欠片35.『世話が焼ける弟子』
欠片35.『世話が焼ける弟子』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
3人の前で機竜翼獣が咆哮した瞬間。
アストラが機竜翼獣の顔までジャンプし、蹴り飛ばした。
"バッ"!!
"バキィッ"!!
ズガガガガガッ───………!!
周辺の木々が折れ、機竜翼獣が吹き飛ばされた。
「今のうちに馬車を安全な所に連れていけ」
「サーチ、オマエはワタシの援護だ」
「おっす!」
馬車を避難させようとしていたユリニトは、思い出したかのように言葉をかけた。
『あ!!そうそう〜〜!ワイバーンの素材は綺麗に残してね〜!かなり貴重な物だから高値で売れるよ〜〜♩』
─────────────────────────
ザッ! ザッザッ!!
素早く機竜翼獣の周りを走り回り、注意を引くアストラ。
『グルルル……!!』
機竜翼獣が唸る中、サーチは草影から機竜翼獣の動きを観察していた。
そして、アストラの動きによって、気を散らされた機竜翼獣の首元に『破片ノ銃剣・屑』の剣先を発射させた。
"パシュッ───!!グサッ!
『ギャウゥ』
"ピンッ"!!
限界まで張り切ったワイヤーを一気に引く。
機竜翼獣の首元まで一瞬で近寄ったサーチは、その勢いのまま、ワイヤーを首に回し、ワイヤーを抜く。
そして、その反動で上に飛んだサーチは頭めがけて発砲した。
「いっけぇぇー!!!」
"ガチャリッ"! "パパァァァン"!!!
(倒した!!)
サーチが勝利を確信したその瞬間。
機竜翼獣は上を向き、口を開けた。
"コォォォォォ……"!!
機竜翼獣の口の中で、オレンジ色の光が発光する。
「はっ!?」
『ガァァァァァア!!!!!』
機竜翼獣の口から膨大な炎が吐き出され、サーチが放った弾丸は溶けてなくなってしまった。
(マジかよ…)
(あの高硬度の弾を!?)
(なんて火力してんだよ!!)
「ッ!!てかヤバい!!この体勢…」
「後先考えてなかったァァァァア〜〜!!!」
ビュッ!!ガバッ!!
「まったく、世話が焼ける弟子だ」
「援護しろと言ったのに」
と、アストラはサーチを抱き抱えると、木の上へと移った。
「……お姫様だっこぉぉぉぉ!!?」
「恥ずかしいッ…//」
「黙れ、落とすぞ。」
「ハイッ…すみません…」
「あまり傷つけるなと言われているからな」
「さっさと終わらせる」
──ストッ。とアストラは木の上から降り、サーチも後に続いた。
そして、『龍屑・孔』を構え、時目を力強く足を踏み締めた。
カチャ。
"ジリ"………"ググッグッ"…
「『針』」
"ビュッ!!──ゥゥゥゥゥ〜……
(風?あれ…?師匠の姿が……いつの間に)
「終わったぞ」
その言葉と同時に、機竜翼獣の首元には小さな孔が空き、血を流しながら倒れ始めていた。
『ギャウゥッ〜……』
ドサッ…。
(また見えなかった…地面を踏み込む音が聞こえた瞬間にはもう、師匠の姿は見えなかった。)
(目で"追える時"と"追えない時"がある…違いはなんなんだ?)
「う、うん」
「どうした?素材を集めて戻るぞ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
もう少し後の欠片で、展開が進みますのでお楽しみに♩




