理想にコミット頭脳
「言葉遊びトレーナーです」
「あっ、よろしくお願いします」
「今日は、どのような感じで」
「あの。会話の中で、面白い言葉を使いたいんです」
「はい、分かりました。では、ジャンルはどうなさいますか?」
「知的なものと。比喩的なもので」
「はい。では、とりあえず会話しましょう」
「分かりました」
「今日、天気いいですね」
「そうですね」
「ハーレーみたいな晴れですね?」
「あっ、ちょっとすみません」
「えっと、どうなさいましたか?」
「求めてません。ダジャレ系は」
「すみません。これは素です」
「あっ、素でしたか」
「ハーレーでいうと、エンジンつけた直後の、まだあったま」
「あっ、言わなくていいです」
「すみません」
「続きをお願いします」
「雲ひとつないですよね」
「そうですね」
「小学生の頃の、体育の時間にやったサッカーの時の、グラウンドみたいですね」
「どういうことですか?」
「いや、あの。みんなボールを追っちゃうから、グラウンドがガラ空きで」
「ああ。まあ、比喩は比喩ですけどね」
「もう夕方ですね」
「そ、そうですね」
「ブルーモーメント来ますかね」
「ブルーモーメントってなんですか?」
「太陽が沈む瞬間に、青い光で包まれる。みたいな現象です」
「あのすみません。知的ではあると思います。でも、思っていたのと違いますね」
「ああ、違いますか」
「確かに、知的なものと、比喩的なものはありましたけど。違います」
「ダメでした?」
「使えませんね。天気の話は、一切したことないんで。天気の話はNGで」
「わっ、かりました」
「お願いしますよ」
理想にコミットする頭脳は、未完成。でも、これから頑張る。




