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第30話 へぇ~なるほどな~

当時、冒険者ギルドで暇な時間に依頼を受けて成功すれば実習という扱いで加点が貰えたり依頼料はお小遣いにできるということもあって学院の生徒はほとんどが冒険者ギルドに登録していた。条件を探して組むよりは楽だしー、と組んでいた学院での私たちパーティは程々にバランスが良かった。

冒険者ギルドで受ける依頼とは別に学院宛に流れてくる依頼の中でも出来れば侍女に扮することが可能なもの、娘の身代わりが出来るものとなると頻繁にこちらに回ってきていた。実績から見る成功率の高さで名指しで依頼が来るものもあり断ることもできないという状況。小柄だった為、年下の子供に扮して身代わりができる私、出自からご令嬢に扮して身代わりができるリメイ、メイドや従僕に扮することができるミーナさんやピッド。

こんなちっちゃい子を狙うなんてサイテー!ですわね。とかにこやかに言いながら嬉々として鈍器を振り回すリメイの姿は今でも忘れません。……ちっちゃい子は余計だ、ちくしょう。


「ミルさんお若く見えますもんね。学生の頃と今もあまり変わらないって聞きました」

「……リメイ、余計なこと教えるんじゃないわよ」

「あら、魔力を持つものなら知って当然だからしょうがないじゃない。まぁあんたはちょっと特殊だけど」


魔力が一定以上に多い人に現れる現象がある。

魔力は生命力にもつながるためか普通に生活していると寿命が長く、見た目も一定まで育った所で成長が緩やかになる傾向がある。大体二十代後半から三十代くらいの見た目で止まる人がほとんどで魔力が衰え始めると見た目も緩やかに老化が進む。なのだが……


「ミルは成長止まるの早かったわねー。入学時にも小さい子だって思ったけど」

「うるさいよ」

「入学って一番小さくて七歳でしたっけ?」

「そうそう。しかも飛び級してるから中級に上がったのが九歳とかだったんだけどね。中級になると学院生はギルド登録が年齢に関係なくできるけどミルの場合はもめたらしいわよ」


さすがに見た目があまりにも幼くそんな小さな子を働かせるのはどうか、とか依頼人する人がいるのか、とかギルドと学院の人たちでずいぶんもめたとかなんとか。結局、実技試験と質疑応答を設けることでギルド登録の許可が降りた。降りたら降りたで身代わりやら護衛やら囮やらの依頼が指名で入って大変でしたが。最初から目立っていた上に任務遂行率や達成率も高かった為、無駄に有名に……


「ちなみに遠目になら王太子妃選定の日とかにリーシュ様を見かけてはいるんですけどねー」

「えっ!?」

「選定当時、ティアリル様に私が付いてましたから。というか目が青いからって理由で私が身代わりで代理をしたりしてましたし。ティアリル様も小柄で割と童顔でいらっしゃったので……」

『ええぇぇぇぇ!?』

「髪の色は染めたり鬘かぶったりでごまかせるけど目の色は魔法使える人がいるとごまかしにくいのですわ」

「そうそう。魔法かかってるーって分かっちゃうからねー。選定の日までの一ヶ月くらいは依頼で私達が付いていたのです」


だから第一王子で王太子のレオネル様と王太子妃のティアリル様はとても面識がある。王様は絡む必要がなかったので直接の面識はほぼなかった。ただ、あの時の依頼を受けたのが私たちのチームで身代わりをしていたのが私ということは知っているはず。


「はっ!?そういえばあの時期お義姉様に付いている護衛がピッドさんに似ているって後で思ったのでしたわ。侍女もミーナさんに似ていた気がしますし」

「えぇ、正真正銘ピッドとミーナですわ。侍女や護衛が近くにぴったり付けない時には私が実家の伝手でご令嬢たちに混ざって活動していましたし」

「夜会とかで人の出入りが多い所では私が代わりに出てたりねー」

「はっ!?そういえばたまに夜会なのにいつもよりお兄様がべたべたしてないときがあったような……」


「へぇ~なるほどな~。道理で義姉上がお茶に呼びたがってるって思ったんだよな。お茶会とかそういうの苦手なのに珍しいなーって思ったんだ」


背後から聞こえる声に振り向くとライルが訓練場に入ってきたところだった。

ようやく再登場。

…で、どうしよう……(あれ?

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