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カナンの街防衛戦

剣を入手したルリ、朝食を食べ英気を養って外に出るとスフェールが神託が下ったと言う。

カナンの街が危機的状況にあると聞いたルリはスフェールに乗り街を後にした──




 朝食を取り終えると、スフェールと宿を出た。

 ゴドラフさんが一日かけて寝ずに作った護衛剣を受け取った、羽のように軽い剣だった。


 スフェールは四足歩行状態になり、私は隣を歩く。

「これからどうするの?」

「……少し待て」

 スフェールが立ち止まったので私は首をかしげる。

「……神託が下った。ここから東の町カナンに行けとな、ヒュマナ信者達が向かっている」

「どんな町?」

 と首をかしげると、ちょうど通りかかった長さんが──

「あそこは鍛冶神ドワノフ様を信仰する巨大な町! ドワーフがたくさんおります!」

「大方武器を無理矢理作らせるのだろう」

「急がないと!」

「ルリ、乗れ」

 スフェールが合図をしたので私は飛び乗る。

「では、失礼します! さようならー!」

 そう行って街から飛び出した。





「何時間くらいでつく?」

 アギトの街を飛び出すと、私はスフェールに乗りながら尋ねる。

「二時間も走ればつくだろう?」

「休憩は?」

「いらん」

 二時間も乗りっぱなしかーまぁ、我慢できるだろうと思いながら風を感じていた。





 二時間後──

 時計を鞄から出しておいたので、二時間が経過した。

 お昼前になっていた街の前につくとドワーフの警備員さんが槍を突き出してきた。

「う、うわ!」

「神託は来ておらぬのか?」

「神託? も、もしかしてフェンルリとその神の巫女様か⁈」

「え、ええ、まぁ……」

「長に連絡じゃぁ!」

 どたどたと走って行く。

 すると小柄なドワーフの中でも大柄なドワーフが姿を見せた。

「儂がこの街を管理するロドノフじゃ」

「る、ルリです」

「ドワノフ神のお告げの件は聞いておるし、斥候が報告してきた、夕方前には連中はつくじゃろう。それまで英気を養ってくれ」

「あ、有り難うございます」

「なら、依頼として受けるぞ、こまめに依頼を受けんとせっかくの冒険者ギルドのライセンスが腐る」

「冒険者ギルドのをお持ちか、なら儂が防衛作戦として依頼を出そう。ついでにランクもAに上げておこう」

「い、いいんですか⁈」

「勿論だとも」

 ロドノフさんにライセンスカードを渡すと、しばらくして、金色のライセンスカードになって戻って来た。

「防衛、任せましたぞ、フェンルリ様」

「分かっている」

 スフェールは素っ気なく答えた。


 私はそれまでにご飯を食べて銃の試し打ちをして、調子を確認する。


 午後三時くらいになるとスフェールが来た。

「出るぞ」

「うん」

 私はスフェールに乗り、街を出た。





 丘を越えると、ずらっと兵士達の列が横に並んでいた。

「囲まれている、分担していくぞ」

「うん」

 私は頷く。

 スフェールから下りるとスフェールは別方向に走って行った。


 私は銃を構える。

 引き金を引くと巨大な雷の塊が兵士達の頭上に行き、落雷となって落ちた。


 私は走る。

 足取りは軽い、兵士一人を踏み台にして高く上がると回転しながら銃を撃つ。

 無属性の魔法の弾丸が兵士達や加護持ちの装備を壊し昏倒させる。


 着地すると同時に左右に銃弾を撃ち、近づきながら避けつつ攻撃する。


 槍も剣も届かない。


 全てがスローモーションに見える。





「これで、終わり?」

 一時間ほど戦っていた。

「終わったようだ」

「うわ⁈」

 口を真っ赤にしたスフェールがいた。

「く、口を真っ赤にしないでよ、驚いたじゃない!」

「すまんな、こちらにはドラゴンライダーがいたのでな」

「マジですか」

「マジだ」

 どたどたと兵士達の足音が聞こえた。

「フェンルリ様──‼ 巫女様──‼」

「無事かー⁈」

 ロドノフさんもやって来た。

「取りあえず、第一陣はなんとかなった。生きてる連中も加護を失っただろう」

「よし、取りあえず牢屋送りじゃな。お前達連れて行け!」

「「おう!」」

「あの、スフェールさんや?」

「どうしたルリ?」

「今、第一陣って言わなかった?」

「ああ、夜中に来るぞ。と言うわけで──」


「眠れ」


 ごすっと首に衝撃が来て、私は意識を昏倒させた。





「スフェールさん! もう少し方法ないんですかー!」

「あの子なりに気遣っているのよ、あれでも」

 夢の中でフェンリナ様が困った顔をしている。

「だとしても、首にどすっと衝撃はないですー!」

「本当ごめんなさい」

 フェンリナ様が謝罪する。

 謝って欲しいのはフェンリナ様じゃないんだけどなー!

「まぁ、そうかっかするなルリ」

「ドワノフ様」

「この二陣目を撃退できたらカナンの街は安泰なんじゃ」

「うー……」

「それにしてもルリ、相当動きが慣れてたぞ?」

「あ、あれはテレビの動きを真似てたんですよ、格好良くて」

「元の世界の話か?」

「はい」

「なるほど、その真似と儂等の加護が合わさってあの動きができた訳か」

「ほー……」

「戦神でもある俺、ビストレスの加護もばっちり働いてるな!」

「そのようですね」

 ビストレス様とエルフィーナ様がやってきた。

「でも、くれぐれも無茶はなさらないように」

「ええ、そうです」

 エルフィーナ様とフェンリナ様が綺麗な手で私の手を包む。

 私の手は、少し傷だらけになっている。

 ちょっと恥ずかしい。

 というかみっともない感じがする。

「恥じないでください、これは貴方が人々を守ろうとした証」

「守った証」

「どうぞ誇りに思ってください」

「けれども、自分を大切に」

「……はい」

 私は小さく頷いた。


 自分を大切にと言われても、今はクロノシア様の依頼が重要だ。

 このままでは多くの被害が出る。


「ルリや」

「クロノシア様!」

「儂が頼んだ事を重要だと思ってくれるのは有り難い」

「……」

「だが、それで其方に深い傷ができるのは良しとしないいくら加護で治せるからと言って儂はそれを良しとは思わぬ」

「……」

「自分を大事にな」

「……はい」

「おお、そろそろ目覚めの時のようじゃ。カナンの街を頼んだぞ」

「はい!」

 私は頷いた。

 此処でできることを、今しなくては。







カナンの街防衛戦です。

第二陣があるからと昏倒させてルリを休ませるスフェール。

善意です。

平気だとわかっててやってます。

じゃなきゃやりません。

神様達もルリが頑張ってるのを分かっています、だから大切にしています。

自分達の尻拭いをさせてしまっている後ろめたさもありますし。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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