第4話 憂鬱な体育
僕は体育が苦手だ。体力テストは万年E判定である。握力と腹筋などの筋肉系は自信があるのだが他の競技はぼろぼろである。
今日の授業はバレーボールらしい。
「輝!ペア組もーぜ」
「頼む」
先生の指示に従って何気なくボールを打ち合う。ボールを的確に打ったつもりでも飛んでいくのは明後日の方向。球技とは非常に人の心をえぐっていくものだと思った。
やがて休憩時間となって端に寄って淳史と話す。
「なぁなぁ輝」
「どうした?」
淳史が『なぁなぁ』という時はろくなことが起きない。
「隣の女子勢の授業見たくね?」
僕の予想は間違っていなかったようだ。この学校では授業時間と体育館は同じだが男女で分かれさせるのだ。ちなみに男女はネットで区切られているので見ることは可能である。
「どうした急に」
「なんとなく」
なんとなくの裏になんかの意図があるのは大体察せた。しかしながら僕にはそこまで人の心を読める技術がなかった。
「俺はやらないぞ」
「ノリ悪いな…まぁいいから来い」
僕は淳史に無理矢理引っ張られてネット付近に連れてかれた。
「淳史、いい加減にしてくれ」
「目の保養だと思って耐えてくれ!」
「俺はお前みたいに女子好きではない」
そうだと願いたい。
「あ、彩乃がこっちに寄ってきてるぞ」
「なぜ?」
「さぁ、俺にも分からん、」
淳史の言っていたことは本当であった。桜知さんがこっちに寄ってきていた。
「やっほー、ふたりとも」
体育だといいのに息切れている様子はなく、むしろいつもより元気である。
「ぎっ… 輝、俺トイレだわ」
どうやろ便意を催したらしい。そりゃそうだ、休み時間にパン三個も一気に食べたらそうなる。
「休み時間に暴飲暴食した結果だな」
僕の言葉を無視して淳史は先生に許可を得て、ダッシュでトイレへ向かってしまった。
「二人きりだね、小鳥遊くん?」
「そう、みたいだね」
完全に忘れていたが、このシチュエーション!完全に二人きりである。僕は話題を絞り出そうと一生懸命だったが中々思いつかなかった。
「てかさ、小鳥遊くん。命って何だと思う?」
「何を急に?」
話題に非常に困っていたため話題を振ってくれたのは非常にありがたいが、これはこれで困る。この質問の意図が全く見えない。
「なんかの診断だと思って教えて?」
そんなこと言われても特に面白い言葉も返せないため、正直に言う。
「ごめん、考えたことがないからわからないや」
つまらない答えで申し訳ないが、これが僕である。
「逆に桜知さんは?」
「私はね〜、誰かがいるから成り立つものであって、自分一人だったら成り立たないもの。だと思うんだ」
人は生まれてから一人では生きていけない。最初は母親の乳で成長し、親のおかげで学校にも通えて知恵を育む、そうして独り立ちしていく。だから一人では生きれない。僕はそう解釈した。僕は桜知さんの答えに感心した。
「凄いね、そんな考え方できるんだ」
「実はね…」
桜知さんが何かを言いかけた時に先生から集合の笛の音が鳴った。
「ごめん、何?」
「ううん、なんでもない。いってきな?」
「ごめんね、ありがとう。桜知さん」
僕をそう言って先生のところへ駆けていった。
あの時に桜知さんが言おうとしてたのはなんだろうと考えると授業には一切集中できなかった。
ほんとに色々あって直近の投稿から約2ヶ月が経ってしまいました………ほんとにごめんなさい。
これからは着々と更新しますんで許してください、




