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タッツミー  作者: ゆらゆらゆらり


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33/74

決戦の日です

 晴天が広がり爽やかな風が心地いい、そんな一日も暮れようとしている。晩秋ともなると、日が暮れれば風は冷たい。

 でも、そんな風も弾き返すそんな場所がある。

 人々は様々な思いと期待を持って、そこへと向かう。これから行われるボクシングの試合に心を躍らせながら。


 この日のボクシング会場はいつもと違っている。

 いつもと同じホールなのに、普段ではあまり見かけることのない若い女性の姿も多い。

 これはひとえに武山和人というボクサーによるものだ。そのルックスと言動が、普段はボクシングに興味を持たない人をも呼び込んだ。

 女性や、にわかファンは武山和人の話題で盛り上がっている。


 一方、コアなボクシングファンだって負けていない。

 国内屈指のハードパンチャー永井亮のKO勝利か、華麗なるフットワークで相手の攻撃をかわし、伝家の宝刀カウンターパンチで竹山和人のKO勝利か。


 マスコミでも取り上げられたからか、大いに盛り上がっている。とても、国内のタイトルマッチと思えない。



 そんな会場を眺め見ていた男が、満足といった感じでうなずいた。

 会場を照らすライトに眼鏡が光っている。レンズの奥から別の輝きを放たれている。


 彼は不適な笑みを浮かべ、その場から消え去った。


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