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19. 突然の訪問者

(わたくし)は、先程決めたように禁忌でもある力を人のために使うこととした。神が全てを見ているとするならば、(わたくし)は既に逆鱗に触れているのではと感じ、「手遅れなのですから、(わたくし)の好きにして困っている人たちを救ってしまいましょう!」と。

そう思いながらも中々に行動に移せないのが(わたくし)です。

「まず、何からし始めたらよいのでしょうか...」

宿の部屋でベットに顔を埋め、両足をばたつかせるという淑女らしくないことをしてしまっています。誰も見ていないから...とやってしまっていますが、もし見られていたら恥ずかしさのあまり顔から火が出てしまうかもしれません...!

そう思っていると、不意に部屋の戸がノックされた。

「お嬢ちゃん、ちょっと入っていいかい?」

宿のシェビルア様が部屋に入ってきた。

「よろしいですが、どうなされましたの?」

「いやぁ...」とすごく話し辛そうに話し始めた。

「お嬢ちゃんは、聖女様なんだろ。それで、男どもが「うちの畑もうちの畑も」って言って、最終的にほとんどやってもらってるじゃないか。それで、「隣国に急に畑の地質がよくなるなんてありえない!」と疑われているようで...元々はお嬢ちゃんはそこの国の聖女様だったんだろ?だから、もし国ごと動かして来たらお嬢ちゃんは帰ってしまうのかと思って...」

と言った。(わたくし)は元々パレント王国に長居するつもりもなく、クリネラ王国に戻る理由もありませんし...

「クリネラ王国のことですわよね?(わたくし)はクリネラ王国に戻るつもりは元々ありませんわ」

「だったら、うちに...!」

(わたくし)の目的は世界平和なのです。ですので、パレント王国にも居続けるつもりはありませんの」

(わたくし)がそう告げると、シェビルア様は悲しそうな顔をした。

(わたくし)だって、本当はどこかの国で永住したいとは思っていますわ。正直動き回り続けると、いろいろな場所に力を使うこととなるので、操作が少し難しいのです。ですが、クリネラ王国で婚約破棄された上に国外追放を言い渡されてしまっておりますので...目をつけられていると思うのです。ですから、私がいる国の人々に迷惑をかけてしまっているのでは...と。皆様は「ありがとう」「聖女様!!」などと言ってくださるのですが...(わたくし)はどこの国にも属しておりませんので、聖女として雇ってくださる...守ってくださる国があればよいのに...と思ってしまいます。

「お嬢ちゃんの難しそうにと考えていた顔を見てたらわかるよ。どうやって伝えりゃいいのかわからないもんな。まぁ、いいや。パレント王が「聖女様をこの国にとどまらせておけ~!」って言っていたんだが、流石に「世界平和が目的です!」と言われるとね、止めると他の国から反感を買ってしまいそうだ。王にも伝えておくよ。また用事があったら受付で声をかけてくれたらいいから」

と言って、部屋の扉を閉めようとした。王様とこのような話をするということは立場が...本当は宿で働いているのではなく、王様の側近として働いているのでは...?と少し気になってしまいました。しかし、そこまで掘り下げるようなことをしていますと、色々な国で情報を抜いているのではと思われてしまいそうです...!

「シェビルア様、待ってください...!(わたくし)をパレント王国の王に会わせていただきたいです...」

(わたくし)がそう告げると、シェビルア様はものすごく驚いたような表情をしました。

「お嬢ちゃん...それだと...」

「大丈夫ですわ、王命だとしても(わたくし)は既に国に歯向かったような聖女ですから、直ぐに欲求を飲むような聖女ではないと王様も知ってらっしゃるはずですわ!」

と根拠のないことを口走ってしまいました。言ってしまってから、「こんなので会わせてくださるかしら...」と思ったのですが、シェビルア様の方を見ると、「くくっ...くくく...」と笑っていました。その表情がとても子供のように見えて目を奪われてしまいました。

「お嬢ちゃん、どうしたの?」

とシェビルア様に言われ、(わたくし)が無意識のうちにシェビルア様の顔を見続けていたことに気づいた。

「え、いえ?何もございませんわ...?」

「くくくくっ...」

「笑わないでください!」

と私が言うと、シェビルア様は無表情になりました。無表情でも...(わたくし)は一体何を考えているのでしょうか...話を戻さなくては...

「ところで、お嬢ちゃん、名前を訊いてもいい?」

「イヴィツァ=ソフィアと申します」

「私は前にも言ったけど、シェビルアだ。ずっとお嬢ちゃんって呼び続けるのは失礼だと思ったからね。私のことはシェビルアは言いにくいだろうから今更だけどシェルでいいよ」

と言ってくださいました。実はシェビルア様の名前は噛みそうになっていたのでありがたい申し出です。

「お言葉に甘えさせていただき、シェル様とお呼びさせていただきます」

「...シェルでいいのに」

「シェルって貝ですわよね、すごく可愛いです。シェル様にぴったりですわね」

(わたくし)が言うと、

「くくくっ...」

「...~っ!?笑わないでください!!」

とシェビルア様は最後まで(わたくし)のことを笑ってばっかりだったのでした。

お久しぶりです。

最初から見てくださってる方はほとんどもういないと存じます(笑)

パソコンを買い替えてからやっと投稿することにしました(前のデータは間違えて全部消しました)。

最初の方面から大きく変わりそうな第19話です。

小説は毎日コツコツ書かないと設定とか(メタいが)忘れるんだなぁとしみじみと...

流石に今度は...といかず、仕事がまた一段落したらソフィアちゃんの方にきたいです。

近日中に新しく、新作短編小説(8000~10000を予定)「何故「彼女」が死んだのに」を投稿予定です。中々最初は伸びにくいので、良ければ読んでくだされば光栄です。

不定期投稿なので、いつ投稿するかはわかりませんが、これからもよろしくお願いいたします...!!

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