欠片68.『4人の冒険者ー①』
欠片68.『4人の冒険者ー①』です!
※ハイライト
髪の部分的に色を抜き、明るい色に染めること
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調
ー1本=幕間、過去
ー2本=時の流れ
ジクの手を見て、何かに気づいたフロデューテ。
木箱の中から物を探しているジクに、再び声をかけた。
カザサ…ガラガラ…
ゴソッ…
『ねぇ、ジクさんって…』
『アナタも"魔屑道具師"だったの?』
ガサゴソッ…
『…うふふ。もうかなり昔のことさね。』
『いまじゃあ…ただのおばさんだよ。』
《見ただけでわかる。この人…凄腕の魔屑道具師だ。》
《手のひらにあるタコ…何度も部品を組み立ててきた証。》
《相当な数をこなさないと…普通は出来ないわ。》
『……』
『おばあちゃんは『念話』の魔屑道具を作れるの?』
『むかしゃ…作ったこともあったかねぇ…。』
ガサガサ…ゴソッ…。
『おぉ〜…あった。これじゃ。』
と、ジクは箱の中から、魔屑石を取り出した。
『えっ…?これって!!』
『ふふっ…お嬢ちゃんが探してた』
『『念話』の魔力が込められた…魔屑石さね。』
『…ゴクッ…。』
『……ねぇ、おばあちゃん!』
『…んー?』
『アタシを弟子にして!!』
『『念話』の魔屑道具の作り方を教えてほしいの!!!』
ジクは、その姿に『…ほぉわぁっ』と驚きつつも、真剣な眼差しをしたフロデューテを、見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【サーチサイド】
「とりあえず、近場の森に来てみたけど」
「実戦にちょうど良い機屑物いないかな〜」
ドォォン……
「ん?何だこの音」
と、遠くから音が聞こえてきた。
サーチはその音がする方へ進んで行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「この辺りだったよな?」
と、木々の間から見える開けた場所に、1匹の機屑物と4人の冒険者の姿が見えた。
「デケェ…「サソリ」って生物に似てるな」
ガキィインッ!!
と、剣が弾かれる音が聞こえる。
冒険者の1人、ヒト族の少年が攻撃しているのが見えた。
(あの鎧みたいな銀色の装甲…)
(かなり硬そうだな)
(けど…)
「よし!」
「苦戦してるみたいだし、助けに行くか!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『大丈夫かにゃ!!ヒイロー!』
※
と、黒い髪に、毛先がオレンジ色のハイライトがはいった猫耳の少女が言った。
「ああ!ボクは平気さ!」
「それよりもコイツの体…硬い!」
「剣が弾かれる…!!」
「どうしたらいいんだ…」
と、金髪に透き通った水色の瞳をした少年は、距離をとって答えた。続けて、彼は後方にいる魔法使いに声をかけた。
「マジコー!」
「後どのくらいかかりそうかな?」
ブゥゥゥン…
と、"ブツブツ"と言葉を唱えている少女の髪は"フワフワ"と揺らいでおり、紫色の髪に水色のインナーカラーがいくつか入っていた。
紫のシャツの上に茶色いコートを羽織り、青に近い紺色のロングスカートをはいていた。
そのタレ目をした少女が構えている杖の周りには、魔法陣が出ていた。
「ん〜、あとちょっと待ってて〜」
「そしたらデカいの行けそう」
「分かった!それまで時間を稼ぐ!」
金髪の少年は、刃渡が長い剣を構えた。
『『筋力増強』』
フィィィン。
と、金髪の少年の体が、赤く光だす。
『さらに、『脚力強化』』
フィィィン。
今度は、少年の体が青く光だした。
「ありがとう!モンク!!」
『いえ、後で『蜂蜜酒』を奢ってくださいね。』
と笑顔で話すエルフは、『強化魔法』を少年にかけていた。
その青年のように見える人物は、薄い金髪で黄緑の瞳をしており、全身を包むように金色の縁をした白いローブを着ていた。
「ヒイロ!援護するにゃ!!」
ヒイロと呼ばれる金髪の少年の元へ、露出度が高めの全身黒っぽい服装に、黒いコートを羽織った猫耳の少女が隣に並び、短刀を逆手で構えた。
「ニザリー!!」
「ありがとう!キミはヤツのスキを作ってくれ!」
「そのスキに、ボクが一撃いれる!!」
「頼めるかい?」
『分かったにゃ!!』
ザッ…!!
と、4人の目の前に構える、大きなサソリの形をした…機屑物は、尻尾を上にあげ、大きなハサミを"ガチガチッ"と鳴らしていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
感想やブックマークなどしていただけると、今後の励みにもなりますので、応援よろしくお願いいたします!
[今回の一言♩]
ファンタジーですからね!世界観の謎は、まだまだ先にとっておきますよ!今後もお楽しみに♩




