欠片37.『岩囲水要塞』
欠片37.『岩囲水要塞』です!
【大河の滝から南東6km】
(進行1663km 残り1067km)
【岩囲水要塞】
その要塞は小規模要塞にしては、規模は大きめであり、湖の中にある街の要塞である。
さらにその湖を囲い、包み込むように大きな岩が花びらのように咲き広がっている。
そのため、通行できる道が限られており、外からの機屑物の進行を防ぎやすい要塞となっている。
夕暮れ前、3人は大きな桟橋を渡り、門兵がいる所へとやってきていた。
「何用だ?」
『旅をしている商人とその護衛なんですが〜、中に入れて頂けませんか?』
ユリニトがそう言うと、"ニコッ"っと門兵に笑顔を見せた。
「それは大変だったろう!」
「入っていいぞ!」
『ありがとうございます〜♩』
「ありがとう!」
「感謝する」
と、各々がお礼をし、街へと入っていった。
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門を通り過ぎると、サーチが小声で話しかけてきた。
「なんかさ、ここの門兵ゆるくなかった?」
「鉄屑要塞のときは厳しかったような」
『そうかい?』
『まあ、ここはあまり機屑物が入ってこれないからね〜。普段から警戒心が低めなんじゃないかな?』
「ふ〜ん、いざって時大変なことになりそうだな〜」
『それってフラグかな……?』
「フラグ?なにそれ?」
『あ、いやなんでもないよ〜ハハハッ〜♩』
門を過ぎた目の前には、まっしろの壁でできた建物が多くあり、青空の景色も相待って、とても美しい光景が広がっていた。
「うわぁぁぁ〜〜!!スゲェ〜〜!!」
「こんなキレイな街初めてだ!」
「それに人々が、自由に外で生活してるぞ!」
「もし、機屑物が現れたらどうするんだろ?」
サーチの疑問にユリニトが答える。
『ここは比較的、冒険者が多い街だからなんとかなるんじゃないかな〜?』
「そうなのか?冒険者はみんな強いの?」
・
『う〜ん……。冒険者っていってもね、王国の九天星みたいな聖騎士ほどの強さを持った人はいないよ〜』
・・
「ん?…くてんせいって?今の聖騎士は八人だろ?」
『あっ……。えーっと……』
"チラッ"とアストラの方を見るユリニトは、特に何も感じなかったため話を続けた。
『今代の天星も、元々は"九人"だったんだよ。』
『……理由は分からないけど、今はもう一人辞めちゃったんだ』
再び横目でアストラを見るが、アストラは特に反応しなかった。
「そうか、辞めちゃったのか……。」
「今も生きてるのかな」
アストラは少しだけ俯き、無言のまま話を聞いている。
「でもさ、世界に名を馳せるようなヤツが、そんなゴロゴロいたらさ」
「とっくに機屑物から、この世界を取り戻してるよな!」
『確かに………そうかもしれないね〜』
少しだけ沈黙した雰囲気の中、サーチが喋り始めた。
「よし!」
「とりあえず、『聖屑札』を買って、先に進むとしますか!!」
『そうだね!』
『なら、ボクは馬を一旦預けて、買い物にでも行こうかな♩』
『サーチくんとアストラさんはどうするの?』
「ワタシは情報収集をする。」
「オレは『聖屑札』を探そうかな!」
『みんなバラバラ行動だね!じゃあ、二時間後に宿屋で集合しようか!』
『宿の場所は"ココ"だよ!前に商売で来たことがあるからね、ボクが話をつけておくよ〜♩』
と、2人に簡略化した地図を渡す。
「分かった!じゃあ、また後でなー!」
『うん♩』「ああ」
そうして3人は、各自行動を開始するのであった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
─裏メモ。─
発光苔の由来。
蛍光 ルミネセント
苔 モス




