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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
38/259

欠片36.『滝』


欠片(ピース)36.『滝』です!



機竜翼獣(ワイバーン)を持ち帰ってきたアストラたちを見て、ユリニトは大喜びしていた。



『うっは〜〜!!凄いですよ!これぇ〜!!』

一攫(いっかく)千金狙えるんじゃないですか?アハハハッ♩』


『この銀色に輝くツヤツヤのウロコっ♩ハァ〜……素晴らしいっ〜!!』


機竜翼獣(ワイバーン)の鱗に張り付いて、(ほほ)(こす)りつけるユリニトを見て、サーチはドン引きしていた。



「……なんか、オレが破片(ウェ)武器(ード)を造るときみたいだな。気持ち悪い……。」


その言葉を聞いてアストラは、冷たい視線を送りながら密かに思う。


(自覚はあったのか)



「ま、まあ!これで路銀(シリカ)にも困らないし、聖屑札(サンクチュアリ)も買えるよな!」



─────────────────────────



機竜翼獣(ワイバーン)との戦闘跡地から南東42km】

(進行1654km 残り1076km)



3人の行手に、河岸までの幅が150mはある大きな川が現れた。


『困りましたねぇ〜……。迂回(うかい)するしかなさそうですかね。』



3人は川に沿って下流まで歩いていくこと3km、そこは行き止まりの崖になっていた。



"ドゴゴゴゴゴッ───"!!!



聞こえてくる物凄い轟音(ごうおん)に、サーチはテンションが上がっていた。


「うほぁぁぁあ〜〜!!デッカい滝だー!!」

「滝ってやつだよなこれ?おやっさんが言ってたんだ!」


と、サーチはツベチカとの思い出を思い出していた。



➖───────────────────────



『サーチぃ、この世界にゃあ〜大量の水が永遠に流れ続ける川ってもんがあるんだ』


「川?」

「水が永遠に流れるってどうなってんだ!?」



『そ……それはオレにも分かんねぇけどよ』


『まあ、その川の水がよぅ、いきなり見えなくなる場所があんだよ』

『そこは崖になっててな、その崖から大量の水が落ちる光景を見られんだぜ!!』



「え〜ほんとかよ〜?」


と、怪しい目で見るサーチにツベチカは言う。



『ああ!それは"滝"って呼ばれてる!』

『その景色はきっと、一生忘れらんねぇぞ、ガッハッハー!!』



「なら、いつか冒険した時に見てくるよ!」


────────────────────────➖



ユリニトが辺りを見渡し、崖から下に続く道を見つけた。


『あそこから下に降りられそうですね〜♩』

『馬車も行けそうですし、緩やかな道でよかった〜♩』


その道は、左右に緩やかな傾斜の道になっており、滝の中に道が作られていた。



「スッゲェ〜〜!!目の前に水のカーテンが出来てる!!」

「これ、触ったらどうなるのかな?」


「勢いスゲーから痛かったりするのか?」



『アッハハ〜!ほんっとうにサーチくんは面白いなぁ〜♩』


「オレにとっては、初めて見るもんばっかだからさ!ワクワクするんだよ!」



しばらく歩みを進めると、サーチがユリニトに質問した。


「それよりさ、ちょっと気になったんだけど」

鉄蹄白装甲(ホワイトフーフ)は、水を怖がったりしないの?」


『ああ〜、彼らはいつも温厚(おんこう)でね。』

『生物からの危険は察知することはあるけど、自然的要因で(おび)えたりはしないんだよ〜♩』



『だから、こうやって荷馬車の馬として使われるんだ♩』


「へぇ〜!オマエら賢いんだな!」


『ヒヒィン!!』

『ブルルッ!!』


と、返事をした鉄蹄白装甲(ホワイトフーフ)たちを撫でるサーチだった。



「よーし!よーし!!」



─────────────────────────

─────────────────────────



高さ68mの崖に流れる『大河(たいが)の滝』

その壁面に沿()うようにある、緩やかな螺旋状(らせんじょう)の道を降りて来た3人は、絶景を眺めていた。


水際(みずぎわ)の岩の上に立ち、叫ぶサーチと鉄蹄白装甲(ホワイトフーフ)に水を飲ませているユリニト。そして、木の下に腰をかけ、片膝の上に手を乗せ、静かに滝を眺めるアストラがいた。



「スゲェ!!滝って……こんなに綺麗なのか!!!」


「おやっさぁぁん!!オレ……滝を見れたぞぉぉー!!!」



『キレイですねぇ〜♩』



「たまには悪くないな」


そう言うと、アストラは小さく微笑んだ。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の由来


粗金 ラフマニー

蜘蛛 スパイダー


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