表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/36

Ⅺ 決意

 目の前の男たちは、セレナが暗殺者であることを知っている。

 わたしは心臓がどくんと跳ねるのを感じた。


 このままだと、危険だ。わたしとソフィアお姉ちゃんの正体もバレるかも……。

 セレナも顔を青くしている。


 男たちはいったい何者なんだろう?

 あらためて、わたしは男たちを観察する。


 人数は三人。三〇代前半ぐらいかな。全員腰から剣を下げていて、黒い外套を着ていた。

 身なりは冒険者風だけど、目つきが鋭い。わたしはこういう目をする人間をよく知っている。

 暗殺者だ。


 わたしはおそるおそる問いかけた。


「あなたたちは誰ですか?」


「君たちはセレナの冒険者仲間かな。大人しくしていれば、君たちの命までは取らない」


 どうやら、わたしたちの正体は知らないみたいだ。ほっとする。

 逆に男たちの狙いはセレナにあるみたいだ。


「つまり、セレナのことを殺すということですか?」


「そのとおり」


「何の恨みがあってそんなことを――」


 わたしは言いかけて、口を閉じた。わたしたちは暗殺者で多くの人を殺してきた。

 わたしはお姉ちゃんの護衛のついでの暗殺が多かったけど、セレナはほとんど暗殺専門で、殺した人間の数はかなりになると思う。


 それだけ恨まれていてもおかしくない。正体を隠しているとはいっても、誰が殺したか、どこかから漏れてもおかしくない。


 今までは公爵家の権力で覆い隠していたけれど、今は公爵家も落ち目だから……。

 暗殺された人の家族が仕返しに来たとか……。


 男の一人がにやりと笑った。


「俺たち自身はそのセレナという女の子に恨みはないさ」


「え?」


「金をたんまりと積まれて雇われてね。そいつを殺せば金がもらえる」


 男の一人が下卑た笑いを浮かべる。わたしは怒りでかっと自分の顔が熱くなるのを感じた。

 この男たちは金のためにセレナを殺そうとしている。


 わたしはお姉ちゃんを守るために、セレナを殺すべきかもしれないと考えた。セレナはわたしたちの正体を知っているし、今も危険に巻き込まれている。

 でも、わたしにはできなかった。セレナは昔も今も、わたしの仲間だったから。


「り、リディア先輩……」


 セレナが震えながら、わたしの服の袖をつまむ。セレナは青い瞳でわたしを見上げていた。

 守って欲しいと言っていたのは、こういうことだったんだ。セレナはたぶん任務でここに来たわけじゃない。追われて逃げてきたんだ。

 そこでわたしたちに出会った。それはセレナにとって救いに見えたかもしれない。


 どんなに絶望的な状況でも、わたしにはお姉ちゃんがいた。セレナは一人ぼっちだったんだ。きっと、とてもつらかったと思う。

 わたしは……どうするべきだろう? きっとセレナ一人ではこの状況を切り抜けることはできない。

 わたしたち三人でなら、男たちを倒すことができるかもしれない。でも、絶対に勝てるとは限らない。セレナを守ろうとすれば、お姉ちゃんが危険にさらされる。


 わたしは迷った。どうすれば……。


「大丈夫。リディアの望む通りにしていいよ」


 わたしが驚いて振り返ると、お姉ちゃんが優しく微笑んでいた。


「いいの?」


「もちろん。私は優しいリディアが好きだもの。私たちは最強なんでしょう?」


 二人でなら、セレナだってきっと救えるはずだ。

 わたしはお姉ちゃんにうなずいた。わたしはお姉ちゃんだけじゃなくて、セレナのことも守ると約束したんだ!


 わたしは、魔法剣を抜き高く掲げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お読みいただきありがとうございます。
もしよろしければ、
↑の☆☆☆☆☆評価欄
から応援いただけるととても嬉しいです!
ブックマークもありがとうございます!
小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=871601709&size=88


書籍版2巻・2024年8月26日発売 /></body></html>
コミックス『北欧美少女』1巻発売中! シャワーシーンでの大胆北欧美少女の描き下ろしも!?

大正ロマン結婚生活1書影
大正ロマン結婚生活1巻が2026/7/1発売!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ