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ウクライナがんばれ10

 ウクライナでの戦争は五ヶ月を迎える。

 『人の噂も七十五日』ってヤツで、世界的に見て、一般民の関心はだいぶ薄れてしまっていると思う。いや、正確には、物価高や食糧危機などが騒がれ、自分たちの身にも降りかかっていることを迷惑がり始めたフシもある。一つ二つの記事に踊らされてはいけないが、実際、『領土なんて少しくらいくれてやれ。とっとと停戦して世界的な経済制裁を解除してほしい』という意見も増えているという。

 これ、実際どうなの?


 『ウクライナがんばれ8』で言ったとおり、俺は欧米側の支援も、実はかなり意図的な小出しをしてるんじゃないかと思っている。

 「負けないけど勝てない」量の支援しかせず、ウクライナがじりじりと押されゆく姿を何らかの意図を持って傍観している気がしてならない。

 ウクライナはそうと知りつつも頭を下げて支援を取り付け続けるしかない。そっぽ向かれたら雪崩を打って転がり落ちるしかないのだから。

 最近なりふり構っていられなくなった感のあるゼレンスキーだが、俺的には「猫を噛みたい窮鼠だな」と、不憫でしかたない。


 欧米も、ウクライナ全土が占領されてしまうことは許すまい。するといつかは停戦交渉を仲介することになる。

 もし欧米側がそのような動きに出ても、ウクライナは承服できまい。しかしその時、

 「落としどころもわきまえず、いたずらに戦闘を継続したがるウクライナ」というレッテルが貼られたら、今度は彼らが国際社会を敵にまわすことになる。

 「恩をアダで返す」などとメディアが書き立て、「それはわが国の家計にも飛び火している」と煽れば、結果的に軍事支援を続けたいとしても選挙に影響してくる。(いや、軍事支援を切り上げる口実として使える)

 かくしてロシアはウクライナを黒海から切り離す形で領土の拡大に成功し、巨大な権益を手に入れ、この騒動は収束する。ひどければこの辺の当事者の誰かにノーベル平和賞かなんかが出る。


 例えばこういう形で終わったとしよう。というか、

 『領土なんて少しくらいくれてやれ。とっとと停戦して世界的な経済制裁を解除してほしい』

 という意見を持つ人間たちが思うような形とは、このようにしか成立しないのではないかと思う。だって、ロシアは今、自分からは終われないよ。黙ればウクライナが反撃してくることは分かってるんだから、それを沈黙させるまでは攻め続けなければならない。

 この戦争はウクライナが降伏するか、欧米による仲介(直接的とは限らない)でしか終わらない。


 繰り返すけど、こういう形で終わったとしよう。

 でもその時、政府間で、「ハイ大団円。経済を今までのように戻しましょう」と、なるだろうか。資産凍結、経済制裁を解き、戦争以前のような技術交流や経済交流が行われ、何もがなかった日に戻る。戦争が終わり次第、そんな日が来ると思っているのだろうか。

 んなわけがあるか。……ってのが俺の意見だが、『とっとと戦争やめて経済制裁を解除してほしい』という意見の一般民たちには、戦争終結=経済制裁解除という考え方が当たり前なんだろうか。

 てかまさか、制裁を課している国の政治レベルもそうだったら恐れ入る。


 まぁ、今回はどことも同盟関係のないウクライナでの戦闘である。

 正直、これまでの軍事支援自体が奇跡なのだと思うが、今回の戦いにロシアが勝つということは、帝国主義の勝利という、時代の逆行と同義である。

 「領土は力で拡大できる」という考え方。それを否定できない要素となりえるし、「人の権利はやりようによって奪える」ということでもある。それに勢いを得て、"戦争やめれば経済制裁も解かれる"ことを前提に自信を持って行動できるなら、俺なら台湾も尖閣も、北海道も視野に入れるね。(やる国がロシアとは限らず)


 世界が二極化していくとすれば、日本なんて地形的に前線基地みたいなもんなんだ。ウクライナのことは他人事じゃないんだと思うけどな……。

てか、

「ウクライナはもともとロシアの土地なんだから取り返す」っていうんなら、

もともと日本の土地の北方四島返せよ……。

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