24話
月が森を照らす。
地下拠点、
作戦室奥だ。
新しく作られた円卓。
ぬりかべが壁を作り
床はカワの水で清められ
焔が灯りを整えている。
てか、円卓つくったのあいつだぜ、
ぬりかべだ。
凶悪質量兵器にもなるアイツが
起用に机をつくるなんてな。
妖怪は見かけによらずってやつだよな。
俺、飯以外無理。
というか、俺が炊事担当になってんだが。
この間、ぶなしめじかとおもったら、
小分けした瞬間、ワァーとか言って逃げたんだよな。
これじゃキノコ食えねぇじゃん。マジで。
はあ。まあ、いいか。
どうでもいいこと考えて席についた。
俺、零。
一応ここの王っぽい。
ハッタリと手打ちうどん得意だぜ?
席には神妙な顔して、皆ついていた。
俺は中央あたりに座る。
左隣に雪だ。
そのまま、凛・ユイ・焔・カワなぜか土蜘蛛がいる。
ああ、こいつは土木の総元締めだからな。
いないと話にならん。
百鬼の幹部会議ってやつだな。
ちなみに弁当はない。
思わず、口からこぼれた。
「気づいたら組織っぽくなってきたな」
本当はただの妖怪拠点だったのにな。
今は、会議体制。
議題。
雪が書板を出す。
「本日の議題です」
1 外縁拡張
2 交易
3 訓練
4 情報網
これは長くなるか?
まだこなれていないし、さっさと進めるか。
凛は即言う。
「攻めるべきだ」
雪は尋ねる。
「理由は何かしら?」
「白装束のヤツが来た。
次はきっと本隊。
それなら先手を打った方がいい」
脳筋かと思ったけど、鬼らしい直線思考だ。
雪は静か。
「守りが優先です」
「理由は、第七妖階はまだ安定していないからです。
夜域がまだ未完成でもあります。
それに、内部秩序が必要です」
つまり、
国家基盤優先ってことか。
雪は、いつも冷静に物事を見れるんだよな。
マジ頼りになる。
俺より王とか、向いているんじゃないかと思うぜほんと。
カワは変わらず楽しそうだ。
「妖怪、水泳部行きます! 川もっと広げたい!」
雪はここでも冷静だ。
「水泳部として? それとも百鬼夜行としてなの?」
「そりゃ水泳っというより、水量増えたらおかず増えるよ?」
「魚増えるし、食糧安定するかも?」
かわいいが重要。
ちなみにかわいい顔してその水着大胆じゃねぇか?
「たしかに一理あるわね」
インフラ担当。
凛の配下なんだけど、地味に施設で活躍なんだよな。焔は。
「訓練」
短い。
焔は軍。
鬼や自然発生妖怪を
戦力化する案。
今や牛鬼たちは焔の管理化だしな。
あれ? ぬらりひょんは誰の管理なんだ?
いつもニコニコしていて、不意に現れてあは消えるんだよな。
しゃべらないし。
でもな、牛鬼たちは見かけによらずめちゃしゃべるんだよな。
ああ、そっか。
妖怪は見かけによらずだよな。
雪はうなずく。
「そうね。体系的に整える必要も訓練も必要ね」
「零に最前線で出張ってもらったら困るわ」
それを言った雪に賛同するように皆うなずく。
えっ、それって俺、前線でちゃだめ?
一応王っぽくいってみる。
「安心しろ俺は死なない」
「だめなんです。あなただけの体じゃないんですから」
「私たちのです」
あれ? 雪さんや?
今言ってて、顔が真っ赤だぜ?
なんか今、ちょっとエッチに聞こえたけどな。
まあ、そこは触れないでおく。
そこでユイは挙手。
なんだ?
いつもこいつは俺のサポートしてもらっているからな。
ちょっとエッチなお願いも受け入れてくれるし。
「情報網拡大」
たしかに、一番現実的だ。
こいつはいつも多方面に赴き、情報を集めているが
一人じゃ限界があるからな。
「今、聖都・町・交易路・神殿・騎士団、全部見る必要があるわ」
つまり諜報国家か。
この世界ならなおさらだな。
情報を制したものが、世界を獲る。
俺は黙って聞く。
内心、やべと思った。
みんなちゃんと考えてる。
少し驚く。
俺は、ただ妖怪を描いていただけ。
たまに手打ちうどんを作る。
だが今は
王として決める立場。
少し沈黙。
皆が俺を見る。
おいおい、そんなに見つめるなよ。
照れるぜ。
俺は口を開く。
「広げる」
全員静まる。
続けて言う。
「だが侵さない」
ここが重要。
「方針としてこれだ。
夜域拡張は続ける。
人の町は侵さない。
聖都の白いヤツとは戦う。
不要な戦争はしない」
だってよ。お前ら食う卵の仕入れ先だぜ。
串焼き食いたいし、娼舘にも行きたい。
俺は重要なので改めて、皆に伝える。
「森は広げる」
「だが人の土地は奪わない」
「向こうが来たら迎え撃つ」
「それだけだ」
凛は腑に落ちたような顔つきでうなずく。
「守りながら攻めるか」
おいおい、
ヘッドバッキングしなくていいんだぜ?
雪は、小さく頷く。
ユイは、微笑。
「王の方針ですね」
そういいながらスカートの奥見せるな。
マジで目線困るんだが。
ニヤリとするなー!
ああ、でも見てぇな。
会議終了。
みんな散る。
俺だけ残る。
円卓を見る。
ふと思う。
「これ……」
「もう国じゃね?」
はあ、俺やるっきゃねぇよな。
頭をかきながらすぐ近くの作戦室いく。
日課の水盤に目を落とす。
「なんだ?」
遠く。
夜域の森。
外縁付近で黒い芽が
少し大きくなっている。
ああ、そだってやがるな。
俺は、拡大した水盤をもとにもどしその先を見つめた。
あの光る柱が塔か。
また来ると思われる聖都の白いヤツに
人知れず身構えていた。




