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〜異世界卓球〜 混沌の章   作者: 不滅のピン太郎
第2章 魔王杯予選編!
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第26部 知将はここにて立つ

ブルシュは瓶を開けると一気に血のような赤い液体を飲み干した。

「プハァ…クヒヒッ……異世界卓球ではドーピングの使用は認められている。オーク族の秘伝の調合薬を使わせてもらう…」

くっ、ドーピングかよ…だが、どれだけ力を増そうと戦況は変わらない。

だが、試合が進む度、

「ベクトルチェン……くっ…さっきより火力が出てきやがった!クソっ!」

先程まで圧倒していた超能力はブルシュの力によって押し切られてしまった。

ボールは真上に弾かれ、弾む音は虚しかった。

「んな、バカな…」

サイトはブルシュがドーピングする事はとっくにテレパシーで知っていた。

滅びの未来を予知したとはいえ、今この場の未来を予知する事は流石にできない。

戦法やボールの飛ぶ方向が分かるとは言え、力差があれば別だ。

これは異世界卓球なのだ。

圧倒的力差があれば思考を読まれても大きい方が有利位置に立てるとブルシュは思考していた。

(あのオーク、俺のテレパシーのこと知ってやがった……)


4 ー 2

サーブ権 ブルシュ


なんとか一点は取れた。

だが、アイツの力…侮れない。






「で、君たちは何もしてないんだね」

中央都市アナザーキングダムの門の前。

広がる高原の真ん中では気を失った猫耳の少女ニャリルとニャリルの暴走を止めていたジェイドとヘビー盗賊団の一員であるアオダとダイショがモニターに映る魔王に事情を説明していた。

ニャリルは暴走した後、魔王のペナルティコールによって眠らされた。

「ま、証拠はいくらでもあるし俺たちから振った訳じゃないって事は理解してくださいな」

「うーん。まあ、この映像もあるしね。というか彼女と戦ってる映像だけどよく撮れたね。こんなにも動いてるのにブレてないし、銃弾にも当たってないよね?」

「ああ」と頷くと後ろのポーチから薄型のカメラを出す。

「最新のやつを改造したんだ。写真や動画の撮影は少し得意でね。日本が異世界に来てから便利になったよな」

アオダとダイショは2人の世間話を聴きながら横たわっていた。

「そういや、報告まだだったな」

「あ、ヤッベ姉貴にしばかれるヨォ」







サイトとブルシュはラリーを繰り返す中、サイトが浮かせたチャンスボールをブルシュが打とうとしていた。

ブルシュが大地を踏みしめるとボールは空へと飛ばされた。

サイトは見上げるが太陽のような光を放っていたボールに目を眩ませた。

「サンライトインパクト!」

打ち上げたボールを地面へと叩きつけるようにラケットを振り下ろした。

閃光のように飛ぶボールをサイトは必死に食い止めようとしていた。

「ぅおおお!」

しかし、目が眩んでいて発動が遅れてしまったが超能力にも限界があった。

「ぐぁっ……」

ブルシュは薬の力によって格段にパワーを増していた。

そして試合は進む。

ブルシュが放つ剛球をサイトがいかに超能力で捻じ曲げるか。

力と力のぶつかり合いでもあり、お互いの駆け引きや、知恵比べとも言える勝負でもあった。

「はぁはぁ…やるじゃねぇか……」

「お主、面白いぞ…中々にいい試合だ…」


10 ー 9

サーブ権 ブルシュ

お互いに消耗する中でデュースをすれば明らかに俺が負ける。

この試合で奴は薬を3回使った。

そろそろこのポイントで切れるはず。

と俺が思った矢先だ。

「グフッ……どうした?」

アイツ、まだまだ薬を持ち歩いてやがる…。

しかも周りの奴らも持ってるじゃねぇか。

てことになると薬を消耗させるんじゃない。

もう一つ答えがあるはずだ。

「さあ、来い!」


ブルシュのパワーは超能力で押さえられるほどのパワーではなかった。

しかし、サイトの超能力には本人にも計り知れない力が眠っていた。

だが、その力を出してしまえば脆い人間の身体はボロボロになってしまう可能性もある。

「サンライトインパクト!」

ギリギリまで引きつけろ。

パワーを無力化させろ。

ここでミスっても可能性はまだある!

「……!」

眼を見開くとボールは正面より上の位置にあった。

(卓球台に着かなきゃいいんだろ?)

「超能力者舐めんじゃねーぞ!」

左手で眼鏡を外し、右手に持っていたラケットと共に放り捨てた。

「はぁぁぁぁぁぁあ!」

両手を胸の前で構え、精神を集中した。

「ブラックホール!」

両手を前に出すと小さな暗黒空間が広がっていた。

「何だあれは?!」

その暗黒空間に光を纏ったボールが吸い込まれていく。

「くっ、力が押さえられねぇ!」

その吸引力は凄まじく、周りのオブジェクトや周りのオーク達も悲鳴と共に吸い込まれていく。

その中でもブルシュは卓球台にしがみつきながらたえていた。

一応ラケットと眼鏡は確保した。

「うおおおおおおぉ!せやっ!」

サイトの掛け声と同時に暗黒空間は何事もなく消えていった。

ただ、


試合終了

11 ー 9

サイト WIN!


と上空に映し出されていた。

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