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悪役令嬢の妹に生まれましたが、破滅後のお姉ちゃんを幸せにするのは私です ~辺境に追放されたので、二人で幸せスローライフを送ります~  作者: 軽井広@北欧美少女2&キミの理想のメイドになる!
第二章 最強姉妹の冒険生活!

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Ⅻ 悪役

 セレナを殺そうとする三人の男を前に、わたしは戦う覚悟を決めた。


 わたしは予告なしに一歩踏み込んで、男の一人に斬りかかる。

 男は避けようとしたが、わたしの魔法剣の餌食になる。先手必勝!


 残りの二人の男が顔色を変える。


「貴様……! こいつら全員殺してやる!」


 男の一人が、魔法剣を振り下ろした後のわたしに襲いかかる。

 わたしは一瞬だけ焦った。避けれないかもしれない……!


 でも、セレナが短剣でその攻撃を防いでくれた。


「セレナ……!」


「私なんかのために……戦ってくれてありがとうございます」


「セレナを仲間にしちゃったもの」


 わたしは微笑むと、セレナも嬉しそうにうなずいた。


 セレナの短剣が男の喉元をえぐる。そして、最後の一人の男に、わたしは襲いかかった。

 男の剣が、わたしの剣を弾き返す。仲間二人を殺されたのに、男は冷静だった。


 最後の男はかなりの手練のようだった。わたしに倒せるだろうか?

 でも、やるしかない。


「ブレッシング!」


 お姉ちゃんが支援魔法を唱え、わたしたちを強化してくれる。

 わたしはもう一度、男に斬りかかった。

 

 男は冷めた目でわたしたちを見る。

 

「ああ、そうか。君も俺と同じ人殺しか」


「……違うっ! わたしは誰も殺したくなんてなかった!」


「言い訳だな。自分たちの幸せのために、俺たちを殺そうとしている」


「それはあなたたちが、セレナを殺そうとするから……!」


「俺たちも悪だが、君たちも等しく悪だ。わかっているのか?」


「たとえそうだとしても……わたしは悪役になってでも、お姉ちゃんたちを幸せにするんだから!」


 わたしは魔法剣の角度をわざとずらし、男の右の胴の下へと入れようとした。男は難なくそれをかわしたが、わずかに隙ができる。


「ファイアボール!」


 そこにわたしは炎魔法を叩き込んだ。男は悲鳴も上げずに倒れ、わたしは魔法剣でその胸に止めを刺した。


 ……終わった。

 これで殺し屋の男たちは倒した。正当防衛……だと思う。あのままならセレナは殺され、わたしたちの身の安全の保障もなかった。


 わたしは、自分が正義だとは思わない。わたしもお姉ちゃんも、他の人達からすれば、悪人なのかもしれない。

 それでも、わたしたちは自分の幸せを求めている。それが悪いことでも、わたしは戦い続けると思う。


 お姉ちゃんを、わたしの大事なものを守るために。


 セレナはほっとした表情になり、そして、青い瞳に涙を浮かべた。

 

「あ、ありがとうございました……」


「ううん。セレナを仲間にしたのはわたしたちだもの」


「あの……私、このままだとまたご迷惑をかけてしまうかもしれません。他にも追手が……」


 いるかもしれない。でも、それはわたしたちも同じだ。

 わたしはセレナの肩をぽんぽんと叩いた。


「大丈夫! セレナがわたしたちの力になってくれるなら、わたしたちもセレナの力になるから」


「こ、これからも……わたしはリディア先輩たちと一緒にいていいんですか?」


 わたしとソフィアお姉ちゃんは顔を見合わせた。そして、わたしもお姉ちゃんも微笑んで、うなずいた。


「もちろん!」


 リディアはぱっと顔を輝かせた。


「やっぱり……リディア先輩のこと大好きです!」


「わ、わっ……抱きつこうとしないで!」


 そんなわたしたちを見て、お姉ちゃんが頬を膨らませる。


「仲間としては認めるけど、リディアをとっていっちゃダメなんだからね?」


 セレナはくすっと笑った。

 そして、言う。


「私、ソフィア様のことも大好きです!」


「え? ええ!?」


 ソフィアお姉ちゃんが、顔を赤くした。でも、満更でもなさそうな表情だったり……。

 やっぱり、セレナは警戒しておかないと。


 お姉ちゃんをとられちゃうかもしれないから。




<あとがき>


これにて第二章完結! 次はいよいよ聖女アイリス登場です……!


そこで読者の皆様に大切なお願いです。


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