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レベルの上がらない無能と言われ家を追い出された俺だけど、ギフト【ドレイン】の力でいずれ最強になります!  作者: にがりの少なかった豆腐
戻ってきたら何か発展していた件

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採掘者の由来

 

 真新しい道具屋で採掘用のピッケルなどを買い込み、ギルドでテレパス鉱石のある場所を聞いてからダンジョンの中に入った。


 ダンジョンの中に入ったのは4日ぶり。これまでほぼダンジョンの中で生活していたこともあり、地上に居るよりも不思議と安心感のような物を覚えた。


「さてと、テレパス鉱石があるのは中層全域の採掘可能範囲と下層の前半の一部。それ以降は調査中と」


 テレパス鉱石は割と浅い場所でも採掘が可能らしい。そのためわざわざダンジョンの深い場所で採掘する採掘者は少なく、深層まで行くとどこで採掘できるのか、もしくはそもそも採掘できないのかは判明していない。


 とりあえず入り口から一番近いテレパス鉱石が採掘できる場所に向かってみた。


「おーわ」


 その場所に到着してそこの光景を見た瞬間、俺の口からそう声が漏れた。


「すごく採掘者居るじゃん」


 ギルドではあまり見ない人数の採掘者たちが、せっせとダンジョンの中にある崖にピッケルを叩きつけている光景が広がっていた。

 テレパス鉱石1つであれだけグニアスが発展できただけある、そう思わせる光景だ。


 ダンジョンの中に生成される物質は一定時間で再生する仕組みになっているが――


「取りつくす勢いで採掘しているなぁ」


 文字通り採掘者らしい姿だ。


 今では技術が発展しモンスターの素材なども良く利用されるため、採掘者がダンジョンから持ち帰るものは多岐にわたるが、そもそも採掘者の名前の由来はダンジョンの中から魔石を採取してくるところからきている。

 

 魔石はモンスターの中で生成されるものだが、地上に持ち帰って来る物は魔石の状態だ。

 それを揶揄(やゆ)して採掘者と呼ばれたのが始まりだ。

 当然、揶揄という以上、呼ばれ始めはまともな職に就けない、ダンジョンの中で危険を冒さないと稼ぎを得られないような者たちを差別するような物だった。酷い時は石拾いと呼ばれていた時代もあったらしい。


 小さい頃は憧れていたが俺が採掘者になったのも同じ理由だし、完全に否定はできない。

 昔はともかく、今ではある程度採掘者の地位も向上してはいる。


 現にランクの高い採掘者の中にはアイドルの様な人気を誇る者もいるし、稼ぎだって危険を伴う分、普通に働くよりは稼げる。そもそも今の魔力社会の根底を担っているのは、ダンジョンの中から魔石を取り続けている採掘者のおかげでもあるのだ。

 昔とは違い、採掘者を悪く言うのは、変な偏見やコンプレックスを持つ者くらいになっている。


 最初は揶揄から始まった採掘者という呼び方が未だに変わっていないのは、他に良い呼び方が生まれず、新しく出てきた者も結局定着することなく消えて行ったためだ。

 それに魔石を含め鉱石を採取していることは変わっていないため、無理に変える必要もないと、採掘者呼びがそのまま残っている。


「ここは無理だよな」


 先に採掘している採掘者たちを押しのけてまでテレパス鉱石を手に入れようとはしていないので、別の場所で採掘することにしよう。



 中層の入り口付近からさらに奥に進みながらいくつかテレパス鉱石が採掘できると教えてもらった場所を巡った。


「どこも採掘者一杯すぎじゃない?」


 最初に確認したところに比べれば少なくはなっているが、それでも結構な人数がテレパス鉱石を採掘していた。


 数日前に地上へ戻って来る時は採掘できる場所に近づかなかったことで気付かなかったが、普段から相当な人数の採掘者がテレパス鉱石を掘っているということなんだろう。

 

 中層であればモンスターが襲ってきたとしてもそこまで強くはなく、複数で相手をすればすぐに倒すこともできる。

 それも中層でテレパス鉱石を採掘している者が多い要因だろう。


「他の依頼とかもあるのに、これしかしていない採掘者も居るんだろうなぁ」


 テレパス鉱石はグニアスのダンジョンでしか採掘できない鉱石ということもあり、買い取り価格も常設依頼としては高く、世界的に求められている鉱石なので買い取り上限もないことで、可能な限りテレパス鉱石を地上に持ち帰ろうとしている採掘者が多いのだろう。


「稼げるときに稼ぐ。それは間違いじゃないけどなぁ」


 毎日同じことをし続けるのはどうなのだろうか。お金のためだとはわかるが、俺はさすがにそんなことはできない。


「まあいいか。下層まで行けば、さすがにここまで居ないだろう」


 何をするのも本人の自由だ。俺がこんなことを考えていること自体、余計なお世話という物だろう。


 中層から下層に降りれば、ダンジョン内に採掘者の姿はほとんど見なくなった。

 ここに来るような採掘者のほとんどはランク4以上の者で、本来ランク3の採掘者は来ないよう注意される場所だ。

 

「さすがにここまで来れば採掘者はいないか」


 ラムを助けた時も姿を他の採掘者を見なかったことから、グニアスのダンジョンで活動している採掘者たちは必要が無ければ、下層には来ないのだろう。


「適当に崖っぽいところを探してそこで採掘してみれば、テレパス鉱石が出てくるかな」


 下層でもテレパス鉱石は見つかっているがまだまだ調査途中のため、ここで取れてここでは取れないみたいな情報は少ない。

 採掘できた場所も聞いたが、ここまで来たのならいっそまだ調査していない場所を採掘してみて、新しく採掘できる場所を見つけてみるのも面白いだろう。


「ちゃんとした道具で採掘するのは初めてだけど、大丈夫だよな?」


 鉱石の採掘は初めてというわけではないが、一般的なピッケルを使って鉱石を採掘するのは完全に初めてだ。変な使い方をしてすぐ壊してしまうということが無いように気を付けなけないと。


 教えてもらったすでに判明している採掘スポットをスルーして別の採掘できそうな場所を探していく。

 移動中に出会ってしまったモンスターはとりあえず排除し、魔石だけ回収してそれ以外は不要なので放置する。時間が経てばダンジョンが吸収してくれるだろう。


「お? ここならいいんじゃないか」


 しばらく歩いたところで教えてもらっていない採掘できそうな崖面を発見し、そこに在った土とは違う鉱石らしき物が露出している場所をピッケルを使って採掘してみる。


 力を入れ過ぎてピッケルを壊してしまわないように慎重にピッケルを崖面に叩きつけ、鉱石らしきものを採掘する。


「さてどんなものか」


 ごろりと崩れ落ちた鉱石を手に取り、それを記憶と照らし合わせどの鉱石なのかを確認する。


「テレパスっぽいかな。似たような鉱石はここじゃ取れないって聞いているし、ほぼ間違いないだろ」


 白くて少しつるりとした割れ面。他の鉱石に比べて少し宝石に近い見た目の鉱石は間違いなくテレパス鉱石だろう。


「それじゃ、ある程度取れるまで採掘しましょうかね」


 テレパス鉱石も見つけたことだし、一回飽きるまで採掘してみることにしよう。

 

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