表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者を継ぐ者  作者: 本城達也
第一次オストルン大戦【後半】
42/106

バトラーとの戦い①

「貴様たちを殺すためにこいつらを召喚したが、所詮はただの雑魚。

 どうやら力不足だったようだな。

 我が直々に相手をしてやろう」



 不敵に笑うバトラーに対して、タズは、ぐっと歯を食いしばった。



 ここからが本当の闘いの始まりである。



 ビリビリと震える空気から伝わってくる敵のオーラはあのときのエビルサタン以上。



 あのとき、タズがエビルサタンの軽く振るった拳の前にあっさりと腹部を貫かれて死の寸前まで追い詰められてからまだ一か月も経っていない。



 あの一撃をも超える攻撃を、グレンの修行を受け、魔法で身体強化をした今のタズなら果たして耐えられるのか・・・



 自信はなかったが、ここまできたらやるしかなかった。



 バトラーはグルルゥと一唸りすると、身に纏った禍々しいオーラを爆発させ、おそるべき速さで飛び出してきた上で腕を振り上げてタズに向かってその拳を繰り出した。



 タズはバトラーのあまりの速さに避ける間もなく、両腕でガードするしかなかった。




 その巨大な拳による渾身の一撃を受けた瞬間、タズの両腕は粉々に砕けた上、後方に勢いよく吹き飛ばされていった。





 腕は粉々に砕けたとはいえ、前回のエビルサタンの一撃のような致命傷までは受けなかったのはやはりグレンの修行とレベルアップの成果であろう。いずれかを欠いていたのであれば、タズは今の一撃であっさりと死んでいた。

 バトラーの渾身の一撃はそれほどの威力であった。



 バトラーも当然のように身体強化の魔法を駆使しているため、魔法が使えることはアドバンテージになっていなかった。



「タ、タズ!!」


 イリアが慌てて吹き飛んだタズの方へ飛んでいき、追い付き、タズの両腕に回復魔法をかける。



 だらんとしていた腕にまた芯が通ったかのように回復していった。



 王宮騎士団は回復魔法を使ったその少女に驚いたが、今はそれどころではない。

 目の前にいるのは、魔王と言っても過言ではない、悪魔四天王。


 

 

「フン。やはり大したことないな。

 はじめから我一人で良かったか・・・」




 バトラーはたった一発のパンチだけで王宮騎士団全員を震撼させていた。




 だが、王宮騎士たちは決して絶望はしなかった。



 この場に勇者がいる以上、やるべきことは一つである。



 あの魔族を倒せるのは勇者の一撃のみ。

 

 最後の一人になったとしても少年を庇い続けて一撃を届かせる。


 人族の勝機はそれしかないと感じていた。


 

 あの少年は吹き飛ばされたとはいえ、あの一撃に耐えたのだ。まだやれることはある、そう感じて、希望を捨ててはいなかったのである。


 


だがしかし、


「フン。邪魔な人間どもも余計なやる気を出しておるな。

 それにだいぶ配下も減らされた・・・。

 どれ、少し絶望させてやろう」



 バトラーはそう言うと、自身の禍々しいオーラを一部切り取って、ミノタウロスの最上位種であるヘルミノタウロスを召喚した。



「ヘルよ、そこらの邪魔な人間を片付けておけ」




 ヘルミノタウロスはそれに返事をするかのように主人同様にグルルゥと唸り声を上げて、アルフレッド達に襲い掛かった。



 恐ろしい勢いでこちらに駆けてくるヘルミノタウロスを見て、アルフレッドは声を上げて騎士に指示をだした。



「まずいぞ!作戦変更だ!

 騎士は先ほどまでのミノタウロスを引き付けてこちらへ連れてくるな。


 あのヤバいミノタウロスは俺とジョージで引き付ける。


 ジョージ!俺たちではこいつに勝てん!だが、勇者があいつを倒せば・・・

 それまで耐えて時間を稼ぐぞ!」



 王宮騎士団の死闘もまた始まったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ