セミの恋愛事情
セミは、種類によって、「ジーーーー」とか、「ミーンミーン」とか、「ツクツクホーシ」とか、「クマーーーー」とか鳴く。(←クマゼミがなんて鳴いてるか知らない人)
中には「カナカナカナ」と儚げに鳴くセミもあり、家から聞こえるヤツラだけでこんなにいるんだから、世界的に見たら「トリーーー」とか「イグアナーーーー」とか鳴くヤツもいるんだろう。
俺は全然セミ博士ではないので、彼らが鳴き始めなければナニゼミかを判別することはできないのだが、さすがに、セミのメスは、そんなはずもない。
こんなに大合唱しているセミの中で、自分と同じ種類のセミを見つけまっしぐら。ピンポイントで同じオスゼミの求愛を受けるのだろう。
…………
……
……いや、マジでそうなの?
だって、いろいろいるっていったって、全部セミだろ?
たぶん、俺が見たら「ジィジィゼミ」だか「ニィニィゼミ」だか見分けのつかない連中がにーにーにゃーにゃー言ってるわけだ。実際容姿なんて日本人と韓国人程度にしか変わらないのだろうと思う。
……それでも、メスは見分けるだろう。自分の子が一卵性双生児でも、兄弟が見分けられない親はいない。それと同じく、「ジィジィ」と「ニィニィ」が同じセミみたいな顔をしていても、メスにしてみればまったく違う男たちなのだと思う。
その上で……だよ?
たとえば「ジィジィ」のメスは、「ニィニィ」にはときめかないのか!!
人間は、たとえば日本人が日本人を好きになるとは限らない。
人種の別、肌色の別を問わず、骨格の造詣も超えて、人間は人間を愛することができるし、おそらくこの地球上で〝人間同士であるならば〟という条件ではあっても、混血できない種……というものは存在しない。(と思う)
犬だって雑種は多々ある。イルカとかクジラとかは知らないけど、カテゴリー内ならわりとオッケーなんじゃないかと思わずにはいれらない。オカピなんてわけわかんないしな!!
オスのセミはメスを待って鳴くだけの存在だから選択権はないのかもしれないけれども、メスの場合は、もっとフリーダムなんじゃないだろうか。
例えば「ジィジィ」のメスだって、顔の造詣が多少違ったって……いやむしろ、そのほうがかっこよく見えて、「ニィニィ」の顔に惚れるかもしれない。
「ツクツク」とか言われたら鳴き方なんてぜんぜん違うけれども、じゃあ日本人ならジャパニーズPOPを歌う男でなければ惚れないか。……答えはNOだ。
自分自身は鳴かないわけだし、それほど相手の鳴き方にこだわる意味もないんじゃないか。……「ミーンミーン」でも「クマーーーー」でも、「コイツこそ私の子を生むにふさわしい」と思ったオスの元に行ったりはしないのだろうか。
もちろんあくまで血統を守る華族さまのような貞操観念を持つセミだっているだろう。しかし、中には大正デモクラシー的先鋭さを持った女子だっているかもしれない!
実際どうなんだろう。
まぁイマドキ、キーボード一つで調べられるのだろうが、知らないことを全部知ればエライというものでもないだろう。
こんな世の中で、たとえばこういうのを想像し、楽しむ脳みそを残しておきたい。




