悪魔の王の願い
悪魔の王の元に着くと、悪魔の王と側近が土下座した。
「これいって、頼みがある」
ラーノット達は、顔を見合わせる。
「この星に、ブラックホールが近づいている。力を貸して欲しい」必死の形相だ。
「占い師から連絡がなかったけど」
とラーノットが言う。
「まだ遠いが、確実にこちらに来ている。ブラックホールにのみこまれたら、もう出られない。貴方達の力が必要だ」と悪魔の王ゴブが言った。
「それなら、戦わなくても」とルミナリーが怒る。
「その方が手っ取り早いと思ったんだ。占い師にも分からない程だからな」
「私達を牛耳りたかったでしょ」
とラーノットが見透かす。
「それは、そうだが」負けを認める悪魔の王。「だが、悪魔達だけでは、星を動かす事ができない。占い師が気づいた時には遅い。私は昔から星を読んでいる。今しかない」
「騎士団の力だけで足りるかどうか」
頭をかかえるアルヴァ。
「そちらには、アルトという魔法使いがいるだろう。力を貸してもらえ。そうすれば、魔術師の街の人々も魔法を使えるだろう。それから、地球という星からやってきた魔術師に頼め。共同戦線しよう」と悪魔の王。
「それって本当の話なんですね」とラーノットが尋ねる。
「はい」と側近の悪魔。
「では、私達も作戦に加参しますわ」
とルミナリーが言った。
「ありがとう」と悪魔の王。「私が望むのは、この星の未来だけだ。悪魔達の元に戻ったら、また来る。それまでに頼む」
そう言って立ち去る悪魔の王。
残ったアルヴァ、ラーノット、ルミナリー、スペースはすぐに作戦会議にうつった。
「悪魔の王が言っていた事が本当だとすると、早急に動いた方がいいな。僕は、アルトに協力してもらう」
とアルヴァ。
「私は、地球の戦士に頼むわ。ルベルがいた筈よ」
とラーノット。
「私は、占い師に確認してみます」
とスペース。
「じゃあ、魔術師の街に行ってくることにするわ」
とルミナリー。
アルヴァは、見張り台に向い、ルミナリーはスペースと共に魔術師の街に行き、ラーノットは、ルベルに連絡をとるべく、魔法の扉へと向かった。
動物の絵が描かれた魔法の扉には、すぐに着いた。
扉を開くと、眩しさに目がくらんだ。
「こんにちは」
それは、銀髪、緑の目のミリーの言葉だった。
「ミリー、地球の戦士の力がいるの。連絡をとってくれない」とラーノットが頼んだ。
「分かりました。すぐに手配しましょう」
ミリーは、答えて、ラーノットを家に入れた。
家に入るラーノット。
ミリーが黒い受話器を取って、連絡をとるのを見ながら、ラーノットは、星の安泰を願った。