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23/202

22.どう見ても破壊神でしょ!

 F村に到着。

 ここでも、K村でやったのと同じように時間を止めて、ターゲットとする男性の装備をグレードアップをしてあげた。


 さらに私は、H村に転移。

 そして、ここでも同じ作業を行った。


 ただ、F村もH村も、K村の時と同じで、各女性が指名した男性は、何故か一人じゃなくて複数人なんだよね。



 後で辞書機能を使って調べたら、どうも、この近辺では、そう言うプレイが一部で流行っているっぽい。

 一応、この世界全土が乱れているってわけじゃなさそうだ。

 むしろ、乱れているのは少数派っぽい。

 それを知って、正直、安心したよ。


 それから、F村もH村も、やはり魔法を使える人の存在を感じなかった。

 本当に、魔法を使える人っているのかな?



 一先ず、私は急いでH村を後にすることにした。

 次なるターゲットは、X村。


 何故、X村にしたかって言うと、割とこの近くにあって、それでいて、F村、H村、K村みたいな乱れた性の感覚が無い地域だって辞書機能に書いてあったからだよ。

 じゃないと、私の感性がついて行けなくて……。



 そう言えば、マリーをK村に置いてきちゃったけど……。

 でも、もう仕方ないよね?


 きっと何年かしたら、マリーも複数の男を相手に楽しむ系に成長するんだろうな。あの村の感性が彼女の常識になっちゃうだろうからね。

 意外と、相手の中にはマークスもいたりして……。



 と言うわけで、

「転移!」

 私はアーノルドを連れて移動。

 次の瞬間、私達はX村の近くに姿を現した。


 村のゲートには、

『ようこそX村へ!』

 ってデカデカと書かれていた。


 それから、用心棒急募の張り紙があったよ。

 あと、この村からは一応魔力を感じる。

 どうやら、魔法を使える人がいるみたいだ。



 私は、

「済みません。用心棒したいんですけど……」

 と、近くにいた村人……この人のことは村人Aとする……その村人Aに声をかけた。


 すると、

「そこの兄ちゃんがかい?」

 って…………。



 どうやら、私はアーノルドの付き人か何かに勘違いされたようだ。それで、用心棒に名乗り出てきたのは、私じゃなくアーノルドだと。


 正直、それって逆だからね!

 むしろ、アーノルドの方が私の付き人なんだから!



 と言うわけで、

「私は火の魔法が使えますよ、この通り」

 私は頭上に特大の火球を作り出した。

 直径は約十メートル。


 さすがにこれを見た村人Aは、

「分かりました。お二人とも用心棒になりたいと言うことで……。では……、こ……こちらに来てください」

 恐怖に怯えながら、私とアーノルドを村の中の、ある建物へと案内してくれた。



 その建物の中には、三十代前半と思われる男性と二十歳くらいと思われる女性の姿があったんだけど……その女性の方、どこかで見た感じが……。

 しかも、あまりイイ記憶じゃなさそうな感じが……。


 って、この女性。

 やっぱりだ!

 あの首ちょんぱ魔法が効かなかったアキにそっくりだよ。

 絶対に視界に入れたくない女だ。



 村人Aが、

「この村の長のエリックさんです」

 三十代前半と思われる男性の方を私達に紹介してくれた。


 この人から魔力を感じる。

 なかなかの力がありそうだ。



 エリックのステータス画面が開いた。私の覗き見魔法が発動したっぽい。

 それで、早速、中を見させてもらったけど、水の魔法か。

 たしかに、この世界じゃ飲み水の入手が難しいだろうからね。水の魔法を使える人は一目置かれて当然だろうね。


「エリックです」

「私はラヤ。それから、この男がアーノルドです。私もアーノルドも用心棒を希望しております」

「その男性はともかく、君もかい?」

「はい」


 まあ、これが普通の反応だろうね。

 なので、早速私は、ここで直径三十センチくらいの火球を作り出した。さっき、村人Aに見せたのに比べると随分小さいけどね。


「こう言うモノを作って、相手に向けて放つことが出来ます。勿論、もっと大きいのも作れますよ」

「分かった。雇おう。では、君の仲間を紹介しよう」

「仲間ですか?」

「用心棒仲間だ。こちらはナツミさん」


 アキにそっくりな女性は、ナツミと言うのか。

 うーん。

 つまり、秋と夏ってことかな?


 冗談はさて置き、この人からは魔力を感じない。

 エネルギッシュな雰囲気は伝わってくるけど……。


「ナツミです。よろしく」

「ラヤです」

「珍しい名前ね」

「それは、お互い様でしょう。もしかしてナツミさんって日本人?」

「良く分かったわね。私は異世界転移してきたの」

「そうでしたか」

「日本にいた時の名前は菅奈津美(かんなつみ)。英語の時間にはNATSUMIKANって呼ばれていたわ」


 これって、ある意味キラキラかも。

 絶対に、親は狙って名付けたよね?


「夏ミカンですね」

「飽くまでも一発ギャグだからね」

「はいはい」


 本人は開き直っているみたいに見せているけど、地球時代に、本当は名前で苦しんだかも知れないからね。

 私自身、地球時代の名前が嫌いで辛かったから、この手の話を余り長々とネタにしたくない。それで、さっさと流すことにした。

 ナツミにとっては、食いつきが悪いって思えたかも知れないけど……。


「それで、アナタも日本人?」

「私は、日本から異世界転移して戦死して、他のところに転生して、そこからまた転移してきました」

「えっ? 意味分かんないんだけど?」

「つまり、流浪の民状態です。でも、ナツミさんは、どうして、よりによって……」

「えっ? 私がどうかした?」

「いえ。何でもありません」


 さすがに、

『なんでアキに似ているの?』

 なんて聞いちゃダメだよね?

 好きで同じ姿をしているってわけじゃないだろうからさ。


 でも、この容姿は苦手だ。魑魅魍魎ってイメージしかないもん!

 多分、慣れるまで少し時間がかかりそうだ。



 一瞬、沈黙の時が流れた。

 相手がアキそっくりなのがストレスなんだと思う。

 私は何を話して良いのか分からない。

 すっかり頭が回らなくなってしまった。


 アーノルドは無口で何もしゃべらない。

 丁度この時だった。


「野盗だ!」

「野盗共が来たぞ!」

「チョンマゲ男達が百人くらいいるぞ!」

「あと、大男が一人だ!」


 御来客のようだ。

 しかも、どうやら、これまでの二つの野盗グループと構成が同じみたいだね。



 急いで私は、

「転移!」

 アーノルドを連れて外に出た。


 すると、チョンマゲ男の一人が二十代後半と思われる女性を捕まえていた。

 しかも、服を脱がしてHな悪戯をしようとしている。



 ようやく村長とナツミが、この場に駆けつけてきた。

 その直後だ。

「アン!」

 と村長が大声を出した。


 どうやら、その女性アンは、村長エリックの奥さんのようだ。

 ステータス画面にそう書かれていた。



 それと、アンも魔力を持っているようだ。

 しかも、そのステータス画面には、

『物質創製魔法(食料中心)』

 との文字があった。

 これはこれで、このご時世には貴重なお方だ。


 一方の野盗達からは、魔力を一切感じなかった。

 やっぱり、魔法を使える人ってマジで少数派みたいだね。



 チョンマゲ男の一人が、

「助けに来なきゃ、みんなで犯しちゃうぞ! でも、助けに来たら殺しちゃうぞ!」

 と最低な言葉をこっちに言い放って来た。

 正直、このままじゃマズイ。


 なら、ちょっと試してみよう。

「ラヤ、行きます!」



 私は、その野盗共の目の前まで転移魔法で移動すると、

魅惑魔法発動(チャーム)!」

 サキュバスとかが使うであろう魅惑魔法を最大放出した。


 すると、チョンマゲ男達は私の元へと大集合。勿論、アンを捕まえていたヤツは、アンを放り投げて来たよ。



 そこで私は、

火炎魔法最大放射(完全消毒)!」

 最大パワーの火の魔法を放って一瞬で、コイツら全員を火達磨にしてやった。


 ただ、チョンマゲ男達を焼き殺しちゃマズい。

「放水!」

 水の魔法ですぐに消火。


 そして、

「死ね!」

 融合魔法の邪魔になるであろう大男を、恐怖の首ちょんぱ魔法で一瞬のうちにあの世へと葬り去った。

 コイツが混じると融合人間の精神バランスが崩れる気がするんだもん。



 残りは、全身を火傷して、その辺をのた打ち回る百人のチョンマゲ野郎共。

 私は、

融合魔法(マージ)!」

 コイツらをアーノルドと融合した。


 最初は、モノは試しにくらいのつもりで融合魔法を使ったけど、このままアーノルドをもっと成長させてみたくなったんだ。

 仮に、知性も志も人間性も、一人分が異様なほどに小さくても、それが三百人分集まったら結構大きいよね?

 チリも積もれば山となる状態だもんね。



 それから、

治療魔法照射(ヒール)!」

 火傷を負ったヤツ等と融合したんで、アーノルドの身体中のアチコチに火傷の跡が出来てしまった。


 でも、それは私の得意の治癒魔法で治してあげたよ!

 さすが聖女様でしょ!



 だけど、もう一つやっておかなければならないことが……。

 新たに融合したんで、アーノルドの自制心を性欲が越えてしまっているんだよ。


 なので、

「ゴメン、アーノルド。性欲減退!」

 アーノルドの性欲を魔法で減退させて、自制心を上回らないようにした。


 だって、私はカワイイ系美少女だもん。

 こうしておかないと、私がアーノルドに寝入り端を襲われちゃうかも知れないでしょ!



 と言うわけで作業終了&大掃除終了!

 私は、アンとアーノルドを連れてみんなの前に戻って来た。


 すると、

「何なの、アンタ?」

 とアキ……じゃなかったナツミからの第一声。

 そう言いたくなるだろうね。


 なので、私は、

「前の世界での二つ名は聖女様だったもので……」

 って言ったんだけど、ナツミからは、

「どう見ても破壊神でしょ」

 って真顔で一言。

 うん、言いたいことは十分理解できるよ。



 一方のエリック村長は、

「アンを救ってくれてありがとう!」

 私に号泣しながらお礼を言っていた。

 マジで目の前で変なことされなくて良かったね。


 それと、アンからは、

「あの変な連中が、この男性の中に取り込まれたように見えたんだけど、この男性って何者なんですか?」

 と聞かれたんだけど、

「ゴミ集積車です!」

 とだけ答えてあげた。


 ゴミみたいな連中を回収して圧縮してまとめてるって言いたかったんだけど……どうも反応が今一つだった。

 基本的に、意味を理解してもらえなかったみたいだね。

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[一言] 自制心を性欲が越えてしまっている!っていうパワーワードに笑います
2022/08/03 12:53 退会済み
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