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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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ウクライナがんばれ2

 近々のコンテストの締め切りが4月中日なのに作品は中途半端なところなので寄り道してる場合じゃないのだが、世界はそれ以上にそんな場合じゃない。

 俺が何かを言ってどうなるものでもないが、無力で無力な俺が唯一できることと言えば、ウクライナのために文字を書くことくらいだ。


 そういえば……と思った。ウクライナには知ってる子がいる。

 知ってるといってもyoutuberだから"知り合い"というわけではないのだが、その名はソフィア=シキチェンコ。ヨーデルを得意とする歌うたいである。

 まぁ検索すれば分かる。矢久勝基を検索するよりはるかに多くヒットする。

 てか、顔を見ろ。その子が、ウクライナ人だ。


 実際、彼女が今、ウクライナに住んでいるのかは分からない。住んでいるとしても西側に住んでいる子なのだろう。気になってこんな時間になってから検索してみたら二日前に投稿している。なににせよ、無事でよかった。

 いや、無事でよかったと思う以上に、このような状況だと、最終更新が二日前という時点で気になってしまう。日に日に切迫していく戦況の中にいて、ウクライナの象徴である青と黄色の服を着ながら、国歌をアカペラで歌っていらっしゃった。


 その国歌はもともと戦いの歴史を歌っている。

 1917年に国歌に採用されるが、1922年にはソ連邦として併合され、国歌ではなくなった。

 シキチェンコさんの解説だと、これを歌うこと自体が禁止されたのかもしれない。その理由の部分だけyoutubeは翻訳してくれない。何か意図的なものを感じるが、どうせそこは今回の論点ではない。

 その後2003年に再び国歌として正式採用されたらしい。

 歌われて消されて、また復活して歌われたその国歌の名は『ウクライナは滅びず』。


 彼女が国歌を歌う前の解説をyoutubeの機能で同時翻訳した時、『ウクライナは滅びず』を『ウクライナはまだ死んでいない』と訳したのだが、逆にそれが切実に聞こえてしまった。

 以下、矢久の中学レベルな英語知識で訳したウクライナの国歌だ。直接日本語訳するとあまりにトンチキなので、英語に訳されたものを、さらに訳すという暴挙。……あえて『死んでいない』を採用したい。


  ウクライナの自由はまだ死んでいない

  ウクライナの栄光もまだ死んではいない

  運命よ、私たちウクライナの仲間たちにもう一度笑顔を

  私たちの敵は太陽に散る露の如く消え去るだろう

  そして私たちは自由の国を、私たち自身の手で治めるのだ

  私たちの自由を達成するために、魂と身体を捧げよう

  今こそ、コサック民族の魂を示すのだ

  私たちは自由のために立ち上がる

  私たちは祖国を蹂躙されることを許さない

  

 これを歌いながら死んでゆくウクライナ人の気持ちになってみろ。

 深夜4:00の日本において、のうのうと生きてることが申し訳なくなるわ。

 ちなみに俺は本当に英語ができないから、この訳は細かいところたぶん違うとは思う。しかしその上で、これはこれで今のウクライナの叫びな気がする。


 戦争にはそれぞれの正義がある。俺はロシアに至ってもそうではあるのだと思う。

 それでも、民間の施設が破壊され、職業軍人以外が死んでいるのはウクライナだけだという事実は変えられない。

 どこに正義があろうとも、フェアじゃないことは間違いない。

 その中で戦いを続けるウクライナに、もう一度笑顔を。

 太陽に散る露の『露』が露西亜の露だ。この歌が実現することを、切に祈りたい。

 シキチェンコさんが最後まで無事でありますように。ウクライナの人たちが無事でありますように。

 こんなところでこんなことをつぶやいても何の力もないけれど、睡眠時間を削る程度で『ウクライナがんばれ』をつぶやけるのなら、せめてつぶやきたい。


 ウクライナ、がんばれ。

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