悪魔族四天王
平和記念日のこの日、悪魔族四天王がオストルン大陸に勢ぞろいした。
シドル王都に四天王筆頭のバトラー、
ブリズバーンには残る四天王のダークデビル、ラビエル、ハ・デスが揃った。
悪魔族四天王の力は、基本的にはほぼ対等である。
純粋な攻撃力だけで見れば
(ヘル)バトラー>>ダークデビル>>ハ・デス>ラビエル
999>>800>>500>400
(身体強化魔法時はその倍の差)
の順である。
しかし、扱う魔法の強さの順はその逆
ラビエル>>ハ・デス>>ダークデビル>バトラー
であった。
魔法がなくなってしまったためにバトラーが四天王筆頭となっていたが、マナが復活した上、マナの器がフルに覚醒した現状にもなると、現時点での四天王最強は多様な魔法を扱える堕天使ラビエルであり、その実力は四天王の中で飛び抜けているといって良い。
そして、闇魔法の鬼才であり、光の対抗魔法を使えない相手であれば確実に死を与えることができる死の呪文を唱えるハ・デスも、光魔法を使えるラビエル以外の四天王2体を魔法で即死させることができる。もし四天王同士で戦えばNo.2はハ・デスとなるだろう。
だが、この中で唯一、先の大戦でグレンと戦った経験がある(戦って生き残った)のは、ダークデビルである。
かつての大戦時、身体強化魔法を駆使しつつ、闇魔気という闇魔法のオーラを身体に纏うことでグレンに匹敵する力を持っていたといわれるダークデビルも決して侮ることができない存在である。
そう、この四天王3体によるグレン包囲網は、魔法が使えないグレンに対して、力で対抗できるダークデビルがグレンを抑え、残りの2体が魔法で集中砲火をするというグレンのために用意された布陣であった。
バトラーもその攻撃力は四天王随一であるが、どうしても純粋なパワー勝負になってしまうため、同じタイプで格上のグレン相手では相性が悪い。その上、肉弾戦となってしまうと、魔法での援護も難しくなってしまう。
四天王をタズたちとグレンに担当を2つに振り分けるとしたらこの組み合わせしかないのだ。
グレンは不老不死とはいえ、無敵ではない。
体力というものも存在しているため、四天王3体掛かりでグレンの体力を削りきった上で、捕縛の魔法をかければ、グレンの体力が回復するまでの長期間、グレンを無力化することができる。
そうして時間を稼いでいる間に、エビルサタンはイリスのマナを回復させつつ、天空の塔へと向かい、バトラーがタズたちを葬る。
そして、エビルサタンとイリスが魔界へと渡ったら魔界側の転移門である月夜の塔を破壊してしまえば、グレンは魔界に来ることはできなくなる。
これがエビルサタンが描く今回の作戦の全貌であった。
ここまで作戦は順調であった。
その上、ダークデビルはグレンを見てとある事実に気が付いた。
今のグレンはグレンの象徴とも言われるアレを持っていない。
アレを持たないグレンなど恐れるに足りない、いよいよ復讐を果たす時がきた、そう考えて口元を歪ませていたのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「よぉ、お前ら。良くもやってくれたな。
・・・お前はデビルか。
100年ぶりだな。
俺から逃げ出したお前がノコノコとまた俺の前に出てくるとは・・・。
しかもこの俺を前にしてそのニヤけたツラ・・・お前も勇者の素質があるかもな。
ハハハ。
そこのお前ら二人は新しい悪魔四天王か?
ちょうどいい、お前らの王、エビルサタンとかいう奴は何者だ?
悪魔族の魔王なら俺が100年前にぶっ潰してやったはずなんだが・・・
魔王といい、四天王といい、ゴキ●リのように湧きやがって、どうやら潰し足りなかったようだな・・・」
静かに怒っていたグレンは、3体の四天王に何ら臆する様子もなかった。
「フハハハハハ!
・・・グレン
我らが主様のことをキサマに話すはずがあるまい。
キサマに100年前、我が息子アマイモンや前魔王様を殺された恨み、今日こそ晴らさせてもらうぞ・・・」
グレンとダークデビルは100年前より因縁があった。
当時も悪魔族四天王だったダークデビルは、魔王や他の四天王たちと共にグレンと戦った。
その結果、ダークデビル以外の四天王は消滅するに至った上、当時の悪魔族の魔王もグレンによって消滅させられたため、ダークデビルは逃走するに至ったのであった。
グレンによって壊滅的なダメージを受けた悪魔族は、ダークデビルと現魔王であるエビルサタンによってこれまで100年の長い年月をかけて再興してきたのである。
魔界が先に地上を攻めてきたのであるから逆恨みにもほどがある上、今日この惨劇を引き起こしておきながらどの口がそれを言うのかという話であったが、悪魔族のこれまでの苦難の道のりを考えるとダークデビルがグレンに対する殺気が抑えられなくなるのも当然であった。
ここブリズバーンにおいても、人族代表と悪魔族四天王の決戦―グレンと悪魔族四天王3体による決戦―がいよいよ始まる。
初投稿で不慣れな中やってきましたが、なんとか50話まで辿りつけました。
1話の長さも長かったり短かったり、投稿ペースもバラバラでまだまだ未熟ではありますが、読んでくださっている皆さま、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
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