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恋する二人は許されない ~敵国王子と化物王女の現世青春~【毎日更新】  作者: 雪林りん
シーズン3 ~かつて化物と呼ばれた君へ~
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TIPS オリジン

 オリジンという組織のことを、我々ゼロの構成員は詳しく知らない。

 恐らく上層部は把握しているのだろうが、その情報は構成員にまで降りてこず、『可能な限り関与しないこと』という下知だけが言い渡されている。

 真偽不明の情報であるが、現在私が把握している事柄を纏めると、彼らは中規模非倫理的組織に該当し、様々な工作活動に勤しんでいるようだ。その活動内容は不明だが、判明している事実が幾つかある。


 まず団長であるダウナ・ローティエンションが『贄を求めし終の主』と呼ばれていることだ。正直あまり頭が宜しくなさそうな呼び名であるが、それが彼女の行動をそのまま表しているとすると、彼女の理念は『贄を集めること』。そして彼女を中心とするオリジンの目的も付随して、贄を求めることに注力しているのではないか。

 贄とは何なのか。現在不明。


 また、彼らが何人かの魔法使いを無人界へと亡命させていることが明らかになっている。代表的な例として、魔法界で指名手配として追われていたグラシディア・アルドフッド。改造魔法の研究が露呈して国際連合に追われていたオヴェルタ・R・シロロガス。時間停止魔法を研究したせいでシロガラ国とメース国に攻め込まれた国の王フェンネル・G・ドゥームズ、その妻フェンネル・G・オグロク。

 以前捕獲したオヴェルタ・R・シロロガスの証言によると、オリジンは亡命の見返りに何かの取引を持ち掛けたらしい。その内容を追究しようとしたところ、シロロガスはどこかから飛来した銃弾によって死亡したようだ。

 恐らくオリジンの副団長、ベリアス・ワンチアンによるものだろう。闇夜の超長距離狙撃を任される者など、彼以外にありえない。


 そして最後の情報として、奴らはシロガラ・G・クロスエッジとメース・M・ハルモニアの周辺に潜んでいるようだ。それが警護であるのか監視であるのか、その区別はまだついていない。


 そう言えば、一つ不可解な噂があった。

 我々の所有しているものと同タイプの銀河鉄道を、奴らが所持していたという話だ。しかもご丁寧に中身を改造し、単なる遊覧目的のウスノロ汽車ではなく最新鋭のスペックに変えているのだとか。

 デースマース・љ・ディアールさんの失踪と同時に、あの人が借り受けていた銀河鉄道も紛失したと報告があったが、もしかしてそれを回収したのではないか。

 もしもその銀河鉄道を用いてベースキャンプへ強襲をかけてくるのであれば、我々の計画が遅れることになる。さりとて、今は噂話を真に受けて人員を割いている余裕はない。

 やがて訪れる厄災まで、あと僅かしかないのだ。


    ――ゼロ構成員 イドゥーバッダ・ヨモヤ 記す

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