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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
46/260

欠片44.『フロデューテ』

欠片(ピース)44.『フロデューテ』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ


『まずは自己紹介ね。』


『アタシの名前は、『フロデューテ』。彷宵徨要塞(イブニングフォートレス) 出身の鬼人(オーガ)だよ。』


[フロデューテ(20)]

[種族:鬼人(オーガ)



『つい先日まで、この先の山を超えた所にある』

白骨屍屑山(コープスベッジマウンテン)である任務をしていたんだ。』



「ある任務?なんでそんなところで?」

「その山に何があったの?」


と、サーチはフロデューテに質問した。



『おねぇ…姉からの命令で、屍人(グール)の調査をしていたの』



「グール…?なんだそれ?」



『ゾンビみたいなものだよ、サーチくん』

『死体が動いてるって思ってくれたらいいかな』



「え!?実際にいたの!!?」

「てっきり、ユリニトの嘘かと思ってたのに…」



『サーチくん〜。ボクは噂を聞いた、としか言ってないよ〜?』



「あっ…すまん!ヘヘッ」



『ゴホンッ…話を続けてもいいかな?』



「ごめん、ごめん!」



『それでね、あるツテからの情報を耳にしたの。』

『その情報をもとに、アタシの姉が調査に乗り出したんだ。』



間がいいところでユリニトがフロデューテに質問した。



『その〜さっきから話してるお姉さんって誰のことなんだい〜?』


《まあ…だいたい察しはついてるんだけどね〜♩》




『えっと、それは…』

八天星(はちてんせい)の一人… 『ウェスト・ヴィーナス』だよ』




「!!!」



「八天星のひとりが姉ェェェェ!!?」


「それに、ヴィーナスってたしか…」



➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『なんてったってここは、あのヴィーナス様の領域内だからなー!』



「ヴィーナス? あの、八天星(はちてんせいの)?」



『ああ!そうさ!大要塞『彷宵徨要塞(イブニングフォートレス)』に住む女神!!』

『ウェスト・ヴィーナス様だ!!』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖



「あの時の…!!」

「ここを縄張りにしてるってヤツか!!」



サーチが驚く中、ユリニトは密かに笑い、アストラは無言で聞いていた。


「……。」



『そうよ!ここの獣人や他の種族のヤツもそうだけど』

『みんな姉のことを好いてるの!!』


『だから、このことを知った姉は、黙ってないハズだわ!!』



「一つ聞きたい」



『?』

『なに?』


                ・・・・

「オマエの姉……ヴィーナスはどう見ている?」



『な、何のこと?』

『アタシはただ、屍人(グール)の調査しか聞いてないわよ』



「そうか。」



少しだけ考え込むアストラだったが、すかさずサーチがフロディーテに話の続きをした。



「それで!それで!結局、屍人(グール)はいたの?」



『ええ、あれは…白骨屍屑山(コープスベッジマウンテン)を訪れてすぐのことだった。』



➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『な、なによこれッ…!!』

『街が破壊されてる!しかも住民が…』


『アレはッ…!!』



かろうじて、反応がある負傷者を見つけたフロデューテは、そばに駆け寄った。



『まだ生きてる!』

『ねぇ!!アンタ!大丈夫!?』


『しっかりして!ここで何があったの?』




「…うっ……ふたり…組…の…女が……」

「…あ……バ…ケ……ノ…」


ガクッと首が倒れると、彼からはもう言葉は聞こえてこなかった。



『クソッ…』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖



『そうしてアタシは、そのまま街の中を調査してたんだけど…』



『ほんとうにひどい有り様だった。ほとんどの住民の体は、体の一部が獣攻型(じゅうこうがた)機屑物(ガーベマジル)に喰われたときみたいに、無くなってた。』



「何かが喰ったってことか…」



『たぶんね。』

『白い建物も、街中赤く染まってたの。』



「うっ……。」


あまりの残酷さに、サーチは吐き気をもよおした。




『その後もアタシは、何か手がかりがないか探して歩いている時だった。』



➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「アレ〜?まだこんなとこにヒトがいたァ〜♩」


八天星(はちてんせい) 水星メリウスからの刺客[レイ]

              [種族:??屍人(グール)



「キャハッ!!見たことない種類だネーー!!」


八天星(はちてんせい) 水星メリウスからの刺客[リプ]

              [種族:??屍人(グール)



『アンタ達だれだ!!』

『アンタ達が街をこうしたの?』



「ンーー?だったらナニーーー??キャハッ!!」



「ナニナニ〜?アナタも食べたかったの〜?」



そう話した2人の少女の口元は、赤く染まっていた。



《なに…コイツら…》

《雰囲気もヒトとは違う……それに目が…》



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖



『目の奥に…ものすごい暗闇を感じてね…。』



フロデューテは小刻みに震えていた。



『ヒトではないナニカ……おぞましい感じ。』



「…ゴクッ。」


3人とも黙って話を聞いている。



『その後の記憶はあまりなくて……気がついた時には片方の角が無くなってた。』

『そしてアタシは逃げ出した。』



『このことを姉が知ったら、ガッカリされるだろうね。ハハッ…誇り高い鬼人(オーガ)族なのに。』



(うつむ)くフロデューテに、サーチは声をかけた。



「そんなことねぇよ」

「アンタは生きてる!」



「死んだらなんも残らないんだ。」



「だから…生きてるなら勝ちだ!!ヘヘッ!!」


「お姉さんも、アンタが生きてて喜ぶと思うぞ!」



『フフッ…そうだといいな』


その言葉に元気をもらったように、フロデューテは微笑んだ。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!



[今回の一言♩]

漫画家や小説家の人たちって本当に尊敬する。マジですごい。

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