第二十九話 デュアルボード! ドラゴンレースで世界1位を目指せ!①
快晴や
ここは俺のアルバイトをしている場所だ。ここで俺は日給8万エリカの仕事をしている。
なんのあるバイトかって? 異世界転生のアルバイトだよ!
ドラゴンレース
さあ、今回の異世界アルバイトは……
ダラダラダラダラ
快晴やに謎の音が流れる。
この謎の音楽にも慣れてきた。
「ダラダラダラダラ」
「ダラダラダラダラ」
ダリアさんと俺はいつもの如く謎の詠唱を行う。
デデン!
ダリアさんがイセパットを眺め「ふぅ」と小さなため息をつく。
「フン、あんたにとってはあたりかもね。ドラゴンライダーよ」
ダリアさんが残念そうな目で俺に語り掛ける。
ドラ……ドラゴンライダーだって! なんて良い響きだろう。
「しょ、詳細を教えてください!」
ダリアは嫌そうに説明を続ける。性格悪いぞ、ダリアさん。
「その名前の通り、あなたにはドラゴンレースに参加してらうわ。転生後、好きなドラゴンを選んでそいつとパートナーになるの。先に世界一周した人が優勝よ」
ななななな! な! なんてことだ! 最高じゃないか!
「ど、ドラゴンレース。これだよこれ! 俺が夢にまで見た異世界転生は! やっぱり竜のいる世界って最高だ!」
「詳しくはこのタブレットをよく読んでから、準備が出来たら声をかけなさい」
そういうとダリアさんはイセパットに書いてある内容をプリンターで印刷し、俺に渡してくれた。
その後、椅子に座ってお茶をお飲み初めた。
(そういえば、俺がアルバイトで異世界にいる時に何をしているんだろうか……)
えっと……
◇第88回! 飛翔! ドラゴンレース
・異世界名:デュアルボード
・制限時間8日の間に世界を一周した人が優勝です。
・優勝賞品は神秘の宝石。守護のブレスレット!
・ドラゴンを持っていない人はレンタルできます。
・大会参加者には10万ドランを支給します! 宿代、食事代等に使用してください。
・禁止事項:ドラゴンレース中の暴力、犯罪行為などのレースに関係ない迷惑行為(1/2)
世界を一周するレースだけでもワクワクするのに、ドラゴンに乗ることが出来るなんて最高じゃないか。
俺は注意事項を詳細をよく読んだ後、ダリアさんに声をかける。
「もういいの? じゃあ行ってらっしゃい! 開け異世界の門!」
いつものようにダリアさんが呪文を詠唱すると俺の体が宙に浮かぶ。さあ! ドラゴンレースで優勝してくるぜ!
「あ! そうそう、いい忘れていたけれどあんた、2枚目の注意事項ちゃんと読んだ? テーブルの上におきっぱなしだけどー」
「え?」
ちょ! ダリアさん!
嘘だ! 俺に渡された課題書は1枚だけだったぞ!
そんなー後出しじゃんけん、勘弁してよー!
俺は次なる異世界、デュアルボードへと向かった。




