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吊り先

和彦が、言った。

「…諒は白いなあ。仮に真希さんが白だったとしても、怪しめない気がする。そんな強いことを言ったら、明日は怪しまれるかもしれないんだぞ?それなのに単独指定できるんだからな。」と、考え込む顔をした。「…海斗も結構過激な発言してるし、それに同意できる正志も、目立つのを怖がっていないところが白く見えるな。玉緒さんは怪しい。役職COしたのがまた怪しさに拍車をかけてるが、そんな真かもしれないので今日はいいとして他だよな。…そもそもだが、人外はこの休憩の間に、いろいろ話し合っているはずだよな。でないと、まずいことになりそうだし。オレは、部屋に入ってルールブックを読んでから、他のみんなが気になって、とりあえず占い師から話でも聞くかと悟の部屋に行ったんだ。そしたらそこに徹が居て、その後諒も来て話してた感じ。他の皆は?」

裕馬が答えた。

「他は、次々に集まって来てリビングに居た。最初はオレと清と海斗と正志、そのうちに真悟も高広も直樹も来て、って感じかな。そんで、詩子さんも亜由美さんも来た。煌さんは、昼飯終わって上に上がってたけど、その後降りて来て、またご飯の話で祈さんに会いに上に上がった。その後すぐに祈さんと降りて来た。そんな感じだよ。全員に隙があった。それぞれルールブックを読んでる時間は部屋に居るわけだろう。その時に誰かの部屋で話して、その後皆に合流してたとしてもおかしくはないから。」

正志が、言った。

「それさ、もしかしたら真希さんと玉緒さんが三階の仲間の部屋に話に来てたなら、そこに居たのも分かるんじゃねぇの?」と、詩子と亜由美を見た。「誰かの部屋から出て来たのを見たりしてないのか?」

詩子が、首を振った。

「見てないわ。私達が廊下に出た時にはもう、玉緒さんは廊下をふらふらしてた。真希さんは階段から上がって来た。」

亜由美は、頷く。

「誰かの部屋から出て来たのを見てたら、言ってるわ。その人が怪しいに決まってるもの。だいたい、みんな面識ないでしょ?なのに、誰か一人を訪ねるのはおかしいもんね。」

裕馬が言った。

「それを言ったら悟の所へ訪ねた和彦、諒、徹が怪しいってことになるぞ?でも、徹は確定霊媒だしな。仲間ってことは、あり得ない。」

うーん、と、皆考え込む。

直樹は、狼が誰だかわからない今、絶対に怪しまれるのが分かっているが、賭けに出た方がいいのだろうか、と眉を寄せた。

ここで、狼を吊らないためには…。

「…裕馬。」直樹は、思いきって言った。「ごめん、オレ…潜伏しようと思ったんだけど。噛まれたくないし。」

裕馬は、え、と驚いた顔をしたが、眉を寄せた。

「…役職名言うなよ。なんで今COするんだよ。怪しまれてないだろ?むしろ今では白いと言われてたのに。」

直樹は、首を振った。

「違うんだ、オレが霊媒師。」裕馬が、目を見開く。直樹は続けた。「ごめん。明日、結果が白黒で違ったら村にも片方が偽だと分かるかなって思って、噛まれないように今日は潜伏しようと思ってた。霊媒には狂人が出るのがセオリーだし、オレが狂人だと思われたらとりあえず今夜の襲撃対象にはならないし。潜伏する時は、ちょっと怪しまれるぐらいがいいんだ。噛まれず済む。でも…ここまで吊り先が決まらないなら、出た方がいいかなって。だって、オレ目線じゃ狼陣営がめっちゃ透けた気がするんだよ。」

海斗が、言った。

「だとしても、どうせ今日出るなら早く出ないと。なんで今なんだよ。出ないと決めたなら最後まで貫かなきゃ。うわーめっちゃ濁った。マジでないわー。今日霊媒精査までしなきゃなの?やめてよ、どうせ君は今の感じだと今日は吊られないんだから、潜伏しててくれたら良かったのに!」

清が、ため息をついた。

「もう出たもんは仕方ない。オレもそう思うけどな。つまりは直樹は、高広が相方で徹が偽に見えて黙ってられなかったってことだな?」

直樹は、頷いた。

「そう。だから占い師は悟さんが偽に見えて、単純に諒さん、和彦さんが狼なのかなって。徹さんは霊媒に出てる狂人かなって。」

悟が、言った。

「そんなあからさまなことがあるか?バレバレじゃないか。そもそも狼目線では、霊媒師に狂人が出てるなら、見えてないからあの時点では二人とも真霊媒師に見えてるはずだろうが。徹が狂人でも、狼は誰なのかわからないだろ。そんな上手いこと接触できるはずない。明日結果を出した後なら分かるがな。」

それには、正志も頷いた。

「だな。仮に徹が狂人だとしても、狼が誰だかわからない。狼目線じゃ今の今まで狂人は出てないと思ってただろうし、直樹の意見はおかしいぞ。」

直樹は、それでも言った。

「でも!そう見えるんだから仕方ないじゃないか!」

霊媒師が、3人。

これで7人外のうち霊媒師に1人、占い師に2人の3人が露出したことになる。

玉緒が役職だと言っているが、他のCOをさせていないので真贋は保留だ。

だが、仮にここも人外だったとしたら、グレーの、直樹が外れて残り8人の内、3人が人外となる計算だ。

もちろん、煌と祈で囲いが発生していたらこの限りではない。

煌が、言った。

「…私で囲いは発生していない。祈さんも他と接触した様子もないこと、真悟の真目が高い事から今は囲いを見ていない。そうなると残りの8人の内、最低3人が人外だ。玉緒さんが真役職であったなら、4人も居ることになる。しかもこの中に共有と真役職が混じってる可能性もある。分かりやすくなったのではないかね。」

分かりやすくしてしまったのか?

直樹は、内心焦っていた。

狼は3人しかいなくて、もしも玉緒だったらグレーの狼のうちの一人が初日に吊られるのはまずい。

何しろ、明日真役職が出て来たら玉緒は真っ先に吊られることになるからだ。

潜伏してた方が良かった…?

直樹は後悔したが、こうなったら真目を稼いで挽回するしかない。

諒が、言った。

「…だったら、もう役職を出したらどうなんだ。共有はいい、トラップになるし、噛まれるのはまだ早いから。だが、他の役職だ。玉緒さんと同じように、役職COさせて内訳を伏せてグレー詰めするんだ。仮に8人の中に二人居たら、もっと狭まるぞ。6人だ。共有目線じゃ相方を知ってるんだから、そこを上手いこと避けて他から吊るようにすれば、高い確率で黒に当たるんじゃないのか。占い師は残りを占えば良いんだし、かなり詰まるぞ。明日には人外位置が全部透ける勢いだ。そうしよう!」

…諒は、狼じゃない。

直樹は、それを聞いて思った。

自分の首をかなり絞めることになる進行だからだ。

それとももしかしたら共有の相方なのだろうか。

裕馬は、ため息をついた。

「…それで、もし数が合わなかったら?村は占い師も全員生きてるし、多分グレー詰めより役職詰めを選んで、そうなると玉緒さんを吊ることになるだろう。オレが恐れてるのは、玉緒さんが真役職だった時のことなんだ。人外だって、玉緒さんが疑われてるのは知ってるわけで、玉緒さんが真役職だったら騙りに出るだろう。そして玉緒さんを吊らせて、自分は吊りを逃れるんだ。霊媒結果は、3人出ていても全員生き残れば必ず確定する。なぜなら、この中に二人真が居て、1人が騙りなので1人だけ結果が違うと偽だと透けるからだ。だが、狩人が二択を外して誰か噛まれて、それが真の1人だったら結果が確定しなくなる。もう分からなくなってしまうんだ。オレは、明日まで役職のCOは待ちたい。今日は、このままグレーを詰めよう。もちろん、吊られそうになったら真役職はCOして欲しい。」

海斗が、むっつりと言った。

「…襲撃位置だから怖がるのは分かるけど、それだと人外は吊れないよ?だって、役職COしたらとりあえず今夜の吊りは逃れられるんだからね。村人だってそうだ。苦し紛れに村騙りとか出るかもよ?それこそ大混乱だと思うけど。役職COだったら、真役職の人達だって、それが偽なのか見えないしね。猫又だとか、狩人だとか言ってくれたら本人には分かるけどさ。それでもそうするの?」

言われて、裕馬は苦悩の表情になった。

誰にも、どちらが良いのか全く分からなかったが、人外にとっては出さないのが逃げ切るための道筋なのは、直樹にはなんとなく分かった。

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