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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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コロナで稼いだ閲覧数

 猫も杓子もコロナウィルス。

 情報は錯綜し、市井の人々は戦々恐々。イベントは軒並み中止となり、学校は閉鎖され、街からは紙製品や米が消える。

 大地震が起きたか戦争が起きたかと状況を調べてみれば、インフルに毛が生えたほどの症状と致死率でしかない。

 先日、学校のフェンスの外に人だかりができていたから何かと思えば、一斉休校になる前に卒業式を中庭で始めた中学生、その父母達が、我が子の晴れ姿を写真に収めようと、背伸びをしてスマホを構えている図だった。

 ウィルスの蔓延を懸念して校内立ち入り禁止とされたのだろう。密集による集団感染を忌避してとられたこの措置の結果が生み出したこの人だかり(密集)。……皆さんは「けしからん」と言えるだろうか。


 もちろんいろんな意見もあるだろう。私はこの場でその議論を戦わせる気はないが、正直災害規模に対しての今回の騒ぎようは滑稽とすら言えるほど大げさだと思う。

 流行ったのがエボラ出血熱レベルの死病ならまだ分かる。しかし冷静に状況を見て、多少死にやすい流行病が空を飛んでいるだけだ。そんなのインフルもそうで、インフルなら毎年流行している。

 人々はインフルなら冷静に対応し、罹患した人は自然と養生に入り、罹患していない人も自然と予防に走る。局地的な学級閉鎖やイベント中止はあっても、政府が指導するほどではない。というか、インフルが流行するたびに買占めが行われ、国レベルで足踏みをするなら、毎年一ヶ月くらいは全部休みにしなければいけない。

 それなのにちょっと世界的に騒がれる新型症状だってだけでこの始末だ。


 まぁこの対応も馬鹿馬鹿しいと思いつつ、コレはいいとしよう。政府も下からの突き上げに耐えられずやったのだろうし、その対応が絶対間違っていると言うほど、新型コロナは解明されていないのだから。

 しかし、この騒ぎがこれほどに馬鹿馬鹿しい拡がりを見せているのは、俺は何もコロナの脅威それ自体が原因じゃないのではないかと思っている。それが私の憶測どおりだとすれば、そのことがとにかく馬鹿馬鹿しい。


 すなわち、インターネット上で閲覧数を増やすための手段として、このウィルスがやり玉にあげられたことが、今回の混乱の原因の一つなのではないかということ。

 インターネット記事は、この「小説家になろう」もそうだが、閲覧数がリアルタイムで表示されるようになっている。その閲覧数に応じて広告がついたり、知名度が上がって他の記事が読まれたりするわけだが、コロナが発生し、不安を煽り立てれば人は記事に飛びつく。あることないことでも騒ぎ立てた結果、実際に紙製品の買占めが行われたわけだし、信憑性が定かではない情報でも、閲覧数が伸びれば記事を投稿した者の利益となる。

 それが騒いで騒いで騒いだ結果の、この大げさな日本休眠状態だ。もちろんすべてとは言わないが、閲覧数ほしさに煽り立てたインターネットの記事の弊害が占める割合は決して少なくはないんじゃないか。

 この憶測をさらに確信に深めるのは、別に症状が沈静化したわけでもないのに、今時点で、先週ほどコロナについて語られなくなったことだ。インターネットのすべての記事を10とすれば、10がコロナの話題だったのに、こんな最中に薄まってきた。これはひょっとして、コロナをキーワードに閲覧数が取れなくなってきたためなのではないか。


 これが、誰もが情報を発信できる「情報化社会」とやらの実態だ。

 発信している者が自分本位な利益のために、1の規模を10にも100にもして日本をひっくり返してしまうという、なんとも馬鹿馬鹿しい構図じゃないか。(もちろん、それだけが原因ではない、とは繰り返しておく)

 人は不安を煽られると、多く軽率な行動に出る。こんなのはあまねく使われている手段なので、不安材料というのはいつの時代も商売道具となる。しかも、このような批判文を大々的に「不謹慎」と排除できるのも不安要素が強い要因だ。

 情報社会となり、「情報の取捨選択が容易」などと世間は吹いているが、なんてことはない。実際は昔以上に情報操作があざとく行われているのが今の社会だ。


 それにweb小説界も踊らされまくってるよねー、と言い始めれば、これについても長く語れるが、それはまた別のお話、か。

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