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思惑

「…私は、とりあえず諒さん、和彦さん、海斗さんは白いかなと思った。私も玉緒さんが怪しいなって思っていたの。煌さんの今の意見で余計に怪しく思ったわ。玉緒さんは、女子の中には居ないって言ったけど、私達はゲーム外では仲良くしようと話を聞いているだけよ。確かに廊下の所で役職をほのめかしていたのは知っていたけど、あれでもっと怪しく感じた。だって、黙っていたら吊られてしまうのよ?それが村のためにならないのは、みんな知ってるわ。何度も裕馬さんも言ってたしね。それなのに、後になってからあんなことを。仲間に言われたなら、分かるわ。それで、玉緒さんが人外の場合、女子全部を庇うような発言をしたことから、今夜は女子から吊れば良いんじゃないかなと思った。その中に、仲間が居る可能性があるから。そうなると、詩子さんか亜由美さんかな。私や咲子さん、美智さんはご飯を食べていた時は一緒だったけど、上に上がってからは別々だったの。廊下で亜由美さんと詩子さんと、玉緒さんが立ち話している時に通り掛かったから知っただけ。私に聞かせようとしたのかなって思ったわ。投票されたくないから。この二人が、それに加担したのかもって思うわ。」

それには、咲子が顔をしかめた。

「…でも、ということは詩子さんと亜由美さんと、玉緒さんが人外で、黒ってこと?いくらなんでもそんなはずないんじゃない?そもそも、人外が一緒に行動してたら、怪しんでくださいって言ってるようなものじゃない。おかしくない?」

亜由美は、頷いた。

「そうよ!そもそも、私はたまたま隣り合ったから詩子さんと一緒に上に上がっただけで、その後はしばらく離れてたわ。ルールブックを読まなきゃだったしね。その後、詩子さんが訪ねて来て、下に降りようと一緒に廊下を歩いていたら、玉緒さんが来たの。そして立ち話をしていたら、真希さんが来たって感じよ。だいたい、私と詩子さんは同じ三階だから会ってもおかしくないけど、二階の玉緒さんと真希さんが三階の廊下に居たのっておかしくない?通り掛かったって、どうしてなの?誰かの部屋に訪ねたの?それこそ、仲間とか?」

確かにそうだ。

何しろ、真希は2号室で玉緒は6号室、そして詩子は13号室で亜由美は16号室なのだ。

1から10号室は二階、11から19号室は三階のはずだった。

個人の居室しかないのに、どうしてそこに玉緒と真希が居たのだろうか。

徹が、言った。

「…確かに、三階まで結構登るから18号室のオレでもめんどくさいのに、なんで二階の玉緒さんと真希さんがそこに居たんだ?三階には居室以外はないだろ。わざわざそこに来る理由はなんだ?」

真希が、反論した。

「三階ってどんな感じなのかって興味があったからだわ。そもそも私と玉緒さんが人外で、わざわざ怪しいとか言う?それこそ見られてるのに。役職COして今夜は吊られないんだから、そこは放置して他を怪しんだ方が良いんじゃないないの?」

わからない。

直樹は、頭を抱えたい気持ちだった。

真希が言うことはもっともなのだ。

だが、清が言った。

「…いや、吊られないからこそそこを怪しんでおくのも有りだろ。というか、仮に玉緒さんが偽だったとしても、そこを怪しんでいる人が多すぎるし、いくら狼でも吊り推すしかなかったと思うんだ。こうなったら吊って色を見させて、黒が出たら自分が白くなると考えて、切ってる可能性も高い。もし狐だったとしても、相方は一人だし庇うのは難しい。狼は仲間じゃないのが透けてるから吊り推すだろうし、どちらにしろ今、玉緒さんの色が黒だろうが白だろうが、真役職であろうがそこからグレーに色をつけるのは難しいんだよ。まあ、玉緒さんが三階に居たのはオレも怪しいかなとは思う。真希さんはまだわからない。玉緒さんは放って置いて、他の事から色を予想して吊るしかないぞ。」

それはそうだが、玉緒が悪目立ちし過ぎて他の色が霞んでしまう。

海斗が、ため息をついて言った。

「…困ったね。こうなったらさ、初日なんだし役職名を言わずにCOしてもらってみる?もし、数が合わなかったら、玉緒さんを吊っても良いかもよ。それで色を見て、残りの二人の内訳は伏せたまま残すんだ。仮に玉緒さんが人外だったら、狼は残りのどっちかが猫又だから安易に噛めないし。」

裕馬は、顔をしかめた。

「…どうする?賭けだぞ。もしかしたら、騙りがまた出て4人とかになるかもしれないんだ。そうなったら、置いて置くのも難しくならないか。」

正志が、言った。

「良いんじゃねぇ?出してみないと分からねぇし。4人になったらなったでまた精査だ。今のわけ分からんグレー精査よりよっぽどいい。」

裕馬は、皆を見回した。

皆は、ただ裕馬の顔を見返して来るだけだ。

「…玉緒さんが人外なら良いが、もし真狩人だったりしたら霊媒がヤバい。猫又だったら誰が道連れになるかわからない。今夜はとにかくグレーだ。玉緒さんの精査は、明日にしよう。明日、役職には役職名を伏せた状態でCOしてもらう。じゃあ、グレーの話の続きだ。次は正志。」

正志は、ため息をついた。

「マジか。まあ、共有は命がかかってるしな。慎重になるのも分かる。とはいえ、オレはマジでグレーの色が分からねぇ。清が言うように、狼だってお粗末な仲間は切ってしまうだろうし、狐だったらもっとだ。最初は、玉緒さんがあまりにも味方が居ないから、真役職なのかと思ったが、煌さんの意見でも言ってたように、狡猾に見える。あんな演技ができるぐらいなら、人外でもおかしくねぇ。だが、その玉緒さんのことはみんな切ってる。直樹ぐらいだろ、最初の発言の時に庇ったのは。それが今は逆に白く見えてるぐらいだ。となるとラインになるが、諒と和彦の意見がずっと同じだな。ここは、一人ぐらい人外が混じっててもおかしくないと思う。あと、詩子さんと亜由美さん。そんなに一緒に居たわけでもないと言っていたが、逆にわざわざ弁明するのがおかしい。どっちかが人外で、自分の白を証明してくれる相手を探して側に居たとも考えられる。あと、真希さん。真希さんはなあ…色が見えない。なんで三階に居たのか、その説明も納得できなかった。白く見えるのは海斗。オレが思ってたことをさっさと口にするから、同じ目線なんだと白く見える。あと、清。清は落ち着いてて柔軟に意見を精査して整理しているように見える。だから、オレ目線じゃ、分からんが人外が居そうなのは、真希さん、諒、和彦、詩子さん、亜由美さんと幅広いんだよ。この五人の中から吊りたいが、全くこれだという決め手はない感じだな。」

オレは逆に白く見えるのか。

というか、白なんだが。

直樹は、思って聞いていた。

裕馬は言った。

「分かる。分かるんだよな、その意見。だから、正志は白く見えるなあ。じゃ、諒さん。」

諒は、答えた。

「オレ目線じゃ、先に発言してるのがオレで、和彦が後から同意してくれるから白く見えてるが、みんな目線じゃラインになるのか。でも、少なくともオレは人外じゃないし、だから和彦のことは同じ意見だから白じゃないかなって思ってる。あと、女子なんだが。真希さんが、なんかこじつけてる気がした。仮に玉緒さんが人外なら、切ってる仲間は真希さんかなと思ったな。そもそも三階に玉緒さんと居たわけだろ?そこもラインにならないか。」

真希は、言った。

「別に一緒に居たわけじゃないわ。通り掛かったの。三階に上がったら居ただけ。」

それには、亜由美が頷いた。

「そうね。後から来たわね。ちょうど、玉緒さんと話し始めた時に。」

諒は、顔をしかめた。

「だとしても、そこに居る必要がないのに居るってことが、怪しく見えるよ。そもそもオレだって、玉緒さんは騙りだと思ってるからな。正志は、オレも同じように海斗と清を白く見てるからそこが同じ意見で今のところ白く見える。オレから見たら、だから真希さんがかなり怪しい位置になるかな。」

単独指定か。

これでここが白だったら、諒は怪しまれるかもしれないのでかなり強い発言だ。

…諒は、人外じゃないか…。

直樹は、そんなことを思いながら見ていた。

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