王太子殿下の告白 6
「誓いまでは良かったのですけど、レインさんとアッシュさんの食べっぷりを見ていたら、あの綺麗なガゼボで近衛騎士の正装との温度差で、見事に夢は打ち砕かれてしまいましたわ」
「ブリジット様は夢見がちな乙女なのですね。私なんかいつも兄の食欲に釣られて食べ過ぎない様にするのが大変です」
「ふふ、それ私も感じたわ、レニ」
「酷い言われようだ、アッシュも何か言ってくれ」
「我々は身体が資本だから仕方が無い。剣技を習得するには、それなりの筋肉も必要だからな」
和気藹々としたやり取りに、ブリジットが頬を膨らませている。怒るところあったかしら?
「それでは、私は剣技を学べないですわ」
「本気だったとは、学ぶには学べるが」
アッシュが苦笑いしながら答えているのが、紳士だと思うわ。レインは女性騎士もいるよ?なんて言ってしまい、ブリジットが少し涙目になっている。
「筋肉質になったら、お嫁に行けなくなってしまいますもの!私の夢は騎士ではなくて、王太子妃になられたリーナ様のお子の乳母になることですわ!」
「乳母?!」
ああ、何処から出てしまったのよ、私の声‥‥素っ頓狂な声が出て、皆で笑いを堪えている。肩が揺れて分かっているのよ、レイン!
「あのね、ブリジット、気が早いわ。まだ、確定じゃないのだから」
「いや、確定だろう」
「アッシュ?!」
「あははっ、ククッ、可笑しい‥‥往生際が悪いですよ、リーナ様、く‥‥苦しい‥‥」
レイン、笑いすぎでしょう。
心の突っ込みが止まらない。とは言っても、指輪は私の中にある訳で、伯爵家の私が王太子妃なんて考えてもみなかった。
「でも、聖女候補の方もいるし、私も候補として勉強だってする訳でしょう?」
「リーナ様、ご冗談ですよね?そろそろ、兄が笑い死にそうなのですが」
ピクピクしているレインは笑い上戸なのだと思う。
「どっちも確定ですって‥‥ククッ、指輪は1つだけだし、リーナ様の中に消えた以上、決定事項なんですよ。しかも、護衛騎士が貴女に触れただけで現れるなんて、王太子殿下の気持ちが上限振り切った状態だってことです。はー苦しい!」
笑いを堪えながら教えてくれたけど、普通は護衛騎士が触れても現れないという事になる。私はレインの肩に手を置いてみた。現れない。
「真名の誓いが関係しています。誓いを立てた者は、貴女の守護者として認識されますから」
「まさか、認識してもらうために、大切な真名の誓いを立てたの?!」
驚いた私に、4人は、半分は合っているけど半分違うという。
「リーナ様の状況が危ないからです」
リアが言うには、聖属性を帯びた全属性持ちは他に居ないので、家の強化を図りたい一部の六公爵や他の侯爵家、辺境伯家、もしくは王位簒奪を目論む危険分子に知られてはいけない能力なのだと言われた。
「これって、ハニエル様やグレン様にも言えること?」
「そうなりますね」
だから自分たちが盾となり、必要最低限のブレーンで守りを固めるのだと言われてしまった。王太子殿下、なんて物を渡してくれたんですか?!
「機密事項にならない気がする」
「だから護衛の我々から離れないで下さいね。どんなことをしても守りますので」
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




