信長と矢久の野望
ここ数ヶ月、描いてるものが戦争物だったので、役に立つ部分もあるかと思い、『信長の野望』なるゲームに触れてみた。まぁ男の子なら歴代首相の名前よりもはるかに知名度の高いゲームかと思われる。
知らない人のために説明しておくと、日本に散らばった戦国大名(織田信長がいた頃)のどれかを選び、その大名に仕える家臣と共に国を育て、他国に攻め入り、日本をすべて自分の領土にするのが目的のゲームである。
矢久もやったことないわけではなかったが、そんなに詳しく触れたことはなかった。
とにかくやってみようと思い、主人公であろう『信長』は強すぎるだろうから、地方の知らない大名を選んで全国統一に乗り出してみたら、開始早々滅ぼされたというゲーム音痴。
あ、ちなみにPS4が矢久の家にあるのは、知り合いの結婚式でジャンケンとクイズゲームに勝ったからだ。
あんまり長い時間ゲームもやってられないので、天下統一など夢のまた夢なのだが、やってるうちに、なんだかすごい奴に出会った。
このゲーム。人の能力は100までの数値で表されている。例えば頭のよさだったり、統率力だったり、剣の実力だったり……。
4種類か6種類か……いくつかの項目が、その人間の価値を決めている。武田信玄とか上杉謙信とか、ワープロで書いても一発変換できるような有名人は
「コイツこのまま東大でも行くのか?」
ってくらい点数が高い。
そんな中、"すごい奴"は何がすごいって、4種類か6種類あるパロメーターのうち、すべてが落第点。
制作会社のどんな恨みを買うと、このような数値になるんだろうと思えるくらいの落第点。評価100点満点中、9とか6とか14とか……。登場人物平均が60くらいだから、ぶっちぎりで能力が低い。
ちなみに武田信玄みたいな有名人と張り合うと、彼のすべての能力を足しても、武田信玄の一つの能力の半分くらいというすさまじさ。
こ……これは、何故なのだ……。
たぶん、このゲームに出てくるのは実在のヒトだと思うのだが、まさかこのヒトにまつわるエピソードが、当時の巻物みたいな形で実在して、
「あぁ、アイツ? いやもうホント、バカでヘタレでよわっよわのウンコで御座候。ついでに足も臭いで御座候」
とか書いてあったのか。
でなければ、ゲーム会社の社長が、前世で彼に煮え湯を飲まされたとかじゃないと、とても理解できないほどの無能。無能も無能。もうねこまっしぐら。
これ、本人見たら怒るぞ。(笑)
……まぁ、ゲームに名前も出てこない一般の農民からすれば、数値をもらってるだけでも特別なのかもしれないが、戦国時代最弱武将として、数百年後の人々の多くが彼の名を記憶することになるのだとしたら、これはもはや「めーよきそん」ともいえる。
いや、決してゲーム会社に対する批判ではない。
そんな彼を見て、数百年後に生きてる矢久も苦笑いが止まらないわけだが、これ、ハタと思えるセツジツ?な問題があるじゃないか。
「数百年後、この令和の時代がゲームになるとして、自分の数値ってどうなるんだ?」
……思わずにはいられない。
「あぁ、矢久? あのバカでヘタレでよわっよわのウンコね。知力5、武力3(100段階中)くらいでよくね?」
数百年後の、俺のことをまったく知らない製作者たちに悪しざまに言われ、ゲームをプレイするいたいけな少年少女は、俺を見つけるたびに罵倒するのだ。
「うわっ、矢久が仕官してきたよ!!」
「だめだ。オレの今月の運尽きてるわ」
「由香里と喧嘩したからおかしいと思ったら矢久かよ!!!」
「はい、矢久ね? 切腹」
ヒドい……。
いくら数百年後でも、あまりに不名誉で泣けてくるじゃないか。(笑)
「それ以前に、お前なんかゲームのキャラに選ばれねーよ!!」
……いやいや、わからんぞ?
ぶっちぎりに無能な彼が、それでもこのゲームに選ばれたわけだから、誰が選ばれるかなど分かったものじゃない。それはアナタもだ!!
風評被害で数百年後に切腹させられないためにも、武力ぐらいは上げておくか。




