第八話 空港閉鎖。日本に帰れない二人。
このまま、日本に帰してしまうのは、話が面白くなくなると思い、
タイ王国に居てもらうことにしました。
この後、軍隊との絡みを描こうと思ってます。
日本へ帰る準備をする、光とそれを眺めて、嬉しそうにニコニコしているアピン。そういえば、アピンは荷造りをしている様子が無いので、光は、アピンが日本へ旅行にでも行こうとしていると勘違いしているのではと思い、訪ねてみることにした。
「アピン、アピンの荷物はどうなっているの?」「荷造り大変なら、手伝うよ」
「大丈夫。荷物持っていくのめんどくさい。」「面倒」とタイ語でいうと言うと、再びベットでゴロゴロし始めた。(困った子だな)と光は、呆れ気味になるが、(ちゃんと、説明しなきゃな)と思い、説明を始める。
「いいかいアピン?日本には旅行に行くんじゃないよ。俺たちの身を守るために日本に行くんだ。日本の警察は優秀で、日本にはタイ王国のマフィアも、手出しできなくなる。だから、アピンも心配だから、連れて行くんだよ。分かるかい?」
「解ってるよ。だから、早く日本に行こうよ!」とアピンは、目を輝かせている。
光は、仕方がない、家に行っても危険かも知れないので、光の荷物をまとめたら、空港に直接行き、二席のキャンセル待ちが通れば、そのままアピンを連れて日本に逃げようか。と考えた。
そして暫くして、荷物もまとまり、空港に向かうためにタクシーを呼んだが、アピンの通訳によると、しばらく国際空港は、クーデター側が占拠しているので、飛行機は飛ばないという事だった。
「弱ったな……」と途方に暮れる光だったが、しばらく、マフィアの目の届かない田舎で、身をひそめるしかないかな?と次の手を考えているが、とにかく、チェックアウトしたホテルに戻り、もうしばらく、そのホテルに泊まることにした。
幸い、トラベラーズチェックの再発行も無事に終わり、返金された。そして、もう一度榊原洋平のところに行くことにした。うさん臭さプンプンだが、今タイにいる知り合いの中で、一番タイ王国に精通している男だからだ。
ホテルから、榊原の止まっているホテルに、タクシーで、アピンを連れて、向かうことにした。