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家族のあり方

ミーナの病気が治って数日後、のんびりとしているルリとスフェールの元に、マナが「ミーナが親に無理矢理連れていかれそうになっている」と聞き、孤児院に向かう。

何故かスフェールだけはギルドに立ち寄り──





 あれから数日後、朝起きて食事をし、のんびりとお茶をしているとマナ君が慌てて駆け込んできた。

「みこさま、ふぇんりるさま、たすけて!」

「どうしたの?」

「どうした?」

「ミーナのおやが来て、ミーナをむりやりつれてかえろうとしているんだ!」

「何ですって!」

「ルリ、行くぞ」

 私達は急いで孤児院へ向かう。

 何故か、スフェールは一回ギルドに寄っていた。


「病気が治ったならミーナは親である私達が引き取ります!」

「残念ですが、ミーナは貴方達の元には帰らないと言っています」

「ミーナ!」

「びょうきになったわたしをきょうかいにあずけて、いちどもみまいにこなかったくせに、それにくすりのだいきんだってきょうかいがきふきんからねんしゅつしていたってききました」

「そ、それは……」


 なんか深刻だけど、凄い親心が感じられない話合い。

 私は何を言おうか迷ったけど、スフェールが出て来た。


「おい、この子どもを産んだだけの連中」

「なっ⁈」

「し、失礼な‼」

 貴族らしい夫婦は顔をゆがめる。


「その御方はフェンリル様ですよ」

「な⁈」

「フェンリル様だと⁈」

「そしてここに居るのが……」

 ディカさんが私を見るので私は頭を下げずまっすぐと二人を見ながら言う。

「初めまして、巫女のルリです」

「フェンリナ様は何でも見通しだ」

 スフェールは凄む。

「貴様等は家が豪遊で傾いてしまった、とある貴族から娘を一人寄越せば資金援助をしてやると言われた、だがどの娘も嫌がった。そこで思い出した、教会に押しつけて治ったと風の噂で聞いた娘の事を」

「……最低」

「そのような事はフェンリナ様はお許しになりません」

 私は二人を睨み付け、ディカさんも静かな怒っている声を出した。

「ええい、私達は──」


「自分達はヒュマナ信者だから、関係無い? とでも」


「「‼」」

「まさかこの国の貴族にヒュマナ信者が残っていたとは……」

「豪遊も、ヒュマナ神がもたらした加護でできていたものだろう。だがヒュマナ神が居なくなり、貯蓄は減る一方──と、言ったところか」

「ぐ、ぐぅうう!」

「ヒュマナ信者が居ると聞いて来たぞ」

 スフェール、ギルドに寄った理由はこれかぁ。

 ギルドマスターと警備兵達が二人を取り押さえ連れて行く。


「ほんとう、さいていなひとたち。わたしのおやだなんてはずかしい」


 ミーナちゃんは悲しげに言う。

「大丈夫ですよ、ミーナ。今の貴方の家族はこの教会の人達ですから」

「はい、しきょうさま」

「取りあえず、一件落着? スフェール、有り難うね」

「これ位たやすい」

「よかった! ミーナがつれていかれなくて!」

 マナ君がミーナちゃんに抱きついている。

 ミーナちゃん、なんか嬉しそう。

「ちょっとはずかしいよ」

「ああ、ごめん!」

 いやぁ、可愛いねぇ。

 思わずほのぼのしてしまう。



「さて、ではこれで安心して狩りにいけるな」

「あ、ちょっと待って!」

「どうした?」

「マナくんとアリスちゃんが畑をやりたいんだって」

「そうか少し待て」

 庭の隅にスフェールは移動すると、足で地面を引っ掻いた。

 すると地面は耕されていた。

「で、種はどうする」

「ちょっと待ってね……」

 鞄を取りに行き、鞄から種を取り出す。

 芋と、キュウリと、トウモロコシ。

 文字はこちらの文字で書かれているのが謎だ。

「種もってきたよ」

「わぁ、みたことないです」

「あたちも」

 芋とキュウリとトウモロコシないんかな?

 それとも別の形か違う大陸?

「じゃあ、一緒に植えようか」

「はい!」

「あい!」

 植え方を見ながら畑になった土地に植え、水と肥料をやる。

 じょうろは鞄から出てくるサイズではなかったのでぽんと出現した。

 鍬も同様。


「じゃあ、行ってくるね」

「はい、いってらっしゃいませ」

「いってらっしゃいませー」


 と元気よく出て行こうとすると。

「ルリさんやー!」

 ゴドラフさんの声、そう言えば最近忙しくてお酒持って行ってなかった。

 反省。

「お酒ですね、ちょっとお待ちを」

 家に戻り鞄からお酒を取り出す。

 麻袋に壊れないようにその酒瓶を入れる。

「これ、持って行ってください」

 それをゴドラフさんに渡す。

「ひょー! こんなにいいのか⁈」

「最近忙しくてお酒もっていけなかったですから……」

「ルリさんは、本当にいいお人じゃ……しっかり、街での仕事をしますぞ」

「お願いします」

 ゴドラフさんが居なくなると、ふぅと息を吐いた。

「ルリ、いいか?」

「うん、じゃあギルドに向かおう」

「ああ」

 私は四足歩行のスフェールにまたがりギルドに向かった。



「ワイバーンとマーダーブルですか」

「ああ、どっちも厄介でな。巫女様とフェンリル様にやって貰った方がいいと思ってな」

 私はスフェールを見る。

「フン。どちらもたやすい」

「ではお願い致します」

「……お肉、美味しい?」

「ああ、美味いぞ」

 マーダーブルはステーキにしてみたらどうだろうかとか思ってみたり。


 そしてギルドを出てマーダーブルのいる草原へと向かう。


 草原には群れが集まっていた。

「じゃあ、行こうか」

「ああ」

 飛び出し、攻撃を避けながら魔弾を放つ。

 魔弾はマーダーブルの脳天を直撃し、倒れた。


 スフェールは雷撃魔法で感電死させていた。


「よし、狩れたね全部」

「じゃあ、アイテムボックスに詰めるか」


 そう言って群れの死体全部をアイテムボックスに詰めた。


「次はワイバーンね」

「ここから鼻の先だな……向こうから来たようだ」


 ワイバーンは声を上げながらこちらに向かってきた。

 毒針を避けて銃弾を水の弾丸に変えて翼を打ち貫く。


 ギャオオオン!


 スフェールは風魔法で、落下させていった。


「あっという間に終わったね」

「そうだな」

 予想よりも早く終わったので私達は安堵の息をつく。


 ワイバーンの死骸もアイテムボックスに入れる。


「さて、じゃあ帰ろうか」

「帰るか」


 私達の家に。

 あの子達が待ってる家に。


 私達は向かっていった──







ヒュマナ信者がまだいました。

ミーナの家族がそうだったのです。

ミーナの家族の処遇は国が行う事になるでしょう。


ミーナは実の家族に見切りをつけ、孤児院の人達を家族と認識します。

マナとアリスはどうでしょうか?


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回最終回です、読んでくださると嬉しいです。

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