↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
142/228

姫(3)の算数教室

 魔王様(♀)よりも姫(3)の話題が増えたのは、べつに魔王様(♀)が留学したとかではない。

 ただ、幼稚園に行って接する時間が少なくなったため、昼の少しの合間に遊び相手になるのは、もっぱら姫(3)になった。


「くまさんが4匹いて、うさぎさんが2匹いる動物園は、全部で何匹の動物がいるでしょう」

「6です」

「おぉ……」

 なんか、最近姫は、足し算にハマっている。

「お饅頭を4つとおだんごを3つ用意しましたが、姫はすぐに2つ食べてしまいました。そうしたら魔王様もきて「わらわもほしい」というので、1つ分けてあげました。残ったのはいくつでしょう」

「4です」

「足し算と引き算、完璧ですね」

 3歳でこのレベルを暗算できたらすごいと思う。姫(3)の場合は5円玉のような形をした木のブロックを50個持っていて、わたしが提示するストーリーにあわせてそのブロックを増減させ、最終的に数を数えるので、まぁ、間違えることはないのだが。

 すごいすごいといいながら頭をなでていると、姫(3)も楽しいようだ。


 ただ、彼女は算数が好きなわけではなく、いろんな動物や食べ物が話に出てくることが大事なようで、

「3足す4は?」

 みたいなのじゃだめだ。大事なのはストーリー。

 そのうち、自分もそんなストーリーを作ってみたくなったらしい。

「今度は自分がやる」

 とばかりに、わたしに問題を出してきた。

「カエルさんが9いました。うさぎさんが3来ました。そこへまーちゃん(魔王様の仮のあだ名)がきて、わたくしも来ました」

 黙って聞くわたし。もちろん『わたくし』みたいな言い方はしない。エッセイ内での姫補正だ。

「その後、カエルさんとうさぎさんは、飴に変わりました。そしてまーちゃんがきて……」

「ちょっとストップ」

 魔王様が二人になってしまった。

「わたくしも2人来て……」

「……」

 確信犯らしい。

 増殖した姉妹は、飴に変わったカエルとうさぎを物色し始める。

「まーちゃんとわたくしは「どれがいいかなー」と言って、「これがいいよ」と言って、「でもこれは少ししかないから」と言って……」

 ……もはや、足し算でも引き算でもなくなっている。

 姫(3)はさらにシルバニアファミリーの家を持ち出して、

「うさぎのお父さんは、船に乗って……」

「あ、あの……姫」

「なんでしょう?」

「あ、いえ、何でもありません」

 何かご質問でも?……という、無垢な瞳に、何もいえない。

 結局、別の遊びが始まったのだろうと眺めていると、おもむろに姫(3)は言った。

「パンダさんは何個でしょう」

「パンダ一回も出てきてなーーーい!!!!」


……そんな漫才。(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。