私、橘楓。 vol.081. 接戦…、苦戦…。
「へぇ~中々やるもんだ女子。」
唇に人差し指を付けながら2階の席で観ている男子バスケ副キャプテンの中居。
「まっ、これで2回戦もうちだな。彼女…何てったっけ…、確か…橘…???」
そう言う沖田に、大輔。
「楓ですキャップ。同じクラスだから…。」
「そうか、そうか…大輔のクラスか…。リーチあるねぇ。女にしては…。う~ん。どう思う…真唯子~~???」
「ふ~ん、いいセン…してるね、コウちゃんのご明察通り。」
右手を頬に当てながら真唯子。
「コウ…ちゃん…???」
と、小さな声で大輔…。
「ふん。沖田公則。名前がおおやけの公で、音読みすりゃ…ね。」
小さくぼそっと言う久保田。
「でも…シッ。このふたり…家……、隣同士だ。しかも…従兄妹同士。」
「えっ…、え~~???」
「あ~ん、何か言ったか~ヤス~???」
「うん~にゃ。」
大輔…、
「…って…、まじかよ…。」
ゲーム終了、自然に陣内の傍で両手を叩いて勝利に拍手を贈る相磯。
にこにこと陣内を見ながら…。
それに照れながら頻りに頭の後ろを掻く陣内。
東京都高等学校バスケットボール高体連。
AブロックからDブロック。それぞれが40校ほど。それぞれがトーナメントである。
2回戦を無難に乗り切り、3回戦を何とか物にした桃李女子バスケではあったが、
勢いもそこまで。
4回戦を接戦ながらも前回も苦戦した強豪、海南大附属高校に、
後半のメンバーチェンジでペースを崩される桃李。
「うそでしょ、こんな子…、前…海南とやった時…いたっけ…???」
マークしてもマークし切れない朱実。
「何なのよ、このボールさばき…。今までの海南と違う。」
絶妙なボールさばきに翻弄される楓。
「ここまでか…。」
静かに息を吐くように呟く陣内。
そして…ゲームセットに桃李女子、
「あ~ぁ。」




