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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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情報操作に対するなんとやら

 いくつか前の稿『ウクライナ情勢、雑感』で、俺は以下のように書いた。

『ウクライナの戦争が始まって以来、流布されてる情報というものがどれだけいい加減なものか、そしてどれが真実かを見極めるのがどれほど難しいかを改めて知った』


 これ、勘違いしがちだが、情報を提供する側に正確な情報を流さなければならない義務などはないわけで、彼らはいくらでも嘘を組み込めるし、いくらでも大げさに吹聴できるし、いくらでも自分本位な内容をまとめることができる。なんなら強盗事件が国内で三件も発生すれば、その国を知らない場所へ情報を流す際、『毎日のように強盗が行われている犯罪王国』と紹介することが可能だと思う。俺、たぶん、その記事書けると思うよ?

 とにかく、ロシアとウクライナの両国のやりとりで、第三国へ対する情報の拡散方法のえげつなさを知った。国レベルでは、当たり前のように嘘を武器として使おうとしてくることが、分かった。


 これさ、当然中国も使ってくる手だよな?

 中国は台湾を当然のように自分の国だと思ってる。だけどそれが例え他人の国であっても、自分たちの国益にかなうところでは"当然のように"自分のものとして主張してくることは尖閣諸島や南紗諸島を見ても明らかだ。

 尖閣を中国領だと言い張るのは、台湾含めてあそこが領海になると、太平洋進出が容易になるからであり、それは中国にとって悲願でもある。アノヒトたち、その昔アメリカに『太平洋はアメリカと中国で二分しよう?』って臆面もなく言い放った国ですからね?


 ともあれ、だから尖閣がほしい。当然台湾もほしい。まずは台湾だ。しかし『台湾有事は日本有事だ』とか騒いでる勢力が日本にあることを確認している。日本はともかく厄介なのはその背中にいるアメリカで、アメリカとはもう少しの間戦いたくない。

 にもかかわらずロシア馬鹿か。お前らがヘタ打ってウクライナを長引かせてるから、俺たちの立場もだんだん危うくなってきてるじゃねーか。そのおかげで本当に台湾のことが難しくなっちまっただろ。


 ……っていう、ダレカの独り言が聞こえてくるとして……(フィクション)


 それでもここで台湾が取れなきゃ、今後百年太平洋進出はできない。

 何とかするために、まずは日本やアメリカから台湾を孤立させなければならない。

 そうすれば各国の世論は『台湾は護るに値しない』という方向へ傾き、進出が容易になるのではないか。


 ……となれば、思いつくのは、『台湾人が日本人を嫌っている』という情報操作だ。

 具体的内容は思いつく限り多岐にわたってしまうので、俺の妄想を並べることができないが、今後、そういった類の情報が目に付くようになれば、それは、俺は、ドコカの国の工作である可能性が高いと思う。


 というか、その中には本当のことも含まれるだろう。さっきの強盗三件の話じゃないけど、台湾人全員を網羅すれば日本人が嫌いな台湾人だって、モラルの低い台湾人だっているだろうと思う。日本にだって、すごいヤツもいれば、クズもクソもいる。それと同じだが、クズとクソだけを紹介されて、日本のモラルを問われても、「それは違うぞ」と大多数の日本人は思うはずだ。それと一緒。

 台湾人がすべて聖人君子というわけではない。日本大好きというわけでもないだろう。しかし、その一部分だけをあたかも彼らのすべてのように喧伝され、日本人の世論が操作されるなら、それは情報提供者の思う壺だと言わざるを得ない。


 情報は怖い。改めて、情報の怖さというものを、ロシアとウクライナの戦争は教えてくれている気がする。

 ウクライナも崖っぷちだと思う。『雑感』でも言ったとおり、西側諸国の胸先三寸でこの戦争はどのようにも終わる。その終わり方がいい加減だと、その後の世界情勢に色濃く影響するから西側も躍起になっているけど、これが長くなれば、世論がどう転んでいくか分からない。

 ウクライナの被害に、世界は慣れすぎてしまっていると思う。ただ、ウクライナに力をあげすぎれば、最終的に脅威になるかもしれないのは、まぁ、今までの世界の歴史が物語っている。……だから難しい話だよな……。


 ともあれ、そんなだから、台湾を巡る情報には気をつけないといけないなと思うんだよ。いや、別に俺はどこの回しモンでもないけれど、ほんと、日本人として、"ちょっと聞いて"おいてほしい話だ。

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