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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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私は四年前、こんなことを書いていた

 東京五輪 官民投資10兆円……そういう記事を見た。

 読み進めれば実際は11兆6千兆円で、『今後さらに上積みされる可能性がある』らしい。(日本経済新聞)

 これをただひたすらに『馬鹿げている』と言ってしまうことこそ『馬鹿げている』が、それにしてもこの額だ。無駄な部分もさぞ多かろう。


 矢久はこの記事を見て、なんとなく昔書いたコラムを思い出した。もうどこにも公開されることもないし、今読んでも私自身、「そうだよな」って思うので、ついでに公開しておこう。


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 東京オリンピックが7年後に決まった。

 一スポーツ人のわりに、わたしにはそれのなにがめでたいのかよくわからないが、しきりに盛り上げようとしている姿を見る限り、とりあえずめでたいらしい。


 しかし毎回仰々しい「開会式」…日本もさぞかしハデに行うのだろう。

 あのカツゼツの悪いアナウンサー滝沢某が発した「おもてなし」という言葉の威信にかけて行う演出はどのようなものだろうか。

 先日ビートたけしが「俺なら、会場に上から飛行船を空から下ろして、その中から選手を続々と入場させる。「どこにこんなに入ってたんだ?」というからくりとして、会場に巨大な地下を掘り、そこから飛行船に乗り移れるように演出する」ようなことを言っていた。

 たぶん採用にはならないのだろうが、今、このように度肝を抜いた演出を必死にひねり出してる演出家が、すでに日本で動き出しているはずだ。

 彼らはどうするだろう。最近表立って日本が誇っているアニメ文化を引っ掛けるだろうか。日本の繊細なCGやアニメの技術を駆使ししてホログラム的な立体映像での演出くらいはやるかもしれない。なににせよ、莫大な予算をつぎ込むことは間違いない。


 しかしファミコンとともに育ってきた世代は思うのだ。

 いまやゲームも映画と変わらない、驚くべき演出と無限の操作方法で昔のファミコンとは別物といえる進化を遂げている。スーパーマリオにBダッシュをさせていた世代は、まさか「たかがゲーム」がここまでになろうとは思ってもみなかった。

 だが、実はゲームシステムというものはほとんど進化していない。今、新作として手に入れられるゲームで、「うわ、こんなのやったことがない」といえる斬新なゲームシステムはどの程度あるだろうか。少なくともわたしがやってきた中に、昔のゲームと大きくかけ離れた「興奮」や「おもしろさ」というものは存在しない。

 わたしも散々イベントを打ってきたが、人の心をうつのは、実は演出ではない部分が多い。大げさな言い方をすれば、大切なのは何をするかであって、それがどれだけハデかは、人間の感動の決定的要素ではない。極論を言えば紙芝居で人は泣ける。

 それを踏まえて、日本が世界を日本的に「おもてなす」のなら、日本高度成長期を支えてきた「日本的経営」の極、ラジオ体操を取り入れてみてはどうか。会場全員ラジオ体操。

 何もせずに選手入場後、天皇陛下の号令一下、選手も観客もすべてラジオ体操第一をして、後は選手宣誓を誰かに頼んで開会式終了。

 おそらくとてもシュールな開会式になるだろう。だが、戦後日本を支えた集団の結束力というテーマに勝るものを多額の金をばら撒けば作れるのか?…そして、それはこの「ラジオ体操で終了」案に比べてどれほどかけ離れて大きく人を感動させられるのか。

 7年後が楽しみである。


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 大事なのは「日本はすごいね!」って言われることじゃない。スポーツが、アツいことだ。

 スポーツに感動するのに11兆円必要なら、多くのオリンピック開催国での感動を否定することになる。

 日本のおもてなしがつまらぬ利権に笑う奴らのせいで失笑を受けないよう世界に示すことも、翻って世界への「おもてなし」なんじゃないか?

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