表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
76/110

VS《游泳动物》

昨日はすみませんでした。

「お疲れ様です」

「イエー」


 一回戦の相手、《バグ・インセクト》に勝ち、控室に帰って来た。

 正直、一文字も描写されていないファニーが二対一で勝ってくれなかったら、危なかったと思う。


「さて、二戦目だけど……出たい人!」

「ハイ!」×5


 今回出場しなかった、ガンツ、アンペル、シェンラさん、ミワ、ギコーが手を上げた。

 まあ、バランスもちょうどいいし、これでいいか。


「頑張れよー。あと司令官くらい決めとけ」

「……シェンラでいいか」

「頑張ります!」


 ちなみに、相手のクラン名は《游泳动物》。





 出場しないメンバーで、戦場を俯瞰できる特別室に集合した。

 さっきは使われなかったけど、一回だけ使えるアドバイスの権利を、しっかりと有効的に使っていきたいな。

 今回の会場は、シンプルな平地みたいだ。


 こっちの構成は、前衛がシェンラとミワ、中衛にギコー、後衛にガンツとアンペルだ。

 そして、相手の構成は……前衛1人、後衛2人に……会場の底で待機しているのが2人だ。


「なんかのギミックパか?」

「ギミックパ?」

「スキルの構成とかで、強いコンボを作り出すやつ」


 ギミックが分かったら、司令官シェンラさんにノータイムで報告するのも辞さない。



『デュエル開始ィィィ!』


 始まった。

 相手の前衛は一人しかいないため、さっさと突破しようとミワが逆刃のナイフで攻撃した。

 しかし、いつのもの[逆刃刀 シンテゐ]は置いてきたらしく、ナイフしかないから火力が足りない。


「どけミワ。〈ジャック・チフ〉」


 ミワを押しのけて、中衛だったギコーが前に出てきた。

 いつものチェーンソーが振るわれ、


「〈要石(かなめいし)〉」


 相手の前衛が、石の盾で防いだ。

 そして、攻撃したギコーに、攻撃力のデバフが掛かる。

 ……完全に時間稼ぎに徹してるな。


「〈マグネッターΩ〉」

「〈レーザービーム〉」


 さっさと突破するために、うちの後衛であるギコーが赤と青が混ざった紫色の矢を、アンペルが黄色のレーザービームを放ったが、


「〈アイスクル・ショット〉」

「〈アルカライン〉」


 ギコーの矢を氷柱(つらら)が、アンペルのレーザーを赤色の液体が打ち消した。

 あの赤色の液体は……毒かな?

 とにかく、後衛同士で攻撃を打ち消し合い、相手の前衛をギコーとミワで削っていくも、攻撃デバフのせいで、思うようになっていない。

 そして、戦場の下にいる2人は、何かの作業をしている。

 マジでギミックパかよ。




「流チェー漸」


 数分後、ギコーとミワの合体技で相手の前衛を倒した。

 ちょっと技名がダサいのがアレだが……今度センスを磨いてもらおう。

 それから、相手が忙しく動き始め、


「準備できてるか!?」

「ギリギリ!〈建築(アーキテクチャ)〉|トーチカ」


 地上にいる奴が、なんかのスキルを使って……木製のトーチカが5つほど生えてきた。

 さらに


「〈領域拡張・魔再速栓(まさいそくせん)〉」


 一瞬トーチカ(簡単な野戦築城)を包み込む様な、半透明のドームの様な物が見え、すぐに消える。

 

「何あれ?」

「多分、バフを与える結界かな?」


 そして、さっきまで前衛の援護をしていた、赤液の奴と氷の奴が、建築されたトーチカの中に入り、


「〈アイシクル・ショット〉」

「〈アルカライン〉」


 さっきと同じ魔法、いや、威力も速度もさっきとは別物だ。


「〈硬化〉」


 シェンラさんが何とか受け切るも、赤い液体は水中で広がり、


「イタ!」


 近くにいたアンペルに降りかかった。

 もちろん少し離れていたガンツは、少し薄くなっても数回死ぬ。

 さらに、


「〈マグネッターΩ〉」

「〈650ボルト〉」


 ガンツとアンペルが遠距離攻撃を仕掛けてみたが、トーチカに大したキズはついていない。

 かなり硬いぞ、あいつ。


「……あれ燃やしたら熱そうなのに」

「今回ばかりはお前を選出しとけばよかったよ」


 まあ、不幸中の幸いは、


ブーン!


「〈バーストエンジン〉」


 うちで最高火力のギコーがいることかな。

 彼のチェーンソーの回転数が増した。

 ミワのデコイと後衛の援護で、なんとか彼をトーチカに近づけて、チェーンソーを振りかぶり、


「〈チェーンバスター〉」


 トーチカの一つをぶっ壊したた。

 やっぱりギコーなら破壊できるか。

 これでも壊せないなら、マジであとは逃げるしかなかった。


「出てこいやァ!」


「……クラン名が似合うようになってきたナ」

「アニキィ……」


 と、とにかく、残った廃材を押しのけて、トーチカの中を探り……地面に穴が空いていた。

 トーチカたちは、地面の穴で繋がっているのか。

 どうせこの穴にはトラップが仕掛けられているのだろう。

 そして、さっきまでそのトーチカにいた氷の奴が、となりのやつから顔を出し、


「〈凍結(フリーズ)〉」


 地面が凍っていき、ギコーの足も固定される。

 その上、


「〈塩基性(ベイシック)〉」


 赤液からの追撃。


「クッ、外れろ!」


 必死に足を引っ張ったが、とれない。

 人を溶かす赤液が接近してきて、


「〈フレンド〉」


 ミワの実体化デコイが近づいてきて……逆刃刀の刃側で、ギコーの足を切り離した。

 そのまま彼を突き飛ばして、赤液のダメージ範囲から逃す。


「いいぞー。頑張れー」

「……そろそろアドバイス権を行使したいのだけど」

「そういえばそんなんあったな」


 やるとしたら……あれかな。


『……ってことだ。やれ』

「……アイアイ」



「〈フラッシュ〉」


 まずは、アンペルの魔法で目くらましをした。

 トーチカに引っ込むから、特に攻撃はできないが、仕込みは済んだ。

 相手の魔法アタッカーの猛攻を、


「〈拡盾〉〈隔絶〉」


 シェンラさんが、盾を全員が入るくらいに薄く広く伸ばして防いだ。

 それをしたら肝心の耐久力は下がってしまうが、無敵化があればその辺は問題ない。

 二連続で使えば10秒は稼げる。


「〈PH15〉」


 赤液のやつが、盾の外側から高濃度のアルカリを回り込ませて、みんなにダメージを与えた。

 元の大きさに戻った盾の後ろには……ガンツとギコーがいない。


「どこいった?」


 アルカリの奴がそう言って……


「はーい♪ そして、さよなら☆」


ドッカーン


 奴がいるトーチカの穴から、ガンツが出てきて……爆散した。

 いくつか穴にトラップがあったみたいだけど、ガンツの生き返りなら問題ない。

 ちなみにギコーは途中までの穴掘り役。

 そして、二人がシェンラさんの盾の後ろに隠れていると錯覚したのは……ミワのデコイ。

 今回、彼女はいつもの[逆刃刀 シンテゐ]ではなく、二つ目の鱗器[仮変弧(かへんこ) フォクサスク]を着けてきた。

 その能力は、変装。


 つまり、今回の流れとしては、フラッシュで相手の目を潰す→ガンツとギコーが変装デコイと入れ替わり、地面に潜る→地面の穴からガンツがトーチカに潜入からのドカン。

 ちなみに、俺の指令は『ガンツ、自爆特攻しろ、持ってる爆弾全部使え』……字面だけ見たらヤバいな。

 とにかく、これで相手のアタッカーは一人潰せたな。

 まあ、ちょっと土崩れがあったり、トラップが多かったりで、ガンツのストックもなくなったんだけどね。


 そして、まだ俺たちのバトルフェイズは終了していないぜ!


ドカドカドカ、ドーン


 ガンツも赤液のやつも死んだが、まだ爆発は続いている。


「……たーまやー」

「いい爆発だな。熱いアル」


 ……思ったより長いな。

 あいつどんだけ爆弾ため込んでたんだよ、全部爆発させろとは言ったけどさぁ。

 そして、爆発の泡から突き抜けてきたのは……4人乗りオーバーフローバイク。


「突撃ぃぃィ!」

「全速前進だ!」

「進めー!」

「ゴーゴー!」


 ……段々ヤクザっぽくなってきましたね。

 だが、意味はあったみたいだ。


「ヒッ、〈雪合戦〉」


 沢山の雪玉が襲ってきたけど、一番前に構えていたシェンラさんの盾が弾いてくれた。

 割とダメージは入ったが、あんまり問題ない。

 そして……これで相手の潜んでいるトーチカが分かった。


(げき)・ジャックナイフ」


 ギコー、ミワ、ミワデコイの合体技で、トーチカを打ち破り、


「〈700ボルト〉」


 アンペルの電気が氷の奴を倒した。

 あとはアタッカー無しのトーチカを一つずつ破ったら終わりだな。

【ラッコ】


 能力:アイテム能力アップ


 相手の捨て駒壁役。

 石を使って貝を壊したりするから、道具を使いこなしてるということでこの能力。


 【カバ】


 能力:アルカリ魔法


 赤液のやつ。

 カバの出す赤い汗はアルカリ性だから、この能力。

 酸の方が強力にも思えるが、人体が溶けるのはアルカリのが強い。


 【氷アザラシ】


 能力:氷魔法


 名前に氷ってついてるからね。


 【ビーバー】


 能力:木建築


 トーチカを作った奴。

 国語でビーバーは池の真ん中に家を作るってのをやったなー。

 ……年齢バレるからやめよ(手遅れ)。


 【カワウソ】


  能力:結界


 カワウソはいくつも巣を作り、それらを渡り歩く。

 初期プロットでは〈領域展開〉って書いてました。



 [鱗器]は二つ以上持っていると、全ての能力を使えなくなる。

 持っているだけでアウト。

 今回ミワは拠点に置いてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ