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或る騎士の物語  作者: アリス
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地球の魔術師達

ミリーが連絡すると、すぐにルベルは、地球の戦士たちを連れて来た。海堂蓮華かいどうれんげ伊佐木菫いさぎすみれ、山田奈緒、中田洋、空井百合子と浦井山吹うらいやまぶき鈴桐りんどう。前に一緒に戦った面々だ。だが、こうじ月美と月山花実がいない。

「月美と花実は、地球とこの星を繋げる魔法に携わっています。里山科学と薔薇は、地球から応援してくれるそうです」

ルベルが言った。

「そう」とラーノット。

「あの、私達は、今回何をすればいいでしょうか?」

すっかり大人になった山吹が聞く。

「アルヴァが来るまで、ちょっと待って。アルトを連れて来る筈だから」とラーノットが言った。

「アルトさん達が来るまで魔術の勉強をしましょう」とミリー。「確か山吹さんが持ってましたね」

「はい」と山吹が言って、魔術書を取り出した。「どの項目がいいですか?」

「物質を動かす方法」とルベルが言った。

「えーと、物質を動かす方法っと」

山吹が、目次を見て、ページを繰る。

「あった、あった」

皆が除き込む。

そこには、方法とスペルが書かれていた。

「星を動かすには、多くの魔術師の力が必要なのね」とラーノット。「練習しましょうか」

「そうですね」と蓮華。

そういうわけで、スプーンを動かす事になった。

じゃんけんをして、鈴桐が勝ったので、一番手は鈴桐だ。

魔術書のスペルを唱え、「スプーンよ、動かせよ」と言ったが、スプーンが折れ曲がっただけである。

「本にしますか」とミリー。

二番手は、奈緒。

再びスペルを唱え、「本よ、動かせよ」と言ったが、びくともしない。

「これ、難しいですよ」

ニ、三回やって、奈緒が、音を上げた。

「次は私の番ね」

とラーノットがスペルを唱えると、本は、拾cmほど動いた。

「すごい」皆が歓声を上げる。

「アルヴァから、魔法の勉強を教えてもらって、本当に良かったわ」とラーノット。

次は山吹の番だ。ラーノットには、及ばないものの、本は、五cm動いた。

「やったね」と洋が言った。「次は私の番」

洋も少しも動かせなかった。

「難しいなぁ」

「少しコツがいるのよ」とラーノット。「本をしっかり見て強く願うの」

「分かりました」

次は菫の番である。

菫がスペルを唱えると、本はふわりと浮いて、机から落ちた。三十cmは動いている。

「上手い」と言ったルベルは、本を机に戻した。

そして、ミリーと百合子も五cm動かせた。

何回かやる内に皆動かせるようになる。

「ただいま」

アルヴァが帰ってきた。アルトを連れて。

「無事に帰って来てくれて、良かったわ」とラーノット。「今、物を動かす練習をしてたの。皆出来るようになったわ」

「そうか、それはよかった」とアルヴァが喜んだ。「後は、ルミナリーとスペースが占い師を連れて帰ってくるのを待つだけだ」

「そうね、早く来てくれるといいけど」とラーノットが窓を見た。その視線の先に、ルミナリー、スペース、占い師アステールが見えた。

「帰って来たわ」

ドアを叩く音がして、ミリーが扉を開けると、ルミナリー達だった。

「おかえり」とアルヴァ。「少し一休みしたら、城塞に行こう」

「じゃあ、お夕飯作りますね」とミリーが奥に引っ込む。ラーノットとルミナリーも後に続く。

しばらくして、夕食が出来あがった。ビシソワーズスープ、ミートパイ、マセドアンサラダ、焼き林檎を3人で持ってきた。

こうして、晩餐が始まった。



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