ、退屈しのぎにはなったな」

「ぁ……」

剣の先をボーグの額に突き立てるカイザー。

呼吸の音しか出なくなった口を開くボーグはただただ死を待つのみであった。


カイザーによって大勢力が尽きたもののプレイヤーたちはまだまだ異形たちに立ち向かうのであった。







ヘルフォレスト


「ふわぁ…」

異形の存在など知る由もなく木漏れ日の下で眠る少女。ポカポカ陽気の中、彼女は体を起こし眼をこする。

「やっと起きたか…」

彼女を見ていると可愛らしいマスコットキャラクターが頭に浮かぶ。白い猫のキャラがお似合いだろうか?

いや、卵のやつだな。

「んー、メガネくん。一応聞いていい?」

一応、焚き火をしていたので体温の面では大丈夫だ。

「メガネじゃない、サイトウだ」

超能力でパンを取り寄せるとサツキの手に乗せる。

「ありふれた名前だね」

まあそうだな。と内心思った。

「それに対してお前は珍しい名前だな」

(真田幸村みたいでかっこいいだろ?)

2人目も起きたか。

というより、体は1つなのに同時に起きないのか。

イマイチコイツの二重人格には着いていけない。

それ以前にテレパシーそのものが対応できていない。

1人がもう1人を演じるパターンならまだ読み取れるが、コイツの場合は実際にもう1人いる状態だ。

だがこの場合、多くは心の闇を抱えている。

その内容を見るのだから俺もそれなりのダメージを受ける。

下手に掘って精神が壊れてしまう可能性もある。

とりあえず深追いは良くないとだけ言っておこう。


「ええ!もう5日目なの!?」

流石に驚いただろう。

ニャリルとの戦いの後、異形がやってきて、そこから2日間もプレイヤーたちは異形と戦い続けていた。

でもこの地域はあまり被害がなかった。

「ああ、異形と戦っている状態だから団体戦もロクにできねぇ」

(異形なぁ。悪者でいいんだろ?)

「まあ、そうだな。というよりお前、2日寝てたことに違和感とか感じないんだな」

サツキはなんと2日ほど睡眠していたのだ。

「あのメロンパンはジェイドの特殊能力 トレードアップによってお前の体の芯からパワーを引き出す効果をつけたものだ」

「な、なるほど…メロンパン神が僕にメロンパンを授けて下さったかと思った」

本当、この娘の発想はお花畑だ。

メロンパン神ってなんだよ。

「トレードアップはその物体にメリット効果を与える代わりにそれと対等のデメリットを与えるって能力だ。今回だと、旨みと肉体の強化、集中力の向上など。デメリットは2日間の睡眠だ」

「それ、麻薬じゃない?」

「安心しろ。俺もアイツの作ったものを口にしたが別に支障はない」

サツキは不審に感じるものの、敵意や嫌悪感は示さなかった。

「でもさ、他に感じるものがあったんだ」

その言葉にサイトは違和感を持つ。

(ああ、俺もだ)

「それは……」


「真心!」(真心!)

同時にそう聞こえた。

ほんと、コイツらの頭はお花畑だぜ。

微笑むサツキ。

彼女は異形のことなど知らない。

だが、彼女はサイトの推測通り心の底に闇をかかえていた。







魔王ローランの城


「ローラン様ー!ローラン様ー!」

「マチヤ、左から4番目の扉と言っておいたじゃろうが」

広い廊下にいくつもの扉。

ローラン城は全てローランが生み出した空間。

「防犯とはいえこれはさすがにやりすぎじゃないかしら?」

「まあ、念には念には念じゃ」

「念が1つ多い気がしますが……」

ここは日本でいうところの茶室のような部屋だ。

ローランは紅茶を飲むのが習慣で楽しみの1つでもあり、この部屋を作ったという。

「で、マチヤサチ。そなたを呼んだのには理由があっての」

「ええ、その覚悟で来ましたもの。全てお話するわ」

ティーカップを持ち、紅茶を啜る。

「ユキムラサツキのことなのじゃが…」

部屋が静寂に包まれた。

蝙蝠の羽音やカップの音ですら雑音に思えた。

「単刀直入に言おう。あやつ、本当に人間かの?サツキは魔法の才能を持つ人間じゃが、雷属性という高度な魔法をいとも容易く使いこなせるわけがなかろう。そして、あの必殺技、バスターブレイクも。マチヤ、貴様がクラウディアであることはどうでもいい。とにかく、ユキムラサツキを養っておったのであろう?ならばお主の知っていることを教えてはくれんか?」

マチヤは動揺する事なく、話を聞いた。

というよりいつもの柔らかな表情が失われたとも思えた。

出会って数日のローランでもそれがわかった。

「分かったわ。全部話すわ……」




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