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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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魔王様(♀)と姫(2)の、恐るべき?戦い

 ヤツラの話をする前に言っておくッ!

 魔王様(♀)ってのは長女で、姫(2)ってのは次女だ。2は2歳の2な?

 俺は今、ヤツラの戦いをほんのちょっぴりだが体験した。

 い、いや……体験したというよりは、まったく理解を越えていたのだが……

 あ、ありのまま、今、起こった事を話すぜ!

「俺が姫(2)を助けに行ったら、いつのまにか姫と敵対してた魔王様と力を合わせられ、退治させられた」


 な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった。

 催眠術とか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃぁ、断じてねぇ。

 もっと恐ろしいもの片鱗を味わったぜ……。



 俺はある時、姫(2)の悲鳴を聞いたんだ。悲鳴は泣き声となり、俺は確信したぜ。

「魔王様(♀)にまたいじめられてるんだ」ってな。

 俺はすぐに飛び出した。大した意味はねぇ。強きを挫き弱きを助ける。漢としては当たり前のことをしようとしたまでだ。

 姫(2)の捕らえられた部屋に踊り込んだ俺はすかさずいじめられてる姫(2)を抱え上げた。言葉は発さなかったが、心境はまったく

「大丈夫か! 俺が助けに来たぜッ!」

 といった勢いだ。

 これで姫(2)も理不尽な思いから開放された。そう思った瞬間!!

 ……姫(2)は、叫んだんだ。

「助けてーーーー!!!」

 ってな。

 俺が驚く間もなく、すかさず魔王様(♀)は持っていたしゃもじで俺を叩き、

「私が姫を助けるっっ!!」

 とか言い出した。俺の理解はとうに越えたが、とりあえず姫(2)を離したわけだ。まぁ、姫(2)は救われたのだから解決だろう。そう思った矢先だった。

 姫(2)が発した言葉が、今も頭から離れないんだ。

「わたしたちは悪者には負けないっっ!!」

 目は、俺のほうに向けられている。もしや……もしや悪者は俺なのかッ!?


 それからは彼女達二人の独壇場だったぜ……。

「悪者、ちょっと見てて」

 と、"悪者"を待たせてしゃもじ片手に長い変身は始めるわ、しゃもじでパカパカ殴りかかってくるわ……。

 しまいにゃ

「悪者。私が今からそこ通るからちょっと止まってて」

 戦い?の最中、俺の動きまで指定してくる始末。頭がどうにかなりそうだったぜ。

 だが俺は知っている。二人は最近なんとかかんとかプリキュア……みたいなのを見てることをッ!!

 だから悪者の俺は言ってみたんだ。

「今日で終わりだ! プリキュアぁぁ!!」

 ってな。ハズカシーとか言っちゃだめだ。そんなんじゃチチオヤは務まらないんだぜッ!?

 しかし次の瞬間。俺は姫(2)が叫んだ更なる事実に愕然となった。

「プリキュアじゃないよ。"やわらか姫"だよ!」

 誰だそれはーーーーーーー!!!!!!

「アンパーーーーーンチ!!!」

「やわらか姫がアンパンチかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 ……これが、幼児の戦いなんだ。

 作家としての俺の感性が如何に平凡か、思い知らされた恐ろしい出来事だったぜ……。

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