攻防戦
「よくも、私とゼレン様の愛の結晶を! 許しませんわ!」
ラフルが杖を構え直す。
「シャイン、フレナ! 時間稼ぎは頼んだよ!」
ラファも杖を構え、見えない盾を形成しながら言う。
それに答えるように二人は頷くと、各々攻撃をしかけながら、ラファの詠唱時間を稼ぐ。
「時間稼ぎなんて……させませんわよ!!」
ラフルが無詠唱で、雷の魔術を発動させる。
ランダムに放たれるため、シャインとフレナはその攻撃を避けつつ、ラフルと『翼』目掛けて攻撃を行う。
「! 貴方様方! 絶対に殺しますわ!」
ラフルは雷の魔術をさらに強化し、攻撃が激しくなる。
「ちぃ、厄介な攻撃だな!」
「……どうしよう。これじゃ、攻撃に、回れない!」
雷をかわすのに精一杯になる二人に対し、ラファは集中力を増してマナを貯め、詠唱を開始した。
「ナル・リバ・シーラ……」
それを聞き、シャインとフレナは顔を見合わせると、シャインは秘術を解放し、フレナは大剣に武器を切り替える。
「フレナ、お前が前へ行け! アタシがラファを守る! ユグル……ノオン! お前はとにかく身を守れ!」
「……わかった」
「は、はい!」
シャインの指示で、フレナが雷を避けつつ、時に大剣で防ぎながら進んで行く。
一方、身を守れと言われたノオンは当たりを見渡し、ラフルの攻撃で出来た壁のような場所に隠れた。
「くぅっ! 禁書の力を、舐めないでくださる?」
雷の魔術を放ちながら、杖を持ってない手で何かを操作する。
「何をする気だ!」
シャインが警戒心を上げた瞬間。ラフルと『翼』の間から機関銃が現れた。
「な、機関銃だと!?」
「……シャイン。きかんじゅう、て、なに?」
シャインがフレナに説明する間もなく、ラフルが言う。
「貴方様方には特別に見せて差し上げましょう。『奇跡使い』の姿を!」