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手に入れた手がかり

どうもソラです。

昨日はあまり上手く行かなかったので追加で仕上げました。


「これでいいですわ」


「すまねえな、ジャン。地下の倉庫を貸してもらって」


「ほっほっほ気にすることはありませんよ。何か大事なことをおやりならいつでも協力いたしますよ?」


宿で使うための備品が所狭しと並べられた棚の先にある10メートルほど開けた空間にて3人は固まって陣を敷いていた。


本来なら避難用に作られている地下倉庫に陣が完成した光が瞬き、ガルディは手を合わせて陣に魔力を通す。


「ーー見つけましたわ。ここから遠いですが宮殿の方ですわ!」


「野郎………何企んでやがる!」


「ひとまず向かいましょう。エルデちゃんはどうする?姫様を守る?」


「私はいいですわ。そんなことよりせっかく得た手がかりを無くさないように行動して欲しいですわね」


「ああ、必ず得て帰ってきてやるよ。終わったら、なんでもしてやる」


エルデの言葉にガルディが笑ったのを見て2人はその部屋を出ていったのだった。







「暇だな〜」


ルナールさんの話を聞いた翌日俺はベッドの上でゴロゴロしながらルナールさんの帰りを待つ。

ちなみにルナールさんは今朝、看守から話を聞くと血相を変えて何処かへ行ってしまった。


「暇なら猥談でもしますか?」


「やだよ、そんなのマックスのアブノーマルなプレイ聞かないと行けないじゃん」


「なら最近入館した男の話でもするのはどうじゃ?」


「それ聞きたい。やっぱりすごい悪党とかいちゃうの?」


興味本位で2人からこの大監獄に収容されている大罪人について話を聞くことに。


色々と大罪人はいるようだが監獄内でも有名なのは『黒兜』の副団長らしく、組織の全容すら掴めないのに彼だけは何故か警備が厳重な王宮に侵入しために捕まってしまったらしい。


きっとルナールさんはその男から情報を聞くために飛んでいったのだろう。


「そういえばマックスの父さんって今は何してんの?」


「今はコンジュレイで祭りの間中、国の防衛に入ってるはずですよ。今、国で何か起こす馬鹿はいません」


「ただいまなのだ〜」


「あ、お帰りなさい、ルナールさん」


ちょうどルナールさんも話を終えたようで俺が寝転んでいたベッドに寝転がる。

あまり広くないので狭苦しい。


というかさっきまで初恋の人の話を聞いておきながら俺の背中に甘えてくるのは如何なものか?


「収穫はありましたか?」


「あったぞ。あの男、妾は嫌い」


「ほぼ何もないのと一緒じゃないですか、やだあ」


あるにはあるのだろうがきっとこの状況では話す事が出来ないのだろう。

俺はまた後で聞こうと体を起こした………その時、甲高いサイレン音が鳴り響く。


「緊急事態発生!緊急事態発生!死刑囚達の檻が何者かによって解除された!ただちに兵力を総動員して取り押さえろ!」


次々に目まぐるしく動き回る看守達に囚人達はいつもの不満を爆発させるかのように高笑いし、慌てふためく看守達を馬鹿にしている。


まあ俺たちは部屋から出られない以上、何も出来ないので事の成り行きを見守っていればベオグラードが鍵の束を持って俺らの檻を開けた。


「英雄の子たちよ、貴様らにある条件を出そう」


「何です?条件って」


「死刑囚達を殺しても構わぬから無力化せよ、した数だけ貴様らの罪を軽くしよう」


渡された鍵によって外れた腕輪が俺たちに魔法を取り戻させた。

呼び出した心武器の重さに何度も手を開いたり、閉じたりしながら俺は檻を出る。


「死ねよ!どいつもこいつも!」


「金だ!金を寄越せえ!」


「ああ血が欲しい、血っぢたまだた血血血血血血」


自由に動き回る囚人達だけでもかなりの数、しかももれなく全員が人殺しなどの多量の命を奪った者達だ。


「ルナールさん、まずは片付けましょう。話はそれからだ」


「その通りだ花婿、妾達はやらなければならない事が山ほどあるのだからな」


互いに拳をつき合わせて、荒れ狂う囚人達の元へと向かっていく。







「ん?あーばれたか。やっぱり、3つ首龍なだけはあんのかぁ」


大監獄にて囚人達が解放されるより1日前、ラクーンは自分の足に走る僅かな痺れと地面に流れる魔力の違和感に気づき、足を止める。


「さっすがにクレアシオンに勝てないからなぁ。ルナールみたいな担い手じゃなく、作り手の俺はどうしたもんか」


どうやらラクーンはガルディの存在に気づいたようだがこれからどう動くかを思案する。


アーティファクト人形は二度と使えないので…何より、相手も対策済みだろう。


だけど追跡者がどこに来るのか分からない以上、下手に止まったり動いたりできない、その上追いかけて来るのは英雄より英雄らしいクレアだ。


まず逃げ切れない。


「よし面倒だからそうするか」


だが、なんと…追い詰められ、逃げているハズのラクーンは…とんでもない行動に出るのだった。







「動きましたわ………もうすぐクレア達が追いつきますわ!」


地下に僅かな明かりだけを残し、陣の上にて手をつけて魔力を流している状態の彼女は相手が逃げるような動きを感知、それをあるつてで手に入れたアーティファクト『通話鏡』と呼ばれるテレビ電話が可能な鏡でエルデへと連絡する。


「ガルディ!次はどっちだ!」


「そこを左ですわ!そのまま真っ直ぐ!5メートル!」


「アレか!見つけたぁ!」


通話鏡の先にいるエルデに位置を詳しく知らせながら魔力を探知し、遂に通話鏡越しにエルデがマントの男を捕まえたのを確認した。


「よしですわ!さあ早く話………を?」


大きくガッツポーズをするガルディだったが鏡越しのエルデの顔は喜びよりも驚愕を表していた。

何故ならマントの男は手に何も持っておらず、運び屋どころか職人ですらない。


「姫様!そこから早く逃げなさい!奴はーー」


それにいち早く気づいたクレアが鬼気迫った声を上げるがーー


「もう遅いってーの」


瞬間、陣の真下から丸く迫り上がる大地がガルディの体を撃ち抜き、臓腑に多大な衝撃を与え、弾き飛ばす。


咄嗟にガルディは足を天井につき、前回転しながらその土の槍から距離を取り、陣を破壊して現れた男と戦闘態勢に入る。


「面倒だから君から先に潰しにきましたぁ」


現れたのはガルディが追いかけていた筈のラクーン。

それが何故、ここにいるのか、どうやって魔法を誤魔化してここまで来たのか。


疑問は止まないが遠く離れた場所にクレア達がいる以上、援軍は期待できない。

何より、上にいるガルムにこの事を知られてはならない!


「まあまあそういきりたつな。お前の魔法はすごいがアーティファクトがあればいくらでもごまかせる。ぶっちゃけ、俺は天才だからね」


つまりラクーンがとった行動とは、探知を使っている相手から潰すという手段だった。

彼女の魔法から感じる魔力をアーティファクトで辿って、まず1番厄介なガルディから殺しに来たのだ。


逃げ足が早いというよりも相応しい"逃げっぷり"。どこの世界に、ただ尻尾を巻いて逃げるだけではなく、相手が自分に辿り着く可能性をゼロにしながら、100%の逃亡を実現する為に殺しにくるやつがいるだろうか。


「名をーー名を名乗りなさい。」


「ラクーン。かつてはルナールの呑み仲間で現コンジュレイの守り神さ」


「そうですか………私は3つ首龍1人『白雪の龍姫』ガルディ・ルージュ・グラマソーサリーですわ。よく覚えておきなさい」


「ご丁寧にどうも、じゃあ倒させてもらうわ」


名乗りを終えるとおどけた表情だったラクーンの表情が引き締まり、アーティファクトを懐から取り出そうとする。


しかし、それより早く数メートルの間合いを雷の速さで一瞬でゼロにし、自慢の龍闘流方で戦うガルディは相手の足を踏み潰しながら、機動力を奪った相手に"ガードした手を破壊する前提の"アッパーを2段構えで叩きこむ!


「龍闘流法!"雷帝二天"」


「悪いが俺に攻撃は通用しないよ」


だが相手の手足を破壊するための攻撃は彼女の手と足を的確に止められ、吹き飛ばされる。

ガルディはすかさず体勢を立て直し、ラクーンの周りに浮かぶ星型のビットに雷撃を飛ばす。


「だから聞かないって………」


「それは囮ですわ!本命はこちら!」


星型のビットが一列に並んで、雷を受け流すとその先には彼女はおらず、それどころかいきなり足の外側を払わされ、転んでしまう。


「まずは1本!」


脹脛を持ち、逆方向へと捻じ曲げようとするガルディのこめかみにゴテゴテの重量ブーツ、おそらくアーティファクトの爪先がピンポイントで直撃し、動きを止めたところへ星たちのレーザーが乱れ飛ぶ。


「やはり君、姫様だからか。前線で戦った事がないんだろ?あまりにもお粗末だ。職人の俺ですら動きが分かるぞ?」


「余計なお世話ですわ!」


玉のような肌に傷跡を残しながらも懸命に立ち向かう彼女にラクーンは指を鳴らし、ありとあらゆる武器の形を模したアーティファクトが彼女を囲うように展開される。


砲弾のように射出される武器達を受け流し、かわしていくがやはりクレアと比べて練度が低い為に徐々に当たる回数が増えていく。


全ての射出が終わった頃には彼女は満身創痍であり、とどめとばかりにラクーンは爆弾型のアーティファクトを取り出した。


「まあよく頑張ったと思うよ、これに懲りたら危ない真似はしなくていいんじゃない?偉い立場は上から口だけ出してればいいのさ」


投げられた爆弾は彼女の目の前に落とされ、赤い魔力を解放し、空間を閃光で埋め尽くした


「………クレア、ガルディを頼む」


筈なのに、轟音に紛れて声がする。

煙に巻かれて2人の男女が姿をあらわす。


「やれやれ、戻るのが早すぎないか?」


「私が元の姿に戻ればすぐなのよ。エルデ、すぐに戻るから無理はしちゃダメよ?」


「しねえよ、さっさといけ。」


「新手か。俺はただ火の粉を振り払いたいだけなのに」


ラクーンは目の前に立つ男を前にして、ふと違和感を感じた。

出しているのは心武器の剣なのだろう。

だが構え方が両手剣を持つものではなく、どちらかといえばナイフのような短いものを持つーー


「余所見してっと殺すぜ?」


僅か一瞬にして目と鼻の先にナイフがあった。

間一髪、頭を引いて避けたが脳内を騒ぎ立てる警報は止まず、咄嗟に顔を背けると顔があった場所を両手剣が通過する。


「心武器の形状はナイフと両手剣………にしてはやけにナイフの扱いに慣れてやしないかい?」


「企業秘密に決まってんだろ!」


アーティファクトを出そうとするより早く、ナイフが腕に小さくない傷を残し、止まらない傷がラクーンの士気を削いでいく。


ラクーンからしてみればガルディのパートナーは王族だと風の噂で耳にしていたのに対峙すればその実力は予想をはるかに超えるものだった。


心武器の能力もわからないラクーンは腕の消えない傷を見て、僅かに舌打ちをしながらも武器型アーティファクトをうちだしていく。


エルデはそれをナイフの僅かな峰で滑らせながらラクーンの懐へ接近し、襟元と袖を掴み、足を払ってラクーンを地面に叩き落とす。


アーティファクト頼みのラクーンは体を鍛えておらず、衝撃が肺を抜ける中、目を開ければ深淵を表したかのような闇がナイフを持ってこちらを見ていた。







「いたたたた…」


「待って!まだ動いちゃダメだ!」


ガルディは体に走る痛みに目を覚ますとまわりを見渡していたのは砂漠に捜索に出ていたロゼ達だった。


窓から差し込む光は既にオレンジ色へと変わっており、既に日が落ちかけている事が分かる。


「ラクーンはどうしましたか!?手がかりは!?手がかりは見つかりましたか!?」


「落ち着け、傷口に触る。私の魔法で治したとはいえ、まだまだ安静だ。少なくとも今日は養生しろ」


「ラクーンならクレアが死体の確認に行った。あの後、エルデが殺したみたい」


「………そうですか」


ロゼは先程から黙りっぱなしだ。

仮にも自分の従兄弟にあたる人物がまさか人殺しをするなんて到底思わなかったからだ。


今、彼女は寄りかかるマコトすらいない為に感情をなんとか抑えようと必死なのだ。


「おまたせ………死体の確認なんてあまりしたくないわね」


「エルデは?」


「ジャンさんと話すって。まあ倉庫をぐちゃぐちゃにした挙句、人まで殺したらダメよねえ」


クレアはおどけた様子で笑っているが言葉の節々に力がない。

ちょっとばかり、参ってるようだ。


「マコトがいないだけで皆、弱りすぎ」


「そうは言うけどねえ、一度牙を抜かれたら生え揃うまで時間がかかるのよ」


「そうだぞ、リリム先輩。今頃、マコト先輩がいればすぱーんと解決して皆で祭りを楽しめた筈なんだ。」


「精神的な拠り所が危ない目にあってるかもしれないと思うと正直、気が休まらないのよ。」


「………ごめん、私が浅はかだった。だいぶ重症ね。貴方達」


予想以上にマコトがいないだけで皆の士気の低下速度が早すぎる。

大事な人が危ない目にあっているかもしれないとなればそうなるのも当たり前かもしれないが。


「………ごめんなさい」


「え?いやいや姫様が謝ることはないのよ?まーくんが選んでついてきたんだから。」


「そうかもしれませんが謝らせてください。私たちの勝手に巻き込んでしまい、申し訳ない」


ベッドの上で痛む身体を押して頭を下げるガルディに皆がわたわたと慌てながらもなんとか宥めているとガチャリと音を立てて、エルデが入って来た。


「エルデ君!」


「ロゼ、テメエの説教は全部終わってから聞いてやる。ともかく奴の情報は得た。どうやら既に取り引きは終わってたみてえだ。ガルディを襲ったのも面倒ごとにまきこまれたくなかったからみてえだな。」


エルデが死の間際、脅した情報を開示する。

ラクーンが作ったのは座標を入れればすぐにその位置へ移動できるアーティファクトのようだ。


「となれば奴がそこに移動したいほど欲しいものがある筈なんだが………」


「私は宮殿だと思うわ。以前、盗めなかった秘宝を盗む為にまた盗む為に侵入すると思うわ」


「私は大監獄だと思う。手駒を増やす為に砂漠の大監獄にて侵入する為にアーティファクトを手に入れた」


「でもその場合、常に移動しているらしいから座標をいちいち固定するのはむずかしいよ?」


「私も大監獄ですわ。最近は宮殿内部に英雄率いる護衛団がいる以上、無茶な真似はしませんわ。むしろ、砂漠の大監獄の方が有能な戦闘員がいないので侵入しやすいかと」


一度侵入した宮殿か、又は砂漠の何処かにある大監獄か。どちらも重大なものである為に決心がつかない。


「あー!!もう分かった!別れるぞ!俺たちは王宮に行くからお前らはマコトが閉じ込められてる砂漠の大監獄に迎え!場所はガルムが教えてやる!」


「ちょっと待って、そしたらジュエはどうしますの?」


「それなら私にお任せあれ。こう見えて元軍人、そこらの者に負けたりしません」


声の主は暖かなスープを持ったジャンだった。

たしかに編入生ならばそれなりの実力はあるだろうと皆は思い、賛同する。


ガルディはじっとエルデを見たが仕方ないと首を振り、了承した。


「夜の砂漠越えは危険だ。明日の朝一番で向かうぞ。俺は今日はここでガルディと寝るから、さっさと出て行った。ほらほら」


部屋から追い出された皆は各々の部屋へと帰って行く、だが唯一、リリムだけがエルデ達の部屋を訝しげに眺めていた。







「金には引力がある。女には斥力がある。金は人を惹きつけてやまないですし、女はもらえる物すべてを得たら突き放そうとします。」


床に敷かれた赤い絨毯を見つめながら、男はその声を聞いていた。


 絨毯と、男の顔との距離は近い。

 近いといえば、男の呼吸の間隔も近かった。心臓の鼓動が早鐘の如く鳴り続け、息は全力で野を駆けた直後のように弾んでいる。


男はかつて名を馳せた傭兵だった。

クレアには遠く及ばないがそれでも才覚に恵まれて必死に邁進して今の地位を得た。


だからこそ、男は今、自分の息子と同い年くらいの青年に跪く状況が我慢ならず、けれど抗えば待つのは死だ。


「ではどうすればいいのかって?盗めばいいのです。金に目が眩むなら全部盗めばいい。女が離れるなら何度も誘拐して自分の元におけばいい。そうは思いません?」


敵対した者、すべてを破壊し、盗賊達を恐怖によってまとめ上げ、黒兜副団長の手によって()()()()()()()()()()()()にて男は頭を下げている。


男の周りは金、金、金と札束で頬を殴るどころか金塊で撲殺されるような豪華絢爛、至高とも言える玉座にて道ですれ違えばほぼ振り向くほどの美貌を持った数多の女が彼に奉仕している。


「で?どこまで話しましたっけ?」


「本題ですよ、ジェームズ様」


「そうだった。今、僕の手には座標をうてば何でも送れるアーティファクトがあります。目指す場所はーー砂漠の大監獄。ああ、場所なら問題ありません。何せ、僕らの副団長がいますから。彼から随時連絡は来ていて、今は止まってるようです。」


男はこの若くして盗賊王と呼ばれた男に呼び出されたのだ。

力がいると。断れば死ぬと。


「砂漠の大監獄はかつて『義賊王』がつくった墓らしく、彼女が財宝をたんまりと隠しているようなので盗んでしまおうかと。貴方にはそこに加わってほしくて」


「は、はい。喜んで」


「そうですか、では握手を」


ジェームズは左手を差し出し、男もそれを握る。

ふと思ったのはジェームズが握手の際にも指ぬきグローブを外さなかった事だ。


それが男が最後に考えた言葉であり、握手が終わると男はその場に崩れ落ちた。


「いやぁ〜相変わらず、ボスの腕前にはほれぼれしまっすぜえ。『強奪』の力に『封印』の力こそ、貴方様の武器なのですから!」


「口を慎んでください。JB。僕は今、そんな気分ではないんです」


ピエロのような道化師まがいの格好で喧しく、騒ぎ立てるのが彼の側近であるJBだ。

本人曰く、愛称とのことなのでこちらで皆は読んでいる。


仮面などに名前を掘ろうと行ったのもこいつでジェームズも面白半分で許可したのだ。


「ほな、あれですか?あの憎っくき、王子エルデば………」


「その名前を次に口に出したらいくら貴方でも殺しますよ」


「うへえ、怖い怖い」


愚痴るように殺害予告をされながらも戯けたJBは何も変わらず、スキップしながら周りを回っている。


「奴はどうせ僕の前に来るでしょう。何故なら彼女の魂は僕が持っているのだから。」


「………ほんま恐ろしい方やわぁ。あんなに嫌がるなら返した方がいいんでは?余計な敵などいない方が………」


その瞬間、JBの体が崩れ落ちる。

目の前には肩に触れたジェームズの姿だった。


「欲しい者は全部手に入れる。あの女も僕のものだ。君は黙って僕に従え。」


「へいへい、勘弁して欲しいわ。全く」


黒コートを着せて、部屋を出て行く彼に思い出したように声をかける。


「そういえば、いつ騒動を起こすん?ジョンがずっと聞いて来とるんやけど」


「ーー明日の朝一番で起こせ。僕らもそれに乗じる。準備は万端、行動は早い方がいい。君が立てた作戦だろ?責任はとるから、自由にやれ」


自分にとっての主人が消えたところでJBはピエロのように狂った笑いを上げて部下達を呼ぶ。


「本当どうしようもない方やわぁ………いつか報いを受けまっせ」

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