第7話:緊縛朝市再びと依存の兆し
朝の陽光がまだ柔らかい時間に、リリアーナはサリアの部屋に入ってきた。
サリアはベッドの上で体を小さく縮こまらせ、昨日の噴水広場での羞恥を思い出しては太ももを軽く擦り合わせていた。
銀髪が乱れ、青みがかった灰色の瞳には疲れと残る心のざわめきが混じっている。
「リリアーナ様……今日は……もう、外は……」
サリアの声は弱々しく震えていた。
リリアーナは優しく微笑みながら、昨日よりも明らかに太く頑丈な魔法のロープを取り出した。
「今日は前回より少し過激にするわ、姉さま。資金稼ぎのため……ちゃんと頑張ってね」
サリアの体から血の気が引いた。
リリアーナはサリアにロープを巻き、心のざわめきを抑えるように丁寧に固定した。
さらに、強化型の「心のざわめき魔石」を仕込み、歩くたびに心の揺らぎが強く広がるように調整した。
「ひっ……! 太い……縄が……心を締め付けて……」
サリアの腰がびくりと跳ね、すでに敏感になっている心が、ロープの圧迫でじんわりとざわつき始める。
リリアーナはさらに、露出度の高い薄い白いヴェールドレスを着せた。
前回より生地が薄く、胸の谷間が大きく開き、ロープのラインがはっきりと浮かび上がる。
歩くだけで鎖のようなロープの感触が全身に響く。
サリアは鏡の前に立たされ、自分の姿を見て息を飲んだ。
「こんな……前よりひどい……縄が心を締め付けて……みんなに見えるかも……」
顔が真っ赤になり、膝ががくがくと震える。
銀髪が肩に落ち、灰色の瞳が涙で潤む。
リリアーナはサリアの耳元で甘く囁いた。
「我慢しなさい。絶対に声を上げてはいけないわ。朝市で必要なものを全部買って帰るの。頑張ったら、ご褒美をあげるから」
サリアは涙目で頷くしかなかった。
馬車で王都の朝市近くまで送られ、サリアは人ごみの中に一人で放り出された。
リリアーナは少し離れた場所から、魔法の鏡で全てを監視している。
朝市は昨日以上に混雑していた。
商人たちの大声、色鮮やかな野菜や果物の匂い、たくさんの視線。
サリアは膝を内側に寄せ、ゆっくりと歩き始めた。
一歩踏み出すたび、太い縄が心のざわめきを深く呼び起こし、強化された魔石が同時に動き出す。
強い羞恥の波が体の中を駆け巡る。
「んっ……はうっ……!」
サリアは慌てて口を押さえ、足を止めた。
すでに心の中がざわつき、抑えきれなくなっていた。
(動かないで……お願い……こんなに強く心をざわつかせて……縄が締め付けて……みんなの前で……乱れて……)
周囲の視線が痛い。
銀髪の美女が、薄いドレスにロープのラインを浮かび上がらせて歩いている姿は、明らかに異様だった。
通行人たちがちらちらと彼女を振り返る。
サリアは必死に足を動かし、果物屋の前で買い物を始めた。
かごを手に取りながら、腰を小さくくねらせて心のざわめきを逃がそうとするが、それが逆にロープを深く食い込ませる。
「はあっ……はあっ……」
息が荒くなる。
心のざわめきの強さが徐々に上がっていく。
リリアーナが遠くから操作しているのだ。
サリアの瞳に涙が溢れ、頰を伝った。
「リリアーナ様……もう……限界……人ごみの中で……心が……乱れて……我慢できそうにない……」
心の中で何度も懇願するが、声には出せない。
彼女は唇を強く噛みしめ、膝を震わせながら次の店へ移動した。
羞恥の波が何度も襲ってくる。
サリアは足を止め、かごを抱えたまま体を前屈みにして耐えた。
銀髪が汗で額に張り付き、灰色の瞳が虚ろに揺れる。
ようやく全ての買い物を終え、サリアはふらふらと馬車に戻った。
足取りは完全に乱れ、心の中のざわめきは抑えきれなくなっていた。
公爵家に戻ると、リリアーナはすぐにサリアを抱き寄せ、優しくロープを解いてあげた。
「よく頑張ったわ、姉さま。本当にえらい……」
リリアーナの声はこれまでで一番優しかった。
サリアをベッドに横たえ、心の共有魔道具を優しく押し当てる。
今日は激しく責めるのではなく、ゆっくりと、ねちっこく心のざわめきを解きほぐすご褒美だった。
「あ……んっ……」
サリアの心がびくりと反応する。
魔道具が優しく心のざわつきを刺激し、溜まりに溜まった羞恥を丁寧に和らげていく。
リリアーナはサリアの銀髪を優しく撫でながら、耳元で甘く囁いた。
「人ごみの中で、縄と魔石に心をざわつかせて、涙を流しながら我慢していた姉さま……とても可愛かったわ。よく頑張ったね」
「リリアーナ様……怖かった……でも……あなたの命令だから……」
サリアの声は震えていたが、そこにはこれまでとは違う、甘えた響きが少しずつ混じり始めていた。
恐怖が、徐々に依存へと変わりつつある。
リリアーナはサリアを抱きしめ、優しい動きで魔道具を動かし続けながら囁く。
「これからも、私の言うことを聞いてくれたら……もっと優しくしてあげる。姉さまは私の大切な人なんだから」
サリアの瞳が潤み、細い腕がリリアーナの背中にそっと回される。
「あんっ……はあっ……リリアーナ様……」
彼女の心の中で、恐怖だけだった感情に、わずかな信頼と依存の芽が生まれ始めていた。
この日、サリアは朝市の緊張と羞恥の中で、少しずつリリアーナへの依存を深めていた。
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