↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/80

アーティファクト

あとがきに大切なお知らせがあります!

ぜひ最後までご覧になってください!


 無事テファンに大量のアーティファクトに関する情報を集めさせる約束を取り付けてきた俺は、ほくほく顔で王都の近くにある林の中に隠れている蔦だらけの空き家へと向かうことにした。


「実に都合がいいことに、ここに変装用のアーティファクトがあったりするんだよな」


 空き家に入り右から五番目、左から三十二番目のタイル材をひっくり返せばあら不思議、隠されていた宝箱が出現するわけだ。


 中身を確認すれば、問題なく無事だった。

 この人相を変えることができる『変幻の巻物』があれば、髪色だけではなく年齢から性別に至るまであらゆる見た目を自分が思うままに変えることができる。


 本当ならとある幽霊屋敷へ行ってから怨霊の恨みを晴らし、成仏と共にヒントを教わってここにやってくる必要があるんだが……ええい、必要な時に取ってしまえば良かろうなのだぁ!


 全部が終わったら『魔の桎梏』使ってぶん殴って成仏させてやらぁ!(力業)


 お試しで使ってみると、ぼふんと煙が現れた後に俺の身体が変化する。


 わずかに視線が下がり、本来そこにあったはずのものがなくなったことでものすごい違和感を感じる。

 うずうずしながら水場に行き、自分の姿を確かめてみると……。


「すげぇ……マジで女になってる……」


 黒の髪が長く伸びたストレートヘアーに、そして本来であればムキムキの肉体は骨格ストレートの長身に。


 そして何より胸と尻がボンッと出て、下半身についていたはずのマイビッグサンが綺麗さっぱりと消えていた。


 そこにいるのは、どこからどう見ても女だった。

 割と綺麗な感じの、リアルアマゾネスみたいな感じの女性だ。


 すごいな、リアルお色気の術じゃないか。

 さすがに落ち着かないので元の姿に戻ってから、そのまま王都へと戻る。


 使用感を試すために、何度か変身をしてああでもないこうでもないとしているうちにあっという間に王都へ到着してしまった。


 事前に示し合わせていた宿へ向かうと、そこには、目をきらきらとさせながらお上りさん丸出しで王都観光を楽しんでいるグレン達の姿があった。


 二人とも髪色を変えてちょっとイメチェンをしており、一見すると誰だかわからない。

 グレンの後ろには大量の買い物袋が並んでおり、ナージャはその両手に食べ物の刺さった串を持っていた。

 右手に肉串、左手に果実串、攻防一体の構えか……やるねぇ。


「ほれグレン、これを使うといい」


「これは……?」


「見た目を変えるアーティファクトだ」


「……アーティファクト(ごくり)」


 古代に作られたという現代では作成不可能な魔道具、アーティファクト。


 ゲーム終盤になるとわりとポコポコと使われるようになるアイテムだが、これは本来であればそうポンポン出てくるようなものではない。

 当然グレンが見るのも初めてだろう。


「魔力を流しながら姿を思い描けば、その通りに変身できるぞ」


「変身……どんな姿になればいいと思いますか?」


 あの白ゴリラとの一件以降妙に俺に対する態度がやわらかくなったグレンが、殊勝に質問をしてくる。

 どんな姿、か……実際俺もそれはちょっと悩んでたんだよな。


「さっき道中何度か試してみたんだが、この変装は多分全力で戦闘をすると解ける。だが今後なるべくならグレンには普段の生活をしている間は変装を続けてほしい。だからできることなら身体の筋肉の付き方なんかは今と一緒で、顔とか全体的なふいんきだけ変える形がいいだろうな」


「なるほど……それならバレないよう顔だけ変えるのが無難ですかね。あと師匠、雰囲気です」


「え、ふいんきだろ?」


 そこで明かされる衝撃の事実……雰囲気はふんいきと読むらしい。

 また一つ、賢くなってしまった……世界全てをこの叡智で解き明かすのは、そう遠い話ではないかもしれないな……。


「それじゃあ、行きますッ!」


 俺が賢者モードに入りこの世界とは空虚なものだという悟りを開いていると、グレンの身体が輝き出す。


 そして全てが収まった時……そこには真面目そうなグレンと比べるとちょっとワイルドな感じの少年の姿があった。


「ふうん、いいんじゃねぇの」


 見た目がちょっと育ち悪そうだから、真面目くさった感じのグレンの性格だと違和感をもたれるかもしれないがな。

 あれ、ていうかなんかちょっと顔の系統が俺に似てないか?


「師匠は僕の憧れなので、少し師匠に寄せてみました!」


「お、おぅ……」


 素直に敬意を向けられると、なんというかその……照れる。


 ミリアもそうだがこの世界の人間は気持ちを伝える時にわりと直球勝負っていうか、言葉が全部ストレートなんだよな。


 ストレートに気持ちをつぶやけるのがSNSしかないという終わってる現代社会を経験していた俺からすると、とても眩しく感じてしまう。


「ちっちゃいマスキュラーみたいで……ちょっとかわいい」


「えー、私は元の方が……」


「……(キッ)」


「ひいっ、なんでもないですぅ!!」


 そしてなぜか変装したことで、ミリアのグレンへの好感度が上がっていた。

 やはり主人公、何をしてもヒロイン達の好感度を上げてしまう特殊な補正持ちということか……。


 今後一緒に行動をするんなら仲はいいに越したことはないので、ありがたいぜ。

 そしたらこいつらが大量に買ってきた食べ物を消化しつつ、明日には王都を出てオルドへ向かうことにしよう。


 アリアに会うのがなんだかずいぶんと久しぶりに感じるな……あの縦ロールは元気にくりくりと巻かれているだろうか。


新作の短編を書きました!


めちゃくちゃ気合い入れて書きましたので、↓のリンクからぜひ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。